若者達へ ⑥保健室で 

 「保健室で」というタイトルを見て、多くの人は思うだろう。「変な民俗学者のことだから、コスプレが出てくるだろうな・・・。」残念でした。今日は3・11だから真面目にやるんだ。ましてや「若者達へ」だからね。
 “保健室登校”というのがありますよね。保健室には、優しくて素敵な養教の先生がいるんです。そんな女性の先生が語った言葉が、重く心に残っています。「保健室に登校する生徒は、親の人生を背負っているんです。15歳ぐらいの一番不安定な時期の子供達が、重いカバンの中に背負って来るのは、親の人生なんです。例えば夫婦喧嘩に明け暮れる親、子供に辛くあたる母親自身の悲しい人生を背負って来るんです。」
 「大人が変われば子供が変わる」という看板が掲げられています。けれど私には、まともな社会を創るには、「子供をとおして大人が変わる」しか道はないのではないか、とも感じています。ただしこの理論は、すべての親が「自分の子供は幸せにしたい。」と願っていることが前提なんですが、これも今の社会では難しくなっているような気がします。本当に悲しくなって来ます。
 
2013.03.11:orada:[変な民族学4巻 若者達へ]

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