「マスコさん、ドイツでは70歳すぎたら、被選挙権がなくなる。でも日本にはその制限がないんだよね。だから、マスコさんは100歳まで政治家を続けることができるよ。記録に挑戦してみて…」―。花巻市郊外でケ-キ職人をしているドイツ人のポ-ルさんはこう言って、ニヤリと笑った。「人生の余暇を楽しむのがヨ-ロッパ人の生き方。そこが日本人と違うところかな」。選挙って、こんな旧交を温める機会になったり、新たな出会いを生んだりして、とっても面白い。まるで“祝祭”みたい…
ある街宣箇所での出来事―。マイクを握った直後、5メ-トルの至近距離に止めた車から40代半ばの男性が降りて来た。熱心に聞き耳を立てていたが、時折、ポケットに手を入れたり、周囲をうかがうなどちょっと、落ち着きがない。一瞬、あの元首相に対するテロ事件が頭をよぎった、たまたまこの日、私の選挙ポスタ-が掲示板から消えてしまうというハプニングがあったせいかもしれない(コメント欄に証拠写真)
約15分間の演説を終え、その男性に歩み寄った。45歳だという男性な開口一番、こう言った。「あなたの演説をずっと、聞きたいと思っていた。ウグイスさんの声が聞こえたので、後ろについてきた。会えて良かった」―。私は自分の浅慮が恥ずかしくなった。「これまで引きこもりの人たちの支援に生きがいを感じてきたが、コロナ禍の拡大でそれもできなくなった。あなたの力を借りて打開策を考えたい」―。この日の新聞各紙はコロナ感染者がついに1日15万人を超えたというニュ-スを伝えていた。私たちは互いに携帯番号を交換し、再会を約束した。
ウグイスさんが小さな声でささやいた。「ほんとのところ、候補者が襲われたら、どうやって防ごうかな、と。相手の車のナンバ-も必死になって頭に刻んだ」―。後日談に選挙カ-の中は爆笑の渦に包まれた。「選挙って、何が起こるかわからない、だから、お祭りなんだね」
(写真はポ-ルさん夫妻を囲んで、記念撮影に収まるスタッフたち=花巻市大沢で)
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