技術試験衛星Ⅲ型(ETS-Ⅲ)は大電力を必要とする人工衛星に共通な三軸制御を確立するために当時宇宙開発事業団(NASDA)より東芝が主契約で行ったプロジェクトであり、東芝小向に宇宙棟を建てて宇宙専門の事業部で本格的に宇宙事業に関わった衛星となります、東芝小向や研究所ですでに関わっていた人も小向の宇宙事業部配属となり東芝日野からは小向に宇宙事業部をメインに1978年(昭和53年下期)に50名移動したなかの私はその一人でした、衛星は当時、詳細設計に移行する時期で、配属された電源技術部は当時宇宙研のSEPACと宇宙開発事業団(NASDA)のETS-Ⅲの開発機器に他の産業機器電源もあり忙しかったのですが、新米の私はすぐ使い物になるわけもなく、搭載機器はすでに詳細設計まで進んでいて、私はイオンエンジン装置のサブシステム試験やイオンエンジン電源装置とその制御装置の試験を行うための試験治具や試験装置側の設計担当として宇宙関係の仕事に関わり始めました、このETS-Ⅲは1982年(昭和57年)の打上げ後、軌道上で「きく4号」と命名、先に打ち上げられたETS-Ⅳが「きく3号」と命名されたためⅢだけど4号となっています、3軸姿勢制御や太陽電池パドル展開機能の確認、能動式熱制御に関する実験、イオンエンジン装置の動作テストなどを行い1985年3月、姿勢制御燃料が枯渇状態となったため運用を終了しています(JAXAホームページより、写真は衛星試験中のETS-Ⅲ)このなかのイオンエンジン装置が担当装置でこのあとETS-Ⅵ、Ⅶ、Ⅷとかなりの期間をイオンエンジン装置と付き合うことになっていきました・・つづく
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