今回は“ある筋”を通すことなく、私宛に直接、“怪文書”第2弾が送り付けられてきた。表題のようなタイトルのその内容は上田東一市長に対し、容赦なく手厳しい。いわく―「昼飯の出前を決めるようなめちゃくちゃな理由が、地方自治法施行令のどの随意契約理由に該当するか、あなたは理解できますか?―市民にはさっぱり理解できません。これぞ、法律の専門家上田市長!完全に地方自治法違反。法律の専門家が法律を無視。もしかしたら、(株)オガ-ルに随意契約しなければならない密約でもあるんですかねぇ~。流石(さすが)、パワハラ・強権・議会軽視・市民無視の“裸の王様”上田市長」―。返す刀でその矛先は私にも向かってきた。
「あなたも元記者なら、ちまちました記事ばっかり書かないで、疑惑の新図書館構造(構想?)の核心に迫る記事をブログに掲載してちょうだいよ。陳情のコピ-や新聞記事の転写だけでなく、元記者なら足で取材して、疑惑の随意契約について、ちゃんと市の契約担当の偉い部長とか課長に取材して、謎の随意契約理由の真相究明をお願いします」―。お叱りを真摯に受け止め、さっそく担当者のレクチャ-を受けてきた。お説のように「随意契約」には厳格な法規制があることがわかった。それにしても最近、不思議な感慨にとらわれている。永田町界隈で繰り返され続けている“真相隠し”と今回の“怪文書”事件を見ていると、実はいわゆる「怪文書」の中にこそ、「真実」が隠されているのではないか、と…。以下に番外編として、送られてきた文書の内容をそのまま、掲載させていただく(傍線と太字は「怪文書」氏)
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●「令和2年2月 定例記者会見」を花巻市ホ-ムペ-ジから一部抜粋
(記者) 株式会社オガ-ルとの契約は随意契約(注)での業務委託みたいな形になるか
(市長) 我々はそのように考えています。と言うのは、JRとの話し合い、橋上化の話もありますが、やはり全国には、①いろいろ公民連携の教科書がベストセラ—でありますよね。全国のそういう公民連携の事業を進めている本で、非常に評価の高い本だと思いますけれども、あれでも全国の公民連携の専門家の中で、岡崎(正信)さん(オガ-ル社長)の手腕について非常に評価が高いんです。それが一つですね。
それから②もう一つは、花巻市において、そういうことについて経験のある方は多分いないと思います。県内にもいないということで、東京には多分いらっしゃるんですが、東京の方を含めて、しょっちゅうお会いして来てもらって話をするというのはなかなか難しいと思うんですね。
それから③もう一つは、岡崎さんとの縁は前にもお話したと思いますけれども、私が市長になった直後からなんですね。平成26年2月に私市長に就任しましたけども、6月か7月ぐらいに、オガ-ルに行って岡崎さんとお会いしていろいろ話をしたんです。非常に発想が優れているなという印象でございます。
私自身、前歴は法務担当で企業におりましたので、そういうことについて普通の方よりは知見があると思いますけれども、それでも例えば建物を造るについてのそういう積み上げですね、今まで公共単価という話をしましたが、積み上げていくとか、性能発注とか、よく分からないところがあります。
そうすると、やはりその部分については、専門的な知見を持った人に入っていただかなくてはいけないということ、それをお任せするのではなくて、しっかり一緒にやっていきたいということなんですけれども、さっき申し上げたように、平成26年の夏ぐらいには岡崎さんとお話して、オガ-ルの説明をいただいて、8月ぐらいだったと思いますが、岡崎さんに進められてリノベ-ションの勉強会、研修を花巻で初めてしたんですね。そのときにリノベ-ションで有名な方で岡崎さんの紹介で清水義次先生に来ていただきましたけども、そこでそういう研修を受けた中から出てきたのが小友(康広)さん(花巻家守舎代表)とかですね、実際今、リノベ-ションやっている方々なんです。リノベ-ションスク-ルはその後も開いていますが、そのときに岡崎さんに来てもらっていろいろご助言をいただいたりしています。
あとは花巻市の職員を岡崎さんのところに研修のような形で1年間出しています。そういうことで、信頼できるなというのが正直なところでございまして、我々の知らない方に頼むのはちょっと怖いということ、そして花巻市に近いところにお住まいの人ですから、しょっちゅうお会いできるということですね、これが大きな理由だと思います。①彼の実績、②それから知っているということ、③近いとこにいらっしゃるという三つではないでしょうか。
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●こんな、めちゃくちゃな理由で随意契約できるのでしょうか?
以下、地方自治法施行令の一部抜粋(第167条の2)
(随意契約)
地方自治法第234条第2項の規定により随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。
一 売買、貸借、請負その他の契約でその予定価格(貸借の契約にあっては、予定賃貸借料の年額又は総額)が別表第五上欄に掲げる契約の種類に応じ同表下欄に定める額の範囲内において普通地方公共団体の規則で定める額を超えないものをするとき
二 不動産の買入れ又は借入れ、普通地方公共団体が必要とする物品の製造、修理、加工又は納入に使用させるため必要な物品の売払いその他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき
三 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律…以下、一部省略…普通地方公共団体の規則で定める手続により受ける契約をするとき
四 新商品の生産により新たな事業分野の開拓を図る者として総務省令で定めるところにより普通地方公共団体の長の認定を受けた者が新商品として生産する物品を、普通地方公共団体の規則で定める手続により、買い入れる契約をするとき
五 緊急の必要により競争入札に付することができないとき
六 競争入札に付することが不利と認められるとき
七 時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みのあるとき
八 競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がないとき
九 落札者が契約を締結しないとき
(以上)
《注》~「随意契約」とは(この項の文責はブログ筆者)
官公庁が民間会社などと契約を締結する時に、相手方を決定するための契約方式は「競争契約(入札)」と「随意契約」の二つに分けられる。随意契約を採用する際の判断基準には、「少額随意契約」、「競争性のない随意契約」、「不落随意契約」の3種類がある。この中で、競争性を排除した契約方式は、研究用の精密機器など販売可能な会社が一社に限定されるなどのケ-スがほとんどで、官公庁の契約行為の中では「例外」とされる。たとえば、物品購入費が130万円以下(花巻市)などの場合に採用される「少額随意契約」が官公庁では一般的である。
このほか、「プロポ-ザル」(技術提案書競技方式)と呼ばれる方式もあり、主に業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、複数の相手先に目的物に対する企画を提案してもらい、その中から優れた提案を行った者を選定することを指す。さらに、発注者が複数の設計者から対象プロジェクトについての「設計案」の提出を求め、その中から最も良いものを選ぶ「コンペ方式」(設計競技方式)などもある。3月3日付当ブログ(「契約関係に重大“疑惑”」)で触れたように、オガ-ル1社との随意契約が結ばれることになれば、「怪文書」氏が指摘するように法抵触の疑義が浮上する。
(写真はリノベ-ションの成功例として知られる「オガ-ル」の全景。しかし。花巻市との親密すぎる関係には市民の間にも疑問符が?=岩手県紫波町で。インタ-ネット上に公開の写真から)
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