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張り子木型とベアリング

  • 張り子木型とベアリング
娘が三月に宮内のギャラリーで張り子を展示するとか

宮内と言えば日本三大熊野の熊野大社である

では熊野大社の獅子頭を模した張り子を作り、展示すんべぃと言う事になり

早速、木型を作ってみた






昨年熊野大社の獅子頭とソックリの手向山(たむけやま)八幡神社の獅子頭を模刻した

それも思い出しながら少し大きさを変えて二頭制作した



それでは飯豊町の獅子も・・ということで飯豊風の木型を作り始めた






白鷹 長井 南陽 飯豊と揃いそうだ

では川西も作らねば・・・川西は獅子頭の選択が難しい



ところで以前から口の開閉をスムーズし軸穴の摩擦を軽減するためボールベアリング

を取り付けられないかという構想があった

重い獅子頭などは軸棒と穴に加重の摩擦ですり減ってユルユルになり、軸棒が遊んで

カタカタ語り始める


では・・と試験的に取り付けてみた

頭部にするか顎の方にするか検討したが、まずは頭部側に埋め込んでみた

本当は普通に見かけるボールベアリングで無く、樹脂製のニードルベアリングという

専門的でワクワクするようなメカの奴である

簡単に言えばベアリングが鉄の玉の代わりに細い丸棒が内蔵している構造で

埋め込む穴をコンパクトに出来るのである


取り付けてみると流石にスムーズだが慣れるまで抵抗がある

軸棒がクルクル回りすぎて落ち着かない

やはり少し口を開ける際、ギーーーッと音がするくらいが良いかもしれない










先日とある神社の総代宅に呼ばれた・・

用件が済み、ダメもとで浅立諏訪神社の倉庫で見つけた見慣れぬ獅子頭の影

の話をすると・・・総代のPCにその写真があったのだ

大神楽がこちらの神社にあった頃の獅子頭だろうか?

現在用いられている獅子頭とは全然形が違う



同町佐野原の獅子と似ている様な気がするのだが・・・
2016.02.07:shishi5:コメント(0):[獅子彫り日誌]

おしっさま展開催中

  • おしっさま展開催中
長井市大町ササキ花屋さん二階を会場に「おしっさま展」が開催中だ

総宮神社の古参の獅子達も展示されている

ウチで制作の十日町白山神社の獅子頭木地も展示中だ

明日まで開催なので是非ご覧戴きたい


普段は神社の宝物殿にあり前面からしか見えないのだが、後ろに回って見ると

顎の軸棒の破損修理等見る事が出来る



蟻継ぎで補修している



こちらは嘉永五年は破損中である

元治元年の獅子の木口が面白い・・謎の波立つ彫り痕である

赤外線カメラで撮影するも発見無しだ


2016.02.06:shishi5:コメント(0):[獅子彫り日誌]

伝説の笛吹じっちゃか ?(謎解決済み)

  • 伝説の笛吹じっちゃか ?(謎解決済み)
行司が居ないかな?

などと成田の古い写真を見ていると違和感が・・・

成田八幡神社の獅子連中が昭和26年まで戦争で休止していたが、ついに復活の記念撮影で

ある

上の方に妙な動きのお爺さんが一人

笛を持ち、平然と前の人の頭に乗っけてしまっているではないか

笛が重くて支えられないのだろうか?

これはなんと言う事だ!

記念すべき記念写真なのに・・・それとも孫末代まで残したパワハラか?






ふと思い出した

総宮神社がまだ獅子連中だった頃、平成10年以前にその頭から聞いた話だ

総宮の獅子舞いに成田から笛の名人が来ていて、超人的な肺活量で普通の笛は割れてしまうの

で手作りの太い笛で雷の様な大音量だったそうな

真夜中、獅子舞が終わると伝説の笛吹じっちゃは神社から成田の橋を渡るまで吹き続け

渡りきって成田に入ると笛を止めたらしい・・・その笛の音が総宮神社から聞こえたという

伝説を語ってくれたのだ

その話を聞いて調べた事があり◯◯さんかもしれないという話を聞いたのだが

記憶は定かではない

もしやこのご仁ではなかろうか・・?

今月末の成田での講演会で、この豪快なご仁について聞いてみよう



謎解明です

やはり笛吹きじっちゃは写真の方でした

総代のすぐ近くで良く知っている方・・お祭りぶちの毎日、毎日笛吹きしていたそうです

毎日吹いてりゃ笛も割れルベなとのお話でした~♪







2016.02.04:shishi5:コメント(2):[獅子彫り日誌]

試作(増量中)

  • 試作(増量中)
試作を始めた



白鷹の高岡の公園にあった柳である



生柳はサクサク彫りが進む・・快い



芯を避けるのに苦慮した・・割れもある



白太の部分は良好で超サクサク・・心が躍る




ニャンコ連も応援にやってくる・・





本日耳も作成す





本日は内部をえぐり軽量化し、軸棒を貫通させ脳天の半球を制作す









耳がいかにも垂れ下がり面白い
2016.02.02:shishi5:コメント(0):[獅子彫り日誌]

邪鬼の話

  • 邪鬼の話
早いもので節分が近い

子供達と鬼の面を付けて落花生を投げ合って盛り上がってから幾久しい

最近はでん六豆も登場しなくなってしまった


天明二年、総宮神社に平吹市之丞が寄進した鬼面の話から邪鬼について調べてみた

四天王に踏まれ懇願しているような姿の邪鬼

仏法を犯す邪神として懲らしめられ苦悶の表情を見せている

実は今にも襲ってくる様な邪鬼を四天王は抑えている存在なのだそうである




こんな邪鬼もいる

屋根の重みを支えている様な邪鬼の像である





かつては悪鬼だった邪鬼が改心して縁の下の力持ちとして仏法のお役に立とうとしている

健気な姿だ




人に反発する反対の事を天邪鬼(あまのじゃく)を大工は、この性格を利用して屋根を支える

束(つか)の代わりにこの像を置いたのだという




仏教では鬼を排除するのではなく調伏させ、調伏させられた邪鬼は反省して仏様の為に働く・・

邪鬼は一旦見方になってくれたら、その強さ故に災厄を払い福を招く頼もしい存在であるという

二面性を持っているのだそうだ



なるほど、総宮神社の龍神伝説も野川の氾濫に基づいている

そのマイナスの力をプラスの力に転化している

仏法の力で龍神を調伏させ、福をもたらす神に作り上げているではないか



さてこちらの鎌倉時代に作られた興福寺木造龍燈鬼立像をご覧戴きたい

頭上の灯籠を気にしてか目線が上




眉がギザギザでどこか飄々とした親しみある表情だ

鼻なんかそっくり

成田の獅子頭に通づる表情にも見えてくる


総宮神社の鬼面のデザインは、彫り師の高橋小兵衛が考えた物だろうか?

仮説だが成田八幡神社の建設も手掛けた小兵衛が、平吹市之丞作といわれる獅子頭の

彫り師と考える

小兵衛は優れた仏師や宮大工で新海惣松や菅原鹿蔵などとの名匠から情報を得る事が

できたのではないか・・・

江戸時代にどうやって鬼面や獅子頭の様々なデザイン情報を得たのだろう?


2016.02.01:shishi5:コメント(0):[獅子彫り日誌]
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