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「10万分の1」の応援

  • 「10万分の1」の応援

 卒業式のシーズンである。テレビ番組でも「卒業」をテーマにした懐かしい歌が流れてくる。私の好きな柏原芳恵さんの「春なのに」もその代表曲として紹介されていた。

 

 今冬のドカ雪被害を乗り越え、4月には桜の観光シーズンを迎え、希望の季節が来るかと思われた。そんな時、山形鉄道が1億円を超える額を詐取されたとの報道が流れた。特殊詐欺がネットバンキングという一般的な金融取引を悪用していること。そしてそれが身近な企業に対して向けられたことに衝撃以上のものを覚える。

 

 1億円はとてつもなく大きな額であるが、社員が受けたショックはそれ以上であったかと思う。何もすることができないから、せめて千円のフリー切符を購入して、10万分の1の応援でもしようかと思う。春なのにとため息をついている社員の皆さんが、少しでも笑顔になるように。

2025.03.15:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

14年目の春

  • 14年目の春

 2025年3月11日、あれから14年目の春が来ました。被災された皆さんにはまだまだ大変な状況かと思いますが、頑張っていただきたいと思います。

 

 2011年は羽前成田駅とおらだの会、そしてフラワー長井線にとっても大きな出来事のあった年でした。大震災の発生から1ヶ月後、米屋こうじさんの声掛けで「東北の鉄道応援チャリティ写真展」が西大塚駅で開催されました。6月には羽前成田駅の第1期修繕工事が行われます。昔の姿が蘇った駅舎で、広田泉さんによる「元気が出る鉄道写真展2011」が開催されます。それらは山形鉄道の野村社長の後押しがあって実現したものでした。

 

 2011年のこの出会いがなければ、今日のおらだの会の活動やフラワー長井線の姿もなかっただろうと思います。けれども広田泉さんは2022年3月、そして野村元社長はつい先日旅立たれました。来年はおらだの会設立30年を迎えます。お二人が残されたメッセージを心に刻みながら、また一歩「ここから始めよう」と思います。

 ・ローカル線は地元の人に愛されなければ残っていけない。

 ・社員(地元)の人にこそ、フラワー長井線の本当の良さに気づいてもらい、自分たちの鉄道を好きになって欲しいと思う。

 

 

 → (38)元気が出る写真展~広田泉氏との出会い:おらだの会

2025.03.12:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

野村元社長逝く

  • 野村元社長逝く

 公募社長として奮闘された野村浩志さんが亡くなられたことをSNSで知った。今はやりのフェイクかと思ったが、残念ながらそうではなかった。野村さんは読売旅行の社員で山形営業所所長を務めていましたが、長井市内のイベントにはボンネット車で駄菓子屋を出してくれたものでした。また七夕ツアー(2007年7月)やクリスマスサンタ列車(同年12月)など様々なツアー商品を企画し、まさに街と鉄道を観光で結ぶ企画を立案、実施してくれたのです。

 

 2009年に山形鉄道社長に就任してからは、広報戦略と共に日本一なが~いカレンダーや日本一長い硬券など長井線グッズの企画開発にも取り組んでくれました。私たちおらだの会にも足を運んでくれてアドバイスをいただいたものです。2015年に体調を崩されて辞任されるまでは、まさに走りづくめであったと思います。

 

 野村さんの御労苦とその御功績に、心からの感謝と敬意を表し、写真の雑誌に書かれた言葉を噛みしめながら、哀悼の意を表したいと思います。どうぞ安らかにお休みください。

・新幹線はお金儲けは上手です。フラワー長井線は人を感動させるのが上手なんです。

・「フラワー長井線ランド」では、長井線の乗客がディズニーランドでいうゲストで、山形鉄道の社員、自治体の職員、沿線の住民の方々全員がキャストです。

・「カネ・ヒト・モノ」が最初はゼロでも、そこに「火」をつけ、無理なく自分の志を熱く、自然に楽しくやっていれば、ドンドンその火が広がっていくのだと感じます。

・列車の終着駅は、「仕事を通して、人の役に立てる生き方をすることです。」

・私の夢は、本物の駅舎と本物のレトロな車両を譲り受けて、「レトロなローカル鉄道の美術館」をつくる事。

 

 野村さんが成田駅に残してくれたものはこちらから

→ 駅に残る思い その1(笑門来福):おらだの会

2025.03.03:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

花を活ける人を想う

  • 花を活ける人を想う
 待合室に花が活けられています。南天の赤い実が、正月用に準備してくれたことを教えてくれます。一年をとおして成田駅に花を活けてくれているのは、隣町に住んでいる男の人です。

 その人からお話を伺う機会が一度だけありました。その人は成田駅以外にも長井線や米坂線の他の駅にも花を飾っているとのこと。まだ若かった頃、成田駅の近所のおばさん方と一緒に活けたことが、一番の楽しい想い出だったとも語ってくれました。

 無人の駅に活けられた花。駅を訪れた人に、その花は何を伝えるのだろうか。花を活ける人を想う、花を愛でる人を想う。年明けのひと時です。
2025.01.03:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

あけましておめでとうございます

  • あけましておめでとうございます

 2025年、あけましておめでとうございます。今年はぜひとも穏やかな年であって欲しいものですが、皆様は如何お迎えでしょうか。写真の笑門来福の飾り物は、公募社長として奮闘いただいた野村社長(2009年~2015年)からいただいたものです。毎年これを飾りながら、今年も楽しくやりたいなぁ、と思うのです。

 さて今年はもっちぃ駅長の3回忌にあたります。また西暦2000年(平成12年)を記念して山形新聞社が設置したタイムカプセルが開封される年でもあります。カプセルの中には故小口昭氏の作品もあるとのことです。そして2026年は米坂線開業100周年、おらだの会設立30周年にあたります。

 野村社長やもっちぃ駅長、小口昭さんの夢に思いを致し、今年一年、明るく、楽しく、元気よく、また歴史を重ねて行きたいと思います。皆様、今年もどうぞよろしくお願いします。

 追伸 成田駅の電飾は、1月11日まで点灯しています。どうぞご覧ください。

 → 駅に残る思い その1(笑門来福):おらだの会

 → (59)タイムカプセルに(平成12年):おらだの会 (samidare.jp)

2025.01.01:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]