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Q1. ボランティアという言葉、よく耳にしますが?

A1 ボランティア活動とは、「個人の自由意志に基づき、その技能や時間等を進んで提供し、社会に貢献すること」(1992年 生涯学習審議会より)」を言います。ここで一番大切なのは、「個人の自由意志に基づき」というところです。つまり、自分から進んで、他人や社会のために自分の労力や時間、金品を提供する行為のことで、その際、直接的な対価である報酬を求めず、他者を助ける行為のことをいいます。
2011.08.05:青年の家:[ボランティアQ&A]

Q2. もともとボランティアってどんな意味なんですか?

A2 ボランティア(volunteer)は英語ですが、その語源は、ラテン語のvolo(ウォロー)にさかのぼります。voloの意味は、英語のwillと同じで、「自分の意志でする」という意味です。英語のvolunteerは、17世紀半ばには自分たちの町や村を守る「自警団」に参加する人々をボランティアと呼んでいました。さらに18世紀になると、軍隊に自分から進んで入る「志願兵」のことをボランティアと呼ぶようになりました。これは現在でも徴兵によって集められた兵隊(conscript,draftee)に対する語として、「志願兵」の意味で使われています。キーポイントは「自発的にする」「進んでやる」にあります。
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Q3. どうして広まってきたのですか?

A3 ボランティアというとちょっと前だと「特別な人の特別な活動」と見られていましたが、今やごく普通の人の日常生活の選択肢の一つになっています。そうなった理由は社会の変化にあります。
第一にこれまで生活上で問題がおきると家庭、地域社会や行政が解決してくれたのですが、それができなくなったことがあげられます。家庭や友人関係、親戚づきあいなどの全ての「社会」が小さくなっていき、問題解決能力が弱くなったことや、解決すべき問題が公害や高齢社会など、一人一人が解決するには大きすぎるレベルになったことが理由です。
第二に人々が物質的な豊かさに加え、心の豊かさを求め、主体的で多様な暮らしやライフスタイルを求めるようになったことがあります。
そして第三に生活のいろいろな面で国境という壁がなくなった結果、国家単位では解決できない問題が出てきたのですが、そこで国境を越えて活躍するNGOやNPO(後述参照)に期待が高まってきたことにあります。
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Q4. 日本ではいつ頃から盛んになったのですか?

A4 実は日本で盛んになったのはそんなに古いことではありません。1995年1月の阪神・淡路大震災以降のことなのです。死者6400余人を出したこの災害には全国から1年間に延べ130万人を超すボランティアが救援に駆けつけました。この年は日本の「ボランティア元年」といわれています。
ではそれ以前はどうして活動が低調だったのでしょうか。ボランティア教育の欠如やボランティア情報の不足などその原因はいろいろありますが、ボランティアという文化を外国から取り込まずとも、社会がうまく機能していたとも言えます。
 その後、1998年3月に特定非営利活動促進法(通称NPO法)が可決され、ボランティア団体に法人格を与え課税の優遇措置が認められました。現在ではたくさんの団体が活動していますが、海外の巨大なNPOに比べ規模が小さかったり、人員派遣や物資輸送の熟練専門家の不足など問題点はまだまだあります。
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Q5. 学校でもボランティアしてますよね?

A5 ボランティアの基本理念は、自発性・無償性・公共性・先駆性の4つです(1992年「生涯学習審議会答申」より)。
そのうち1番大切なのは自発性です。でも、実際は自由意志と強制の間のグレーゾーンの「ボランティア活動」も確かに存在します。ドイツでは18歳の男子に対して1年間の兵役義務か病院等での奉仕活動が課されます。日本でも2000年「教育改革国民会議」が中間報告で「18歳になったら奉仕活動をするようにする」という提言を発表しました。これは、2002年度の「学校教育法」「社会教育法」の一部改正の際に「ボランティアなどの社会奉仕体験活動」の必要性を盛り込むことにつながりました。これらの「奉仕」がボランティア活動かどうか、議論が分かれると思います。
ただ、ボランティア活動とボランティア学習は、区別する必要があります。ボランティア活動とは、「活動者の自由意志が最大限に尊重された、公共の利益に寄与するための市民による非営利活動」であるのに対し、ボランティア学習は、「ボランティア活動の潜在的教育力を活用した、意図的制度的に教育目標が設定された学習活動」を言うからです。学校でのボランティアは多くの場合「ボランティア学習」だと思います。
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