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nao
本書「エピローグ」より
<b>▼本書「エピローグ」より</b><br />アシュリーは今日も、人の何倍ものスピードで年をとり続けています。<br />与えられた人生の残り時間を早送りで消化しています。<br />「なぜ私には髪がないの?」と尋ねたアシュリーに、<br />「年をとればみんな髪が抜けるのよ」と、とっさに答えたことをい出します。<br /><br />髪が抜けることも、胸が痛むことも、骨がもろくなることも・・<br />そう、スピードは少し遅くても、誰もがアシュリーと同じ老化を経験するのです。<br /><br />そしてアシュリーは、残された時間を信じられないほどポジティブに、楽しく生きています。<br />人にとって時間がどれだけ大切なものであるか、彼女の存在自体が語っています。そしてポジティブに生きてと、その小さな身体ごと、メッセージを発してくれているように見えます。<br /><br />もちろんそれは、母親である私だけのために神から発せられたメッセージではありません。<br />アシュリーとスピードは違っていても、残りの人生を今の一分一秒ごとに消費している人たち、つまり今生きているすべての人たちへのメッセージでもあります。<br />プロジェリアという病気を解明することは、人の老化を解明することだとよく言われます。<br />人類の永遠の課題である老化を解き明かすために、プロジェリアは神様が遣わせた病気だと言う人もいます。<br />ただ、私にはこう思えてしかたないのです。<br />短い人生を一生懸命生きることの大切さを教えたい。<br />そして自らの死や生きる目的を考えてほしい。<br />そうお望みになった神様が送り込んでくれた天使--それがアシュリーなのだ、と。
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