西大塚駅と羽前成田駅。車寄せに続いての見所は、腕木と破風板です。屋根の方を見てみてください。ここにも面白い見所が隠れています。まずは腕木です。腕木は、垂木 (たるき)や庇 (ひさし) などを支えるために、柱または梁 (はり) などから横に突き出させた横木のことです。この腕木の意匠にも両駅の特徴を見ることができます。羽前成田駅の腕木が大きく欠き込まれているのに対して西大塚駅の欠き込みは小さく、その曲線の形状は待合室のカウンターの持ち送りにも似ています。
また破風板(はふいた)の仕上がりにも違いが見られます。破風板は屋根の切妻部分(雨樋が付いていない屋根の端)の板です。羽前成田駅では、この破風板に四角形の意匠が施されています。長年風雪にさらされて、今にも消えてしまいそうな刻印のような彫り物がそれです。破風板に2つ並んだ四角形。それは駅舎全体の四隅にもあたります。単なる「粋」にとどまらない、鎮火や堅固など何がしかの意味が込められているように思えます。
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