国宝「上杉家文書」を中心に藩政改革に取り組んだ上杉鷹山の生涯を
テーマとした第十一段、 「上杉鷹山、細やかな気遣い」
展示期間は、平成26年1月28日(火)~平成26年2月23日(日)まで。
学芸員による、コレクショントークは2月22日(土)14:00~です☆*:.。.
今回の資料紹介は
国宝「上杉家文書」
「上杉鷹山手控 」
江戸時代 (文政三年・一八二〇)二月一九日
一五・九×一〇九・四
米沢市上杉博物館
〔解説〕
七〇歳になり古稀を迎えた鷹山から、隠居所の近臣へ、日頃の感謝と慰労を記した文書です。鷹山は三の丸の餐霞館という隠居所に住んでいました。この文書によれば、鷹山は衣服や食事、薬などに日頃から気を配ってくれる近臣に礼を述べ、老衰し我がままや短気、過失がないよう、気付いた点があれば遠慮なく注意してほしい、と述べています。
なお、藩主斉定は、この古稀を機に鷹山の生活費の増額を申し出ますが、鷹山はこれを謝絶し、質素な生活を続けました。 晩年まで自ら倹約に努め、身を慎んだ鷹山の心構えがうかがえます。
国宝「上杉家文書」
「上杉鷹山和歌」
江戸時代 (文政三年・一八二〇)
三三・〇×四五・七
米沢市上杉博物館
〔解説〕
前の資料と同様、古稀に際して鷹山が近臣に示した和歌です。前の資料の要点を、歌に託してます。一首目は、老後のわがままを抑えよう、という鷹山の意思表明です。続く二首目では、そうは思っても一人では難しいので助言してほしい、と近臣に呼び掛けています。下の句で、我(鷹山)も年老いたと人に言わせるな、と述べている点に、鷹山の自尊心をみることもできるでしょう。
なお、一首目は論語の「七十にして心の欲する所に従って矩を踰えず」(七十歳になって、自分の心のままに行動しても人の道を踏み外すことが無くなった)を前提にしています。鷹山は自ら、論語にある孔子のような聖人君子ではないので、七十歳になっても「心のまま」を戒めるのだ、と述べているのです。
〔現代語訳〕
七十歳の祝いをした頃、側近に申した
鷹山
老いたならば 心のままを 戒めるという
古い教えを 私は守ろう
そうは思っても わが身が及ばなければ
助けて欲しい
我(鷹山)も老いたと 人に言わせるな
スタッフ一同お待ちしております<(_ _*)X(*_ _)>
ギャラリートーク(当館学芸員による展示品解説)
日時: 2014年2月22日(土)14:00~
*入館料が必要
次回、展示予定
《 国宝上杉家文書が伝える、上杉鷹山の生涯 ⑫》
「上杉家の未来 -鷹山の意志を継ぐ者たち-」
【展示期間】:平成26年2月25(火)~3月30日(日)
お問い合わせ 米沢市上杉博物館 0238-26-8001まで