仲順大主の思いと三匹の子豚は・・・

  • 仲順大主の思いと三匹の子豚は・・・

  三男は、父親を誰よりも大切に思ったばかりに、子供を生き埋めにする羽目になりました。言われたとおり、木の下に涙を流しながら穴を掘っていると、「カチーン」とクワの先に何か硬いものが当たった。そこには小さなカメが出てきた。中を見てみると一杯に詰まった金の山。それは、仲順大主が埋めておいた黄金の入ったカメだった。

  戻ってきた三男家族に仲順大主は、「さっきはひどいことを言ってすまなかった。この黄金は一番親思いのお前に譲ろう。」こうして三男家族は、親を思う気持ちを忘れずにいつまでも仲良く幸せに暮らしたということでした。

  親が子を想う気持ち、子が親を想う気持ちこそが家族の絆であり、 世界も日本も、都市も地方も、男も女も、普遍のものなのだと深く共感する今日この頃です。 ましてや、庶民では想像もつかないながら、王位や財産について生命とひきかえに継承していかなければならないという選択を迫られ感じていた仲順王の苦悩はいかばかりでしたでしょうか。

  しかしながら、長男ではなく三男、という部分にも何か意味があるようにも感じられますし、奥深いですね。例えば「ブー・フー・ウー(三匹の子豚)」でも、家族を救ったのは、三番目の弟でしたよね。子供は3人生むべきじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。

参考文献: 『新おきなわ昔ばなし』 

2013.08.22:orada:[変な民族学5巻 日本民俗論]

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