仕事の記録1978~ETS-Ⅲイオンエンジン装置の開発(その3)

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ETS-Ⅲのイオンエンジン装置開発はNALとETL指導でエンジンを三菱電機鎌倉、電源装置とその制御器が東芝小向、サブシステム試験も東芝小向となり開発がすすめられました、まだ田無市にある電総研でイオンエンジン総合試験を行っていました、やがて筑波研究学園都市に電総研は移動したため筑波にはよく泊りで通うようになりました、電総研ではイオンエンジンの制御法やエンジンと電源の適合性や試験方法、エンジンのEMC試験など将来の静止衛星バスとしての実用化の基礎を得る実験研究が目的でした、最近になりはやぶさでイオンエンジンが有名になりましたが宇宙研のはやぶさのエンジンとは方式がことなるエンジンで2mNの推力で燃料は水銀でした、その後ETS-Ⅵ、Ⅶ、Ⅷは2トンクラスの静止衛星実用バス機器で20mNでキセノンが燃料となってます、2mNイオンエンジンは水銀のために気化させるための電源が必要で一つの電源の中にはビーム電源、加速電源、放電電源から主陰極のキーパ電源とそのヒータ電源、帯電防止の中和器キーパ電源にそのヒータ電源と高圧含む11系統の電源でこの一台でいろんな方式のスイッチング電源を経験できるものでした、当時はまだ専用のレギュレータICは衛星搭載用にできてなくディスクリートで組んだ電源でした、搭載機器の回路設計にはまだ掛かれるわけもなく、イオンエンジンシステムを試験する地上支援装置側の設計担当から始まり、NAL,ETLで行う試験項目とそこに必要な治具や装置の調査調達を行いました、その中にはエンジン本体からの放射雑音を測定するためにガラスのチャンバーに入れてエンジンを動作させるというのがあり当時ダン化学という真空装置関係の業者さんにフランスから大型ガラスを輸入してのチャンバー制作して・・試験では毛布をかぶせての防爆対策で行ったのですが、もし地震でもきてガラスが割れたらどうなるかなんてビビりながらもビーム噴射中のエンジンは青白い光を放ちメインビームと中和器からの光をずーと眺めてました・・ブロック図は先生の論文から抜粋

2018.01.28:li-no:[過去の仕事]

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