スローフードについて

スローフードについて~郷土から発信する食の思想・食の哲学

1.スローフード運動の誕生と発展

1986年ローマのスペイン広場に米国のハンバーガーのファーストフード店が進出し、それに危機感を抱いたイタリアの市民たちの間で出来たのがスローフード運動の始まりです。
1986年、北イタリアの小さな町で誕生した「スローフード運動」は全世界に共鳴者を呼び、世界40カ国に会が生まれ、約75,000人の会員が活動を始めました。
日本でも、現在46のコンビビウム(支部)が誕生しております。山形は全国で4番目に誕生した支部で、県内全域に75名の会員を擁し、積極的な活動をしております。

2.スローフードは「食の哲学」・「食の思想」

スローフードはファーストフードの反対語ですが、単にファーストフード排斥運動ではありません。「食の哲学」・「食の思想」効率化で忙しい現代社会では出来合いのお惣菜を買ったり、ファーストフードですますことも仕方ないかもしれません。しかし、ファーストフード一辺倒では困ります。
ファーストフードの特徴は「どこで食べても同じ味」「安くて効率がよい」「出てくるのが早い」という点です。
マニュアルによってつくられ、化学調味料などをたくさん使った個性のない画一化された味ばかりを子供の頃から食べていれば、味への繊細な感覚が育ちにくいでしょう。
安くて効率がよい、規格化された味、ファーストフ一ドは便利ではあるけれども、個性や健全な成長、味覚を育てるチヤンスを失うことになっているのではないでしょうか?
また、家族や親しい人達と食卓を囲み、なごやかな会話でひと時を過ごすのも人生の大きな楽しみのひとつです。いい素材を使って、家庭に伝わる味を自宅でじっくり作って家族や友人と楽しもうというのは、シンプルでベーシックなスローフードといえます。そこから関係や家族のきずな、また子供たちへの愛情が自然と生まれてくるのではないでしょうか?

3.私たちの食を見直しませんか?

私たち現代人の生活は、いまや「ファストライフ」という狂気に支配されつつあり、食生活の分野においてもファーストフードやインスタント食品が主流を占めつつあります。各種ストレスや不規則、不健全な食生活の結果、アレルギーや生活習慣病などがわれわれを蝕むようになっています。若者の「味覚障害」も目立ちます。
一方、家庭料理、山形の伝統的科理も軽視される風潮にあります。
また子供たちが、ファーストフードやインスタント食品の味にすっかりとりこまれ、微妙な味わいを感じる能力を失いつつあります。
この異常な状態を打開するため、私たちは英知を結集し、人間本来の自然な姿をとりもどすため、さまざまな「食の見直し運動」を行おうではありませんか。

4.私たちスローフード研究会は次の方針で活動します。

具体的には
①消えていくおそれのある伝統的な食材や科理、質のよい食品や地酒を守る。
②質のよい素材を提供する小生産者を守る。
③子供たちを含め、消費者に味の教育を進める。

スローフードの3原則
①地元でつくられた食材や科理であること。
②質のよい食材や料理であること。
③その土地の伝統の方法で製造されたり、調理されていること。

5.山形のスローフード

山形県は自然に恵まれた食料の供給基地で、四季に応じてさまざまな食材が産出されます。漬物のバラエティも目を見張るものがあり、山菜の豊富な事も自慢のひとつです。さくらんぼやラフランスのように山形県独特の果物もあります。お米も「はえぬき」の人気上昇と共に昔の人気品種「サワノハナ」や「亀の尾」の復活の話題も興味深いものがあります。そして地酒とくれば、山形はこのところ技術的に高い水準を保ち鑑評会でも金賞入賞の蔵が多く注目を浴びています。
郷士科理も置賜、村山、最上、庄内と、それぞれの土地の伝統ある科理が数多く食通を堪能させています。
しかしながら、次の世代の人々は地元の食材や料理より標準化された画一的なファーストフードやインスタント食のほうを好む傾向にあり「食の貧困化」がますます心配されます。
日本全国にはびこるファーストフードや、インスタント食一辺倒の食生活を、ここら辺で断ち切り、豊かで健康的な「スローフード」に関心を持って頂くよう、私たちの力で意識を変えていこうではありませんか。
それは日頃から「食」に関心の強い、「食」に愛着を持つ私たちの責務ではないでしょうか。日本の食の健全な未来のためにスロースローと行動を起こしましょう。
2006.10.21:スローフード山形/広報委員会:[||| スローフードについて]