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「図書館」論戦第3弾…”密室”行政の正体とは~市民への告知もスル―、ステークホルダ―”疑惑”も

  • 「図書館」論戦第3弾…”密室”行政の正体とは~市民への告知もスル―、ステークホルダ―”疑惑”も

 

 「盗人たけだけしい」とか「語るに落ちる」とはたぶん、このことをいうのだろう―。花巻市議会6月定例会一般質問3日目(21日)の「図書館」論戦第3弾に耳を傾けながら、上田東一市長の品格の卑しさだけが印象に残るという後味の悪さが今もまとわりついている。

 

 この日、羽山るみ子議員(はなまき市民クラブ)は新図書館に関し、「約6年ほど前から、JR東日本盛岡支社と市側の担当部署とで構成する非公開の組織が存在していた。どのような目的で作られ、何を協議してきたのか。非公開にした理由は何か」とただした。これに対し、市側の構成メンバ-である市川清志生涯学習部長と佐々木賢二建設部都市政策・都市機能整備担当部長がその存在を認め、以下のように答弁した。それによると―

 

 この非公式組織は「花巻市まちづくり勉強会」と「花巻駅周辺整備調査定例会」の二つで、前者は平成29年6月から同30年10月まで10回開催、後者は平成29年から同30年8月まで9回開催。両部長はこう答えた。「新図書館と駅橋上化を抱き合わせた形での駅周辺整備についての情報交換をした。事務レベルの打ち合わせだったので、公表する必要はないと考えた」―。一方、この非公開資料の中に「花巻新図書館プロジェクト」計画資料(案)と表題だけ書かれ、肝心の中身が22ページにわたって、黒塗りになっていることについて問われた市川部長は「ご指摘の資料が何なのか定かではない」とはぐらかした。

 

 こうした“密室”での話し合いが突然、青天の霹靂(へきれき)のように姿を現したのが「新花巻図書館複合施設整備事業構想」(令和2年1月29日)、いわゆる「住宅付き図書館」の駅前立地構想だった。「まさに寝耳に水」の出来事に市民や議会は怒り、その年のうちに「住宅」部分は白紙撤回に追い込まれた。この”驚天動地”の撤回劇をきっかけに、その後の図書館問題は迷走状態を続けることになる。

 

 「大元の『賑わいある図書館』というところから、借地(50年間の賃貸借)プラス複合施設ということを想定して協議させていただいてきたと認識している。その後だんだん、(JR)用地を買うことを検討するとか、図書館単体という形など状況が色々変わってきているので、根本的な部分が心配である。いざ、建てる時になった時点で何か話が違うということになるのが怖い」(令和2年10月)―。私が開示請求した同じ文書には市側の対応に怒りをにじませるJR側の生々しい言葉が残っている。

 

 「この時の一件がJR側に不信感を植え付けたのではないか。市長自身がそのことを認めている。その上でなお、駅前立地にこだわる理由が分からない。もう、その方向で決まっていると勘ぐってしまいたくなる。公式なデータでは病院跡地を望む市民の方が多い」と羽山議員が追い打ちをかけると、上田市長は檄した口調で声を荒げた。「変な勘ぐりは止めてほしい。であるなら、逆にその根拠を示してほしい」。羽山議員がさらに「JR側が今般、土地譲渡交渉に応じる態度を表明したというが、それはいつなのか」と迫ったのに対し、市川部長は「6月13日にメールで連絡をもらった」と答弁。「だとするなら、今議会初日(16日)の行政報告で公表すべきではなかったか」と食い下がったが、上田市長が「その時点では書類による正式な回答ではなかった」と切り捨てた。一事が万事…

 

 身から出たさびとはいえ、上田市長は「住宅付き」図書館の白紙撤回を境に人が変わったようにこれまでの”密室”主義を転換、一見「市民の声」に耳を傾けるようになった(みたいだった)。相次ぐWS(ワークショック)の開催、市民や各種団体、高校生などを対象にした説明会…。そして、2年前には大方の市民の"お墨付き”を得るための「新花巻図書館整備基本計画試案検討会議」の結成にまでこぎつけた。「今後は市民の皆さんの意見を最大限に尊重して、進めていきたい」―。口を開くたびにこう話す上田市長の鎧の下から、今度は検討会議という名のもっともらしい”忖度”組織の陰がうごめき始めていた。

 

 何のことはない。私が“1・29”事変とあえて呼ぶ「住宅付き図書館」の駅前立地という秘密主義(トップダウン)のツケが3年前に白日の下に晒されたということにすぎない。そして、「市民」をないがしろにすることの危うさを警告してくれたのが交渉相手のJR側だという皮肉な展開にも妙な感慨を覚えてしまう。こうした”機微”(きび)に気が付かない(あるいは気が付かないふりをしている)上田市長に対し、だから失礼を顧みずに冒頭の警句を献上するものである。さぁ、「JR交渉」の第2幕の幕開けである。目を見開いて、今度こそ騙されないように…。問われているのは実は図書館とか橋上化などという政策以前に「上田流」強権支配の実像なのである。「上から目線」の行政のなれの果ての姿がここにある。

 

 

 

(写真は上田市長の“密室”行政を追及する羽山議員=6月21日午前、花巻市議会議場で。インタ-ネット中継の画像から)

 

 

 

《追記》~”絶望市民”を名乗る方からのコメント

 

 6月20日付当ブログの「追記ー1」で指摘されている人物は公益財団法人花巻国際交流協会「理事長」の肩書で、新花巻図書館整備基本計画試案検討会議の委員に名前を連ねているようです。これが事実なら立場上「ステークホルダー」(利害関係者)に該当し、不適切な人選ではないでしょうか。検討会議の会議録を確認した結果、この人物は上田市長が進める新図書館の駅前立地に賛成の立場のようです。

 

 

 

 

「えっ!」…この“市民感覚”のずれって~高嶺の花の市民ツア-

  • 「えっ!」…この“市民感覚”のずれって~高嶺の花の市民ツア-

 

 「旅行代金/50万円前後」―。この数字を見たとたん、冥途(めいど)のみやげに最後の外国旅行を夢見ていた老残の気持ちはペちゃんとしぼんでしまった。花巻市は米国・ホットスプリング市との姉妹都市提携30周年を記念する市民ツア-への参加者(先着15人)を21日から7月31日までの間、募集するとHPで告知した。勢い込んで見た目に飛び込んできたのが冒頭の数字である。年金暮らしの身にはとても無理だとあきらめた。

 

 ツア-の旅程は10月26日から11月1日までの5泊7日で、市の「公式訪問団」15人が同行するとあった。念のため、担当の国際交流室に問い合わせると、その内訳は市長や議長、教育長のほか国際交流に関わる民間人などで、当然のことながら自腹はゼロ(自己負担なし)。担当者が苦し紛れな表情で言った。「5年前の25周年の際の旅費は半分の25万円程度。今回は燃料費の高騰や円安などの影響で倍にはね上がってしまった。現場としては心苦しいが、30周年という節目でもあるし…」―。公務出長”の是非をことさら、あげつらうつもりはない。私が困惑するのは「納税者」意識とかけ離れた“市民感覚”がまかり通っていることについてである。新花巻図書館をめぐる市民説明会でのやり取りを私は思い出していた。

 

 「駅前への立地」か「病院跡地への立地」か―。“立地論争”に揺れる説明会の席上で、ある老人が絞り出すように発言した。「病院跡地はすでに市側で取得することが決まっている。駅前用地を新たに取得しようとするのは税金の二重払いになるのではないか。私たち市民は爪に火をともすような気持ちで、納税義務を果たしている。こうした下々の実態にも目を向けてほしい」―。現下の水光熱費など物価高の直撃を受けているのは、コロナ禍で苦しんだ一般市民その人たちである。

 

 開会中の6月定例会で上田東一市長はそんな「声なき声」は歯牙(しが)にもかけないといった風情で、駅前立地に向けたJR交渉に舵を切った。この秋にはダラス観光も兼ねた訪問団の団長として海を渡る。「公務」費用は10人分で計500万円。「爪に火をともした」市民一人ひとりの汗の結晶がこの原資である。現役の新聞記者時代、私は浮世離れした“公費天国”(親方日の丸)を告発する取材班の一員に身を置いたことがある。あの時のあざましい光景のあれこれが目の前に去来する。

 

 

 

 

(写真は姉妹提携30周年を記念したオンライン懇談会のひとこま。今年1月15日、市長室で。前列左側が上田市長=花巻市のHPから)

 

 

 

《追記ー1》~「通りすがりの市民」を名乗る方から、さっそく、こんなコメントが…

 

市長の右の方、調べてみるとこんなことを話している方のようですね。

ユニオン建設~あちこちでJR東日本の仕事をしていることが書かれていますね。

 

 https://www.e-chuoh.com/blog/2021/01/04/%ef%bc%92%ef%bc%90%ef%bc%92%ef%bc%91%e5%b9%b4%e7%a4%be%e9%95%b7%e5%b9%b4%e9%a0%ad%e6%8c%a8%e6%8b%b6/

  https://www.e-chuoh.com/blog/2023/06/12/%e3%83%a6%e3%83%8b%e3%82%aa%e3%83%b3%e5%bb%ba%e8%a8%ad%e6%a0%aa%e5%bc%8f%e4%bc%9a%e7%a4%be%e6%a7%98%e3%82%88%e3%82%8a%e6%84%9f%e8%ac%9d%e7%8a%b6%e3%82%92%e3%81%84%e3%81%9f%e3%81%a0%e3%81%8d%e3%81%be-4/

 

 

《追記ー2》~「個人情報保護条例」を名乗る方からのコメント

 

 まだあるでしったっけ?ツアーの申込みのリンク先が市のアドレスになっているんで、市が収集した個人情報を外部の業者に提供して良いのかなあ、と思い、市HPの個人情報の取り扱いについてを見たら、花巻市個人情報保護条例に沿って適切に管理する旨書かれていました。今も個人情報保護条例ってあるんでしたっけ?えらい人教えてください。

 

 

 

 

「図書館」論戦第2弾…渦中のスポ-ツ用品店が”蚊帳の外”!!??

  • 「図書館」論戦第2弾…渦中のスポ-ツ用品店が”蚊帳の外”!!??

 

 「立地予定地で現在も営業を続けている肝心のスポ-ツ用品店の動向や意向がさっぱり、伝わってこない。一体どうなっているのか」―花巻市議会6月定例会の一般質問2日目の20日、ふたりの議員が関連の質問に立った。鹿討康弘議員(はなまき市民クラブ)は冒頭の観点から市側の見解をただした。

 

 前日の一般質問で上田東一市長はこう答弁した。「JR側が駐車場を含む当該所有地(3,664平方㍍)の譲渡交渉に応じることを約束した。その際の条件として、新図書館の立地予定地にあるスポ-ツ用品店の建物も市側で取得し、解体などの費用も市側で負担することになった。今後、契約当事者のテナント(スポ-ツ用品店)とJR側との間で話し合い、そうした補償負担が生じないようお願いしている」―。鹿討議員はこの点をついて、「それはきちんと担保された約束になっているのか」とただしたのに対し、市川清志・生涯学習部長は「契約の中身について、この場ですべてを明らかにすることは控えさせていただきたい。JR側にお願いしている段階だ」と言葉を濁した。

 

 JR東日本盛岡支社と当市との間で今月12日付で「花巻駅自由通路及び橋上駅舎整備事業に係る」基本協定が締結された(市HPに掲載中)。既存のこ線橋の撤去費用を除いた本体の部分の費用は全部、国庫補助を含めた当市の持ち出しとなっている。新図書館の立地場所として、市民の関心が高まっている「旧花巻病院跡地」の場合、病院側が建物の撤去や更地後の土壌改良などを完了した上で、今年度中に当市へ譲渡する段取りになっている。これが通常の譲渡の手法である。「橋上化や自由通路の前例にならい、用地費だけでなく、建物の撤去費用も押しつけられる懸念はないのか…」。譲渡交渉の先行きにまた、不安が募ってくる。

 

 もうひとりの質問者、高橋修議員(明和会)は「駅前にしろ病院跡地にしろ、事業費の多寡(たか)で立地を決めるのではなく、将来を見すえた選択をしてほしい」と要望。市川部長は「50年いや80年先を展望して決めたい」と答えた。JR側は今回の譲渡交渉に当たり、図書館など公共の利益に供する土地を提供する場合、その譲渡所得が控除対象となる「土地収用法」を援用することにしている。「国鉄民営化」に辣腕(らつわん)を振るった大企業のしたたかな手腕がチラチラと垣間見えてくる。

 

 

 

 

(写真は図書館問題で食い下がる鹿討議員=6月20日午前、花巻市議会議場で。インタ-ネット中継の画像から)

新図書館…JR側が「土地譲渡に前向き」回答~9月定例会一般質問

  • 新図書館…JR側が「土地譲渡に前向き」回答~9月定例会一般質問

 

 「新図書館の立地場所の候補地のひとつである駅前用地について、土地所有者のJR側から交渉に応じるという前向きの回答をいただいた」―。迷走を続けてきた新花巻図書館の立地場所について、上田東一市長は19日開催の花巻市議会6月定例会の一般質問で、久保田彰孝議員(共産党花巻市議団)に対し、こう答弁した。今後はJR交渉を進める一方で、市民の間で立地希望が高まっている旧花巻病院跡地との事業費や配置イメ-ジなどを比較検討した資料を市民に示した上で、最終的な意見集約をしたいとしている。

 

 この日の答弁で上田市長は譲渡対象ついて、図書館用地として想定しているスポ-ツ用品店敷地のほかに現駐車場も含めた総面積は「3,664平方メ-トル」に上ると初めて具体的な数字を明らかにした。その一方で、譲渡の際の条件としてスポ-ツ用品店の建物そのものも一括取得になることをほのめかした。この場合、当該物件の解体や更地化については「市側で負担することがないようテナント(スポ-ツ用品店)と話し合いたい。場合によっては、土地収用法の適用も視野に入れなくてはならない」と譲渡交渉の前途が必ずしも楽観できないことも示唆した。

 

 一方、すでに市側で買い取ることが協定で決まっている旧花巻病院跡地については、「双方の不動産鑑定価格を比較検討し、妥当な価格で遅くても今年度中に所有権の移転にまでこぎつけたい」とし、さらに病院跡地に他の公共施設の立地も視野に入れた地質調査費を早急に予算計上したいと一歩踏み込んだ。

 

 「図書館問題を担当してきた市川部長は今年度で定年を迎える。これまで苦労してきた労にも報いたい」―。またしても、上田市長の口から「公私混同」のトンデモ発言が飛び出した。生涯学習部の市川清志部長が長年、この問題に取り組んできたことについては私自身、百も承知である。しかし、行政運営にとって「公」と「私」をごっちゃにすることは絶対に避けなければならない“鉄則”である。どうもこの人にとっては“市民目線”よりは身内の都合が優先するらしい。新図書館の駅前立地に異常にこだわり続ける姿勢の背後にはこうした“市民感覚”の欠如が透けて見えてくる。それはひょっとして、”利権”がらみの黒い霧なのかもしれない。

 

 

 

 

(写真は新図書館問題について、追及する久保田議員=6月19日午前、花巻市議会議場で、インタ-ネット中継の画面から)

 

 

「駅前立地」は既定路線…上田市長に”虚偽”答弁の疑い~高まる市民不信!!??、一般質問の質疑に関心が…

  • 「駅前立地」は既定路線…上田市長に”虚偽”答弁の疑い~高まる市民不信!!??、一般質問の質疑に関心が…

 

 「新図書館の立地場所は当初から駅前が既定路線だった」―。花巻市の上田東一市長は市民の考え方が二分される新花巻図書館の立地場所について、実は計画当初から「駅前」立地を強行する立場に立ち、JR側と“密室”で協議していたことが、開示請求した行政文書で明らかになった。市議会や市民説明会などで「立地場所はまだ、最終決定したわけではない」と答弁を繰り返してきたが、その背後ではひそかに駅前立地に向けた地ならしをしてきたことがうかがわれ、明らかな“虚偽”答弁の疑いが強くなった。

 

 上田市政の政策理念は2016(平成28)年6月に策定された「花巻市立地適正化計画」にさかのぼる。この時点における新図書館の立地場所は「生涯学園都市会館(まなび学園)周辺」と明記されていた。ところが、翌2017(平成29)年8月に公表された「新花巻図書館整備基本構想」では立地場所が「数か所」に拡大された。この時期を境にJR東日本盛岡支社と市当局(生涯学習部と建設部)との間で非公開の会議がひんぱんに開かれるようになった。

 

 今回、開示請求したのは「基本構想」が公表される2か月前に立ち上げられた「まちづくり勉強会」と称する会議。JRと市当局の担当者で構成され、2017(平成29)年6月7日開催の第1回目から翌2018(平成30)年10月3日まで計10回の会議がもたれている。開示請求したのは3月30日付で、1カ月半以上待たされた上で、今月22日付でやっと開示された。87枚のコピ-のほとんどは真っ黒く塗りつぶされた、いわゆる“のり弁”だった。

 

 とくに目を奪われたのは「花巻新図書館プロジェクト」計画資料(案)という表題の文書。その内容が書かれた22ペ-ジ分がそっくり、判読不明に塗りつぶされていた。「よっぽど、外にはもらしたくないことが書かれているのでは…」―。闇に隠された部分を詮索したくなるのが人情というものであろう。利害関係者という情報公開上の制約から伏字になっている部分はほとんどがJR側の発言分。それでも部分開示した行間から「駅前」立地に前のめりになる姿勢も読み取れる。たとえば、双方の口からふともれるこんな発言―

 

 「駅舎以外、市として図書館とともに機能付けするものは何か」(JR)、「図書館と複合施設によって描くまちづく案と自由通路や駅舎の整備に関するオ—ソライズのタイミングが合うと分かりやすい」(市)、「上層階が図書、低層が多機能スペ-スかと。これらを一体で運営できる手法があるとよい」(JR)、「(平成30年7月の)図書館協議会に立地場所を駅の方にという公表になる。11月の時点では橋上(駅自由通路)の考えと図書館とのイメ-ジを対外的に示したい」(市)、「図書館と複合の事業で周辺の価値を高めていく。その分周辺の価値が上がり、税収をペイできる」(市)…

 

 「まちづくり勉強会」と平行した形で、もうひとつの組織が設置されていた。「花巻駅周辺整備調査定例会」と称し、メンバ-の構成はほぼ同じだった。まちづくり勉強会に遅れること約半年後の2017(平成29)年12月15日に第1回目の会議を開催し、翌2018(平成30)年8月7日まで9回の会議がもたれている。後者の会議については以前に同様の文書開示請求をし、当市の懸案である「JR花巻駅の橋上化(東西自由通路)と新図書館」とはワンセットの事業計画であることを明らかにした(2023年1月14日付当ブログに詳細を掲載)

 

 この二つの非公開の会議で練り上げられた結果、正式に公表されたのが「新花巻図書館複合施設整備事業構想」(2020年1月29日)、いわゆる“上田私案”とも呼ばれる「賃貸住宅付き図書館」の駅前立地だった。市民や市議会の頭越しに降ってきたこの構想がその後、「白紙撤回」に追い込められたのは当然の成り行きだった。現在、旧花巻病院の跡地が立地候補地として、一挙に注目を浴びつつあるが、上田市政に「駅前」立地の旗を降ろす気配はない。なぜ、これほどまで頑(かたく)なになるのだろうか。

 

 「JRは花巻駅の橋上化をやりたいと思っており、橋上化の話が進めば、土地の売買について真剣に話をしてくれる可能性はある。橋上化がなくなった際には、駅前に図書館を建設することについてもどうなるか分からない」―。上田市長は令和4年6月に開かれたある市政懇談会の席上で、こう述べた。市議会でこの真意をただされた市長は「反問権」を振りかざし、血相を変えてその発言を否定した。おそらく、図星をつかれたための狼狽だったのだろう。そして、そのからくりはJR側が作成した前記の「花巻新図書館プロジェクト」計画資料(案)の中にその詳細が記されているはずである。黒塗り文書の背後から「利権」という不穏な言葉が見え隠れする。

 

 

 

 

(写真はこれぞまさに“ブラックリスト”にふさわしい「のり弁文書」。本文の判読可能箇所はわずか2行だけ)

 

 

 

《追記ー1》~幻の図書館計画書(コメント欄に写真掲載)

 

 全22ページにわたって書かれたこの「幻の図書館計画書」の中にひょっとしたら、“利権”めいたことがうごめく「闇の世界」が広がっているのかもしれない。

 

 

《追記―2》~追認機関と化す「検討会議」

 

 上田市長は昨年の市議会9月定例会で「検討会議のメンバ-の多くが賛同した」として、駅前立地を第1候補にすることを初めて、公に明らかにした。「新花巻図書館整備基本計画試案検討会議」は有識者や図書館関係者など各種団体が集まって、2021(令和3)年4月に発足。しかし昨年の9月以降、すでに8カ月以上も開催されていない。つまり、上田市長の意を体(たい)する“操り人形”(追認機関)としての正体があらわになっている。

 

 

《追記ー3》~図書館問題、一般質問への関心高まる

 

 花巻市議会6月定例会は6月16日から19日(会期14日間)の日程で開催される。一般質問は19日から3日間で、市民の関心が高い新図書館問題については4人の議員が質問する。登壇者は以下の通り(敬称略)

 

・19日~久保田彰孝(共産党花巻市議団)

・20日~高橋修(明和会)、鹿討康弘(はなまき市民クラブ)

・21日~羽山るみ子(はなまき市民クラブ)