待合室には絵画も飾られていた。中学3年の女生徒の作品であり、「平成12年度子供県展入選作『駅ある風景』」とある。青い山々に囲まれた村の駅舎に、レールが此方と彼方をつなぎながら輝いている。
彼女が描きたいと思った風景を確かめようと、ホームに出てみたが、ホームの高さと同じほどに草が生い茂っていた。輝いていたレールの姿は望むべくもなかった。これが今の「駅ある風景」なのである。
彼女が通っていた中学校は2012年(平成24年)に統合され、廃校となっていた。今、彼女にとってふる里の風景はどこにあるのだろう。改めて駅舎のある風景の重みと温かさを思った。
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