故吉田東伍氏は、『大日本地名辞書』で、「優嗜曇」はアイヌ語であろうと示唆しています。ウキタムはアイヌ語で、ウ(広い)-キ(葦や芦のような植物)-タミ(谷地)で、「広い葦や芦の生えている谷地」という意味です。古代の置賜地方は、沼や湿地の多い地方であったので、ウキタムと言われたのが郡名になったという説です。
さらに、ポリネシア語から地名を読み取る研究をしている井上夢間氏は、ウキタマ・オイタミ・オキタマは、マオリ語で解釈すれば、「ウ・キタ・マ=乳房(のような山)で締め付けられた清らかな土地」の意味であるとしています。この解釈から浮かぶイメージがありませんか。
明治の初期に日本を訪れたイギリスの女流旅行作家イザベラ・バードが、紀行文「日本奥地紀行」の中で、置賜盆地の風景を評した感動に通じるものがあると,私は感じます。女史は、『(置賜盆地は)まったく「エデンの園」である。「鋤で耕したというより鉛筆で描いたように」美しい。米、綿、とうもろこし、煙草、麻、藍、大豆、茄子、くるみ、西瓜、きゅうり、柿、杏、ざくろを豊富に栽培している。実り豊かに微笑する大地であり、アジアのアルカディア(桃源郷)である。』と記述しています。
皆様には、このような諸説をどのように受け止められたでしょうか。故郷・置賜には悠久の浪漫があると思いませんか。そして,それが東南アジアやヨーロッパまで通じるものがあると思いませんか?あなたの故郷の語源を調べてみてください。
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