私は、長井の黒獅子の起源・ルーツは、“長崎くんち”と同じ可能性があると考えている。長崎くんちは、龍を数十人の担ぎ手で生きたように踊るものである。(私は実物を見たことはないが)。畏怖すべき存在は、長崎の“龍”であり、道の奥の長井では“黒獅子=龍の化身”と呼んでいる。さらにこの起源は、中国獅子の流れも汲んでいるはずである。
ある人の説によれば、中東から東アジアに伝来したライオンが中国化したものが獅子であり、日本化したものが狛犬である。雌雄の狛犬が立つ神社の境内で舞うのが、日本・長井の黒獅子なのである。岩手には黄色の虎舞があると聞いている。越後獅子は赤である。次号では、黒獅子と赤獅子について考えてみたい。
日本文化論③長崎くんちと黒獅子
2013.02.27:orada:[変な民族学5巻 日本民俗論]
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