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転職成功の鍵はケ・セラ・セラ ?~ 転職成功とプランドハプンスタンスセオリー~

  • 転職成功の鍵はケ・セラ・セラ ?~ 転職成功とプランドハプンスタンスセオリー~

例えば、ご自身の将来が不安で転職の相談に来た際、担当した転職エージェントから

「将来なんてわからないんだから、なるようになりますよ」

なんて言われたらどうでしょうか?

 

「ふざけるな!真面目に考えてくれよ!」

というのが正直な気持ちかもしれません。

 

私たちからいきなり「なるようになりますよ」なんてことを言うことはまずありませんが、しかし、私たちと共に転職活動で成功されている人の多くを見ていますと、ある意味「なるようになる」というスタンスで転職活動に取り組み、入社後活躍される方も「なるようになる」という気持ちで前向きに行動されている人が、新しい会社でも高く評価されていらっしゃるように見受けます。


「なるようになる」は、無責任な言葉のように受け取られてしまうかもしれませんが、不確実な時代を生きていくための強い信念と行動力の源になっていくのではないかと思うのです。


そこで今回は、転職活動および入社後の定着がうまくいっていらっしゃる人の特徴を、「なるようになる」の観点を持つキャリア理論の視点からまとめてみました。

 

「ケ・セラ・セラ」と「プランドハプンスタンスセオリー」


When I was just a little girl
I asked my mother,
what will I be
Will I be pretty,
will I be rich
Here’s what she said to me.
Que Sera, Sera,
Whatever will be, will be
The future’s not ours, to see
Que Sera, Sera
What will be, will be


「ケ・セラ・セラ  未来はわからない  なるようになるのよ」
軽やかなリズムで歌い上げるこの曲は、多くの人に愛されて歌い継がれてきました。

この歌のようなキャリアデザインの考え方が実はあります。
「プランドハプンスタンスセオリー(計画された偶発性理論)」というものです。

 

「プランドハプンスタンスセオリー(計画された偶発性理論)」とは・・・
「キャリアの8割は予想もしない偶然の出来事で形成される」とし、その予期せずに起きる偶然の出来事をただ待つのではなく、自分で機会を生み出したり、チャンスととらえてより良いキャリアを形成するために力を磨いておこう、という考え方です。

 

 

ケ・セラ・セラの歌詞は、おおよそこう訳されています。

「お母さん、私、大人になったら可愛くなってるかしら?お金持ちになれてるかな?」

「大丈夫、なるようになってるでしょうよ。未来はわからないわ。ケ・セラ・セラよ。」
 

ケ・セラ・セラというのは、どうやら間違った文法のスペイン語表現らしく「気にしないで」などに訳されていることもあるようですが、言葉のノリというか、呪文のように考えておく方が、私にとってはしっくりきます。


誤解を恐れずに、ざっくり私なりの理解で表現するなら、ケ・セラ・セラってなんだ?ということを捕捉するのが、「プランドハプンスタンスセオリー」と言えるんじゃないかと思うのです。


プランドハプンスタンスセオリーでは、予期せぬ偶然の出来事を前向きに捉えるだけでなく、自分で積極的に偶然の出来事を生み出し、より良いキャリア形成に生かしていく力を備えておくべきと説きます。


その、より良いキャリア形成に必要なのが「好奇心・持続性・楽観性・柔軟性・冒険心」の5つの力だといっています。

 

転職を成功させる5つの力


転職は、最初から計画的に予定している方は少ないですよね。
入社時には思いも寄らない「こんなはずじゃなかった」が起きたから転職を考え始めるという方がほとんででしょう。

 

そういう意味では、転職をするかどうかの岐路も、予期せずに起きる出来事の一つと言えます。

 

予期せずに起きた転職の場面を、より良いキャリア形成に導く行動や態度を、プランドハプンスタンスセオリーに基づいて具体化してみました。

 

1)好奇心:たえず新しい学習の機会を模索し続けること。

面白そうな仕事はないだろうか、話だけでも聞いてみようか、色々な企業をあれこれ調べたり、職場見学の機会があればあれやこれやと積極的に質問する。

 

2)持続性:失敗に屈せず、努力し続けること。

思うような求人情報や企業に出会えなくても、情報収集を欠かさない。
筆記試験や面接で上手くいかなくても、くよくよせず次に視線を向けられる。

 

3)楽観性:新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること。

なかなか縁が繋がらなくても、次のチャンスが来る、もっと自分に合う企業があるはずだと思って前向きに過ごす。

 

4)柔軟性:こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること

自分にはこの仕事しか向いていない、この業種はなんかイメージが良くない、などと思い込まないで、幅広く職種や業種を考えてみる。


5)冒険心:結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと

可能性がありそうな企業に応募してみる。求人が出てなくても企業にアプローチしてみる。

 


やや強引なところもあるかもしれませんが、こうして書き出してみると、転職活動だけに限らず、どの職場でもより前向きに意欲的に働くために必要な要素だなと改めて思います。

 

不確実な世の中だからこそプランドハプンスタンスセオリー

 

転職相談にいらっしゃる方は、「安定性」をキーワードにして企業探しをされる方も少なくありません。
しかし、どの会社であってもはっきり言えることは、5年先10年先も絶対に安定しているかはわからない、ということです。
どれだけしっかりした経営計画を立ていても、外との関係でその通りに進むとは限りません。


自分ではどうしようもないことによって計画が頓挫することは多々ありますよね。家族旅行の予約をしていても、自分以外の家族の病気によってキャンセルになることだってあるでしょう。


世界情勢や経済動向も同じようなもので、先行きを見通すのはなおさら複雑で難しい世の中です。


計画を立ててまっしぐらに向かっていく考え方よりも、プランドハプンスタンスセオリーに則った考え方の方がフィットする場面も多いのではないでしょうか。

 

「私の転職活動は上手くいくでしょうか?将来、生き生きと働いていられるでしょうか?」

「大丈夫、なるようになりますよ。未来はわからないですが、ケ・セラ・セラ、プランドハプンスタンスセオリーを思い出して、前向きに取り組んでいきましょう。」

 


不確実で不安の多い今の世の中、転職を考えるきっかけは、会社の業績悪化や待遇の問題、人間関係の問題などネガティブな要因も少なくありません。

苦しいご決断を迫られることもあるかもしれませんが、そのタイミングを新しい人生を切り開くチャンスと捉えて、プランドハプンスタンスセオリーに基づいて、時には「ケ・セラ・セラ」と一緒に歌うような気持ちで、ポジティブに前向きに転職活動を進められるようにサポートするのも、私たちの務めだと思うのです。
 

山形転職を運営しているジンジャーズのコンサルタントは、全員がキャリアカウンセリングの専門的な学習を済ませており、「国家資格キャリアコンサルタント」の有資格者もいます。
ただ「転職を勧める」だけではなく、ご心境やお考えに寄り添ってより良い選択肢を選ぶお手伝いをさせていただきます。

(文:国家資格キャリアコンサルタント 株式会社ジンジャーズ取締役 佐藤大輔)
 

「ケセラセラ」を歌ったドリスデイさんが、2019年5月14日にお亡くなりになったそうです。

ドリスデイさんが亡くなる、それより少し前の日本時間5月1日、プランドハプンスタンスセオリーの提唱者であるクルンボルツ博士がお亡くなりになったとのこと。

素晴らしい考えを広めてくださった2人の先人たちに感謝しながら、日々学び、前向きに過ごしていこうと思います。

*2019年5月20日作成/2022年3月8日一部修正

2022.03.08:yamaten:コメント(0):[キャリアアップ情報]

「条件交渉」の裏側 ~年収アップ、納得の入社へ向けた活動の流れ~

  • 「条件交渉」の裏側 ~年収アップ、納得の入社へ向けた活動の流れ~


転職で年収アップ!」というような広告や求人サイトをご覧になったことがある人も多いでしょう。

 

ほんてんだがや?(本当だろうか?」というのが正直な気持ち、じゃないでしょうか。

 

実際のところ、「大幅アップ!」を果たせたという人はそれほど多くありません

・基本給がちょっとあがったり、賞与や新たな手当がついて1~2割アップする
・入社時は若干ダウン、入社後の昇給で生涯賃金的にアップする

というのが妥当なところでしょうか。

首都圏や全国規模の会社から、山形の地場中小企業へUターンする場合ですと、大幅に年収ダウンとなることも多く、Uターン希望者が悩むポイントでもあります。

業種職種で給与水準が違うこともありますから、「転職で年収大幅アップ!」を目指すならば、相対的に給与ベースの高い業界・職種を狙った活動が必要になります。
とはいえ、異業界異職種から未経験で、となると、初年度は低くなってしまうことも少なくありません。

 


<画像はイメージです>

 

やはり「年収を上げたい」と転職相談にいらっしゃる方は多数いらっしゃいますし、私たちも、基本的に収入が減る転職はオススメしません。(Uターン転職の場合は例外になりますが・・・)できる限り条件の良い転職になるお手伝いしています。
今回は、その「年収アップ」を目指した転職活動を、私たちがどうサポートしているかお伝えします。

 

~①まずはジンジャーズと面談~

年齢、経験年数、業界、職種、保有資格などから、大方の相場感をお話しします。
ご相談時点の給与だけではなく、入社後の伸びや昇級ペース、役職等の手当などを勘案すると、現職に居たままの方が良いという判断になる場合もあります。
逆に、相場から考えてもあまりに低い給与設定となっていることがわかる場合もあります。

 

~②企業への応募・選考期間中~

ジンジャーズは、企業に書類推薦を進める際にあらかじめ希望年収を企業へお伝えしています。その希望年収を前提に選考を進めるため、給与について直接応募者から企業へお話しを切り出すことはあまりありません。
例外として、①でジンジャーズと相談した際に、現在の待遇があまりに悪いとわかった場合には、あえて「年収向上を目指した転職である」ことを直接、応募者から企業へ面接等で伝えるようなケースもあります。

また、入社時に希望年収まで到達するのが難しい場合は、自社の入社後の給与制度や評価制度などについての詳細説明や、どの程度の期間で希望年収に達するかの想定を企業からお話しいただけることもあります。
そのようななかで、企業側から改めて「率直な希望年収を聞きたい」と面接等で聞かれるケースもあります。
 

~③内定、待遇提示の際~

面接等の選考を通して、「採用内定」となれば、入社時の想定年収が提示されます。
月額基本給・入社時点で確定している諸手当(家族手当やすでに保有している資格の手当など)・想定賞与が明示されます。
この金額は、ジンジャーズにもご提示いただくものですので、口約束等ではなく、入社後に異なる雇用契約をさせられるということもありません
(ただし、賞与については業績の変動や入社時期による算定期間の違いがありますので、入社時の提示額より上下する場合があります)

 

ジンジャーズが企業側に年収の交渉を行うのは、ほとんどの場合②の応募・選考前です。③の待遇提示がされてからの交渉はあまりありません。
まれに「この金額で入社してもらえるだろうか」と企業側からジンジャーズに相談があることもあり、その場合はすり合わせを行います。

当然、全てが希望通りいくとは限らず、条件がすり合わないこともあり、その場合は残念ながらご縁がなかったということで、内定辞退となることもあります。

 

企業側も応募者も、双方が納得して気持ちよく働ける環境づくりの一環として、上手に交渉を進めるのも、私たちの大切な役割だと考えています。


こんな流れで年収の相談も進めていますので、年収アップを目指した転職を考えている皆さんはもちろん、自分の山形での待遇を客観的に知りたいと思う方も、お気軽に山形転職・ジンジャーズまでご相談くださいね。

2022.03.01:yamaten:コメント(0):[キャリアアップ情報]

「いい求人探し」は「自分探し」と「青い鳥」

  • 「いい求人探し」は「自分探し」と「青い鳥」

「このままでいいのか?」そんな風に思ってご相談にいらっしゃる方が増えています。

そして「いい求人が見つからない」「なんかいい求人ありませんか?」というお話も多くいただきますし、
「いい求人があれば転職したい」とおっしゃる方が多数います。


私たちは「嘘が書いてある求人」や、「退職者が同じ理由で連続しているような企業」などの求人はお預かりしていません。
そう言う意味で弊社に「悪い求人」はない、と思っています。

ただ、「いい求人ありますか?」という問いかけはとても難しい。
なぜなら、その人によって「いい」基準が違うからです。

 

「いい求人探し」とは「いい求人とは何か」を自分なりに定義する「自分探し」なのです。

 

いい求人探しにいらっしゃった方と面談を通してこんなお話をしています。

仕事内容:業務の特長はどんなものか、その特長に合う性格はどういうものか
:社長や社員の人柄、社風。職場を見た雰囲気
お金:入社時の給与、入社後の伸び、賞与(評価制度)の状況
時間:残業時間、休日数など。
その他:福利厚生、育児介護関連の制度など。

このような項目についてお話ししながら、ご自分が何を大切にしたいか優先順位をつけて、
「自分の優先順位に合う求人」と言う視点を持つためのお手伝いをしています。

 

しかしこのように書いていくと、「求人票には書いていない」「求人票の記載内容だけではわからない」ものが多く、インターネットで集められる情報には限界があることにお気づきでしょう。
ですから、応募して自分の目で確かめる、あるいは、私たちエージェントなどを利用して一緒に確認していく、など、一歩踏み込んだ情報収集が必要になります。
 

また、「いい求人」を探っていくことで、今のご自身の環境が恵まれているものだと気づくことも多々あります。
その結果、「転職活動を止める」ご判断をされる方もいらっしゃいます。
モヤモヤを抱えたまま働き続けるよりも、スッキリして今の仕事に打ち込むことができれば、ますます活躍もできると思います。
幸せの青い鳥を探して旅をした兄妹が、最終的には自分たちが最初に居た場所で青い鳥の羽を見つけた物語のようなものです。

 

ですから、私たちとの面談を通して、転職を止めるという決断をするのも、それはそれで、私たちもお役に立てて良かったと思うのです。

 

~後日談~

上記記事を2021年8月に掲載したところ、ご登録者からこんなメールを頂戴しました。
 

「ジンジャーズさんのホームページに掲載されていた、『いい求人探し』についての記事を見て、自分にも当てはまると思いました。
とても心に沁みました。
大変申し訳ないのですが、転職活動を一旦休止したいと思います」

 

記事を含め、私たちとの関わりがその方の転職についての決断・選択のお手伝いになったのなら何よりです。

 

山形で暮らしていく働く人々が、より幸せになるような活動を私たちは続けていきたいと考えています。

 

(文:国家資格キャリアコンサルタント 株式会社ジンジャーズ取締役 佐藤大輔)
 

2018.11.26公開/2022.4.11改訂

2022.02.04:yamaten:コメント(0):[キャリアアップ情報]

【30代の転職体験記】「転職して、その後どうですか?」 転職失敗!?から、自分の土台を活かせる業界へ再転職。「無駄になった経験はない」

  • 【30代の転職体験記】「転職して、その後どうですか?」 転職失敗!?から、自分の土台を活かせる業界へ再転職。「無駄になった経験はない」

こんにちは!コンサルタントの澤村千明です。

 

これまで「転職体験記」では、「転職活動をどう行っていたか」という転職先へ入社する前の出来事や心境をご紹介する記事を主に掲載しておりました。

でも・・ちょっと私は気になりました。「転職した皆さんは、転職したあとの仕事や生活をどう感じているのだろう?」

そんなわけで、今回は趣向を変えて。「転職してしばらく経った方へ、今の仕事・生活についてお聞きする」という転職後インタビューを実施しました。

 

ご協力いただいたTさんは、ジンジャーズを通して転職して1年あまり経った方です。
実はTさんはジンジャーズを利用して2回、転職を経験されています。1回目、ジンジャーズからご紹介したA社へ転職されましたが、残念ながら早期で退職をご決断され、2回目の転職活動。2回目もジンジャーズにご相談いただき、B社へ入社して現在に至っています。

1回目の転職の際はどう思っていたか?2回目はどうだったか?ジンジャーズの関わりはどう感じたか?など、いろいろな視点からお聞きしてみましたよ。

 

 

・・・・・・・・・

 

澤村:Tさん、本日はお時間をとっていただきありがとうございます!早速ですが最初の転職活動について教えてください。どんな経緯でジンジャーズにご登録くださったのですか?

 

Tさん:登録時に勤めていた会社では、人員不足もあり非常に忙しい毎日で、帰宅時間も毎日遅く、体調を崩しかけていました。結婚した妻との時間もなかなか取れなかったんです。それで、環境を変えようと思って転職を決めました。

最初は大手エージェントさんに登録しました。大手エージェントさんからは、電話がかかってきて、10分くらいこれまでの仕事の聞き取りをされました。一通り話をすると、「では、今後は求人情報メールを送りますので気になった求人があったときだけ連絡ください~」と言われて、それっきり。当時の私は「こんな自分でも転職できるのかな?自分には何も誇れるキャリアはないんじゃないか」と、自分のこれまでのキャリアにまったく自信がもてない状況でしたので、もう少し相談したかったのですが、十分なサポートを得ることはできませんでした。

そんなこともあって、もっと相談に乗ってくれそうなエージェントさんを探したところ、ジンジャーズさんを見つけました。

 

澤村:そうだったのですね。ジンジャーズでの転職相談ではどんな印象を受けましたか?

 

Tさん:最初に面談してもらった佐藤大輔さんは、これまでの私のキャリアをすごく評価してくれました。もともと、新卒で入社した会社では営業の仕事をしていたのですが、特にその経験についてお話をたくさんしたことを覚えています。
また、今回の転職では、生活環境・生活リズムを改善したいという自分の希望をしっかり聞いてくれたと思っています。

 

 

澤村:それで、諸条件が合ったA社に入社されますが、残念ながら早期離職となってしまいます。今、振り返って、A社を受験中に考えていたことはありますか?

 

Tさん:その時の仕事がきつかったので、「とにかく早く辞めたい」という焦りの気持ちがありました。面接していただいたA社長さんも良い方でしたし、未経験でも大丈夫そうだと思ったので入社したんです。でも、A社は完全に未経験の業界だったこともあり、仕事のイメージが正直まったく湧きませんでした。面接のときにいろいろ質問してみようと思っていたのですが、あまりにも分からない業界すぎて、何を聞いたらいいのか質問の内容すら浮かばなかった状態だったんですが・・・。

 

 

澤村:そうでしたか・・・。

ジンジャーズでも、未経験の業種・職種へ挑戦する方へのサポートは特に重要だと思っています。十分に会社側へ聞き取りをしたり、こんな仕事だよと会社に代わって説明をしたりしています。ただ、やはりそれだけでは十分に伝えきれないこともあり、事業の理解度や質問などは、もっと丁寧に確認すべきだったかもしれません。

A社に入社後、退職に至るまでどんなことを感じていたのですか?

 

Tさん:A社に転職したことで、もともと願っていた生活環境の改善を果たすことができました。帰宅時間もぐんと早くなりました。

ただ、自分がA社に入社したタイミングで新型コロナウィルスが流行り出したこともあり、会社の状況や仕事のやり方も通常と違っていた、ということはあったかと思います。そんななかでも大変だなと感じたことは2つあります。

1つ目は、やはりまったくの未経験分野で基礎知識が極端になかったことですね。大変残念なのですが、OJTだけではなかなか身につけるのが難しかった。基礎的な研修などもあるかどうかを確認しておいたほうが良かったなと思います。

2つ目は、人間関係のところでした。なかなか覚えられないことについて、厳しく怒るような先輩社員が指導担当になってしまい、良い人間関係を築くことができず、かといって指導ができる社員は他にいないという状況に悩んでしまって・・・。

そんなことが短期間のなかで続けて起こったため、私は「長く働き続けることは難しい」と感じ、すぐにA社の企業担当として選考など入社までサポートしてもらっていたジンジャーズの吉田博紀さんに連絡をしました。

 

澤村:転職後、そのような状況に置かれてしまったのですね。吉田からは、どんなお話がありましたか?

 

Tさん:吉田さんからは「再度転職することと、もう少し続けてみること、両にらみでいきましょう」と声をかけていただきました。私もそのときは、その通りだなと思ってしばらく勤めながら考えることにしました。

びっくりしたのが、相談をした翌週、吉田さんがA社に来てくださったことです。「すぐに対応してくれた。転職活動をするなら、またジンジャーズさんにお願いしたい」と感じました。もしかしたら、私のことではない別の用事もあってA社にいらしたのかもしれませんが、それでも入社後でも何か問題があったら来てくれるという安心感はありました。

 

 

澤村:実際、TさんはA社を辞めて再度の転職活動を選択されました。どんな気持ちでしたか?

 

Tさん:「もう失敗したくない」という気持ち。そして「次に入社する先は自分の基礎知識が多少でもある業界がいいな」という気持ちです。

 

 

澤村:A社を退職されたあとで、新たに現職であるB社の求人が出てきてご紹介させていただきました。B社への応募を進める時に不安はありませんでしたか?

 

Tさん:B社は、自分が新卒時に勤めた業界と近い業界とあって、A社のときのような不安感は少なかったと思います。ただ、それでも「また失敗するんじゃないか・・・」という不安は拭えず、親しい友人にも相談しました。友人からは「Tの知識や経験ならその業界も問題なく働けると思うよ」と言ってもらいました。

また、最初の面談も担当してもらっていた佐藤大輔さんがB社の企業担当だったのですが、佐藤さんから「B社は、A社よりも規模の大きい会社さんなので、仮に人間関係などで合わないことがあったとしても、異動などで状況改善ができる可能性があります」と言ってもらったことも、後押しになったと思っています。

 

澤村:なるほど。不安要因だった「知識の有無」と「人間関係」がクリアになったわけですね。実際にB社で働いてみて、どうですか?

 

Tさん:まずは、「基礎知識や経験の有無」は自分にとって大きかったんだなと感じています。現在は新卒時と近しい業界であるということで、新卒のときに懸命に学んで働いてきたことがしっかりと自分のベースになっていると思っています。

それから、上司にも恵まれたと感じています。基礎知識や経験が多少あるとは言っても、それ以上に新たに覚える量が膨大にある中で、ミスをしてしまうこともあったのですが「最初はできなくて当たり前」「ミスをしなくちゃ覚えられない」という言葉を上司から掛けてもらいました。ゆっくりと、でも確実に成長していけばいいんだと思わせてくれたり、期待されている・認めてもらっていると感じる出来事もあったり、居心地はいいと感じています。

もちろん、ジンジャーズさんに登録したときの希望である「生活環境の改善」も図られ、家族との時間も増えました。

 

澤村:それはよかったです!

今、2回の転職活動やこれまでの仕事について、何か思っていることはありますか?

 

Tさん:そうだなあ・・・。

過去に色々な経験をしてきて、今の会社で少し落ち着いたところではありますが、これまでの経験で無駄になったものはないですね。全部、活かされているというか考えさせられるきっかけになったというか。無駄な経験はないなと、そう思っています。そして、人との出会い。これも大きいですね。

 

澤村:なるほど。無駄になった経験は何もない。そうご自分の経験を肯定的にとらえていけると、新しい仕事にも前向きに取り組んでいけそうですね。ジンジャーズのサポートはいかがでしたでしょうか?

 

Tさん:最初の面談のときから感じていますが、きちんと話を聞いてくれて手厚いサポートをしてくださったなと思っています。結果として2回転職することになりましたが、その都度、自分のために動いてくれたり時間を取ってくれたりして、大変ありがたかったです。

 

澤村:そう言っていただくと、本当にうれしいです。Tさん、本日はありがとうございました!

 

 

・・・・・・・・・

 

Tさんへのインタビューを終えて。

Tさんから「あのとき、ジンジャーズの佐藤さんがこう言ってくれて・・」「あのとき、ジンジャーズの吉田さんがこうしてくれて・・」とお話が出てきました。念のため申し上げておきますが、これはヤラセではありません(笑)
自然と、Tさんのお話のなかからジンジャーズメンバーの名前が出来事とともに出てきました。こんな風に感じてくださったのはうれしいなと思います。

 

普段転職相談をお受けしていると「転職すればすべてがハッピーになる!」と思っている方も珍しくありません。
ただ、Tさんの転職後のストーリーからもお分かりいただけるように、転職においては、入社がゴールではなく、新たなスタートと言えます。特にTさんの1回目の転職のように、求人票にははっきりと書くことのできない部分(教育体制や人間関係など)で「合わない」と感じることもあります。(参考記事:転職に伴うリスクを考える。防げるリスクと防げないリスクとは?

 

今回のTさんが早期退職するに至ってしまったA社とは、Tさん退職後に振り返りをしっかり行い、ジンジャーズが今後改善すべき点や、A社に今後ご入社される方がいた場合にご配慮・ご留意いただく点などを話し合っています。ジンジャーズも万能ではありません。でも、だからこそ、人と企業に丁寧に向き合い、心のある転職支援をこれからも行っていこうと思っています。

 

2021.12.20:yamaten:コメント(0):[転職体験記]

転職に伴う「リスク」を考える。防げるリスクと防げないリスクとは?

  • 転職に伴う「リスク」を考える。防げるリスクと防げないリスクとは?

「転職すればバラ色の未来が必ず待っているとは言えません。転職にはリスクが伴います。」 
このように、転職相談のなかでお話しすることがよくあります。
多くの方が、「リスク」というと不安そうな顔をされますが、今回は「転職のリスク」について整理してみます。

 

「リスク」という言葉から、みなさんはどんな言葉を連想するでしょうか?
「病気のリスクに備える」「災害のリスク」「為替リスク」「投資リスク」など、日常の色々な場面で「リスク」という言葉をお聞きになっているかと思います。
『リスク』と聞くと「危ない」「心配」「近寄りたくない」いう気持ちが先立つ方も多いかもしれません。

 

『リスク』=「危険」が一般的かもしれないけれど・・・

実際に『リスク』を辞典などで調べると、「危険」「危険度」や「損害を与える恐れがあること」「うまくいかない可能性」など、ネガティブな意味合いも並びます。

ただ、金融や経済の場合だと「リスク」の意味合いが少し変わります。
例えば、ニュースでよく耳にする為替や株価。円高か、円安かによって海外と貿易をしている企業は業績が大きく異なってきます。そして、いつ円高になるか円安になるか、どのくらい変動するのかは確実に予測することはできません。株価の変動も同様に、いつ、どのくらい株価が上がるか下がるか、確実なものは誰にも分かりません。
つまり、金融や経済の場合は、確実に先を読むことのできない、広い意味で「不確実性」のことも「リスク」と言います。


 

転職の『リスク』とは?・・・

実は、転職の場合のリスクも、金融で言われるリスク「不確実性」に近い意味合いがあります。つまり「実際に入社してみないとわからないことがある」「必ずうまくいくとは言えない」という不確実性がある点で「転職にはリスクが伴う」と言えるのです。

転職するなら「失敗したくない」と誰しも思うものです。でも、「絶対に失敗しない」とは言えません。転職にはどんなリスクがあるのかを知っておき、できる限り「潰していく」ことが大事になります。

 

「防げるリスク」と「防ぎにくいリスク」

転職活動には、「防げるリスク」と「防ぎにくいリスク」があります。

<防げるリスク>
・休日や待遇が違った
・聞いていた業務と違うこともさせられた

上記のようなご相談は、少なくないのが実情です。残念ながら「求人票に書いてある」のが全てとは限りません。会社側が求人票へ悪意を持って真実を書いていないケースは稀かと思いますが、会社側にとっての「当たり前」と、転職者が考える「当たり前」にはギャップがあることを私たちは知っています。


例えば「週休2日と聞いていたけど、土曜日出勤があると言われた」というようなご相談もあります。
求人票でいう「週休2日」とは、【月に1回は週2日の休みがある】という条件で記載することができます。
「週休2日」と聞いて毎週必ず休みだ考えてしまった転職者と、「月に1回週2日の休み」の本来の意味で求人票に書いていた企業側の違いです。
私たちジンジャーズは認識のズレがないように確認しますが、「とにかく早く転職したい」という方が見落としやすいところでもあります。

<防ぎにくいリスク>
・上司が厳しかった
・同僚と合わなかった

これらもよく聞く転職後の相談です。転職を考え始めたのが「人間関係の悩み」である場合が多いのですが、これは転職をしたからといって必ず解決できるとは限りません。入社時に十分気をつけたとしても、社内の人事異動やその後入社してきた新たな社員との関係に悩んでしまう可能性は決してゼロにはできません。

 

上記のような点で、転職におけるリスクは、「実際に入社してみないとわからないことがある」ということが言えます。

できる限りリスク(不確実なこと)を減らして、理想の働き方、理想の状態に近づけるように、焦らず事前に丁寧に確認する。
そうやって活動したとしても、入社しないとわからないことはどうしてもあるし、転職後に後悔してしまうことは「ない」とは言えない。

リスクを想定しても、やはり「転職したい」と活動する原点は何かをしっかり考えておくことで、後悔しない、後悔の少ない転職がかなえられるのです。
 

こうしたリスクを意識しながら、慎重に活動を支援しているのが、私たちジンジャーズです。

 

(文:国家資格キャリアコンサルタント 株式会社ジンジャーズ取締役 佐藤大輔)
 

 

2021.12.10:yamaten:コメント(0):[キャリアアップ情報]