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「Mr.PO」の思想と行動(2)…「立地適正化計画」という“自縄自縛“

  • 「Mr.PO」の思想と行動(2)…「立地適正化計画」という“自縄自縛“

 

 「すいた時間、すいた場所を選んで遊ぼう」―。人っ子ひとりいない公園広場にこんなステッカ-が張り付けてある。コロナ禍が猛威を振るう半年以上も前の令和元年(2019年)夏、花巻市内の中心市街地に忽然と「花巻中央広場」なる空間が姿を見せた。陽をさえぎる樹木もなく、冬場は雪に閉ざされるこの空間には当時から人の気配はなかった。とってつけたようなボルダリング(岩や人口壁面への登はん用施設)に取りついている人の姿はついぞ、見かけたことはない。実はこの“無用の長物”こそが、Mr.PO(上田東一市長)が政策理念に掲げる「立地適正化計画」の虚実を見事なまでに映し出している。

 

 少子高齢化の時代のただ中に誕生した上田市政はある意味で時の運にも恵まれていた。初当選した直後の平成26(2014)年8月、「改正都市再生特別措置法」が施行されたのに伴い、国の優遇制度が利用できる「立地適正化計画」の制度が導入された。「まちづくりと施設整備の方向―立地適正化計画による都市再構築の方針」(以下「都市再構築の方針」)…いまに至る政策理念の骨子が固められたのはそのわずか4ケ月後。まちづくりの方向性がこの時点で以下のように位置付けられた。

 

 「立地適正化計画は、それぞれの市町村において都市計画法に基づいて指定された都市計画区域内において、さらに住宅及び医療、福祉、商業その他居住に関連する施設の立地に関する方向を定めるとともに、用途地域など既存の都市計画制度と組み合わせて居住の密度を高めていく『居住誘導区域』と、その居住誘導区域の中でも特にまち全体として必要な機能の維持と新規立地を促す『都市機能誘導区域』を定め、市街地の範囲や都市機能の立地をコントロールしながら、人口減少社会に耐えうる住みよいまちづくりの形成に努めていこうとするものです」―。全国自治体が競うように計画策定を進める中、当市は2年後の平成28(2016)年6月、全国で「3番目」の策定にこぎつけた。Mr.POが政策論争のたびに自慢げに口にする常とう句である。

 

 このプロジェクトの第1号が昨年3月、旧厚生病院跡地に移転・新築した総合花巻病院である。中心市街地の定住促進と活性化を目指した災害公営住宅や子育て世代向け住宅などの建設が続き、立地適正化計画は順風満帆に進むかと思われたが、その足を引っ張ることになったのが、冒頭の“無人公園”の怪である。元デパ―ト跡地だった当該地はがけ崩れの恐れのある急斜面に面しており、「都市計画運用指針」(国交省)で土砂災害特別警戒区域(いわゆる「レッドゾ-ン」)に指定されていた。「こともあろうに、人命の危険が及びかねない場所に居住を促す」―。Mr.POの本性見たりである。こういう心性を称して、広い意味では「ファシズム」ともいう。

 

 オ―プン前年の平成30(2018)年10月、国交省から除外指導があり、さらに令和2(2020)年6月には都市再生特別措置法の一部改正が国会で可決成立。「居住誘導区域から土砂災害特別警戒区域を原則すべて除外する」―ことが正式に決まった。「中央広場」誕生の裏には決して、表ざたにはできないこんな闇の出自が隠されていたのである。時折開かれる官製お抱えの“やらせイベント”以外にはほとんど人気(ひとけ&にんき)のない広場に立っていると、人命軽視という怨霊(おんりょう)がそこら中に漂っているような錯覚にさえ陥ってしまう。慌ててしつらえた崩落防止用のコンクリ―ト壁(冒頭写真)を見ていると、なおさらそんな気持ちになってしまう。

 

 商社勤務の経験もあり、確かに「商才」には長けているのだろうが、「文才」となると若干、首を傾げたくなる。私は議員在職中、何度か「(宮沢)賢治」観を問うたことがある。そのたびに賢治作品を「道徳本」としてみる浅慮(せんりょ)にびっくりしたものである。つまりはその読解力のなささ加減、想像力の欠如に失望させられたというのが実感である。たとえば、「住宅付き図書館」の駅前立地という“奇想天外”にその精神の貧困の一端を垣間見ることができる(5月24日付当ブログ参照)

 

 前市政が平成25年5月、新図書館の建設に当たっての適正蔵書数を「50~65万冊」と算定したのに対し、その後に就任したMr.POは半分の30万冊に見直す考えを示し、その理由をこう述べた。「人口減少が見込まれる中で利用者が蔵書数の増加ほどに増えるとは考えにくく、一層厳しさを増すと見込まれる財政状況を踏まえ、運営経費や従事者数が現状を大きく超えないよう計画の規模を見直す必要があります。蔵書数は県内他市の市立図書館と比較して突出して多いものでしたが、30万冊は花巻市の都市規模にもほぼ見合うものと考えられます」(前掲「都市再構築の方針)―。いわゆる“身の丈”発言である。

 

 「知の殿堂」とも呼ばれる図書館をおのれの貧相な身の丈で斟酌(しんしゃく)してもらっては迷惑千万である。ちなみに前市政時代の計画で見込まれた所蔵雑誌数は約400誌にのぼったが、現在公表されている「新花巻図書館整備基本計画(試案)」の中では半分の約200誌に減っている。

 

 「新しい風は、市政の風通しをよくしたいということです。すなわち市民への情報提供に努める。そして市民の皆様、市議会及び議員の皆様の声をよく聞く。それから、昨日も申し上げましたけれども、市政の決定過程の透明性を高める。どうしてそのような市政を行ったのかがきちんと説明できるように。市長が決めたということではなく、市長がなぜ決めたかということをしっかり残すことが大事だと。そのようなイメ-ジを持っております。それで、市民と一緒に花巻市をよくしていこうと、そういう風を吹かせたいということでございます」―。Mr.POが初登壇した3月定例会(平成26年3月5日)の一般質問で、私は政治理念と政治哲学についてただした。7年前のこの“初心”は一体、どこに!?これって、ある種の“サギ行為”ではないのか―

 

 

 

(写真は“公園”もどきに姿を変えた「花巻中央広場」。左手の突起部分がボルダリングスペ-ス。後方上部の日本家屋が解体が決まっている旧料亭「まん福」=花巻市吹張町で)

 

 

 

《追記》~またぞろ、“やらせ”要請の波!?

 

 革新を標榜する某市議が先導役を務めるJR花巻駅の橋上化をめぐる”やらせ”要請がいったん小休止していたと思っていたら、6月1日に3団体がそろってMr.POに対して促進方を要請することがわかった(5月7日、同11日、同16日付の当ブログ参照)。花巻農業高校同窓会と市商店街振興組合協議会、花巻北高同窓会・PTAの3団体で、そういえば、橋上化問題も立地適正化計画の一大プロジェクトのひとつ。どっちが“やらせ”の当事者か、わかったもんではない。

 

 

 

 

 

 

「Mr.PO」の思想と行動(1)…イ-ハト-ブ歌舞伎「青天の霹靂」、好評公開中

  • 「Mr.PO」の思想と行動(1)…イ-ハト-ブ歌舞伎「青天の霹靂」、好評公開中

 

 「私たちは、まちづくりに関する基本的事項を共有し、市民が自ら考え、決定し、行動す る市民参画と協働のまちづくりを進めることによって真に豊かな地域社会を実現するため、 ここにこの条例を定めます」(「花巻市まちづくり基本条例」、平成20年3月)―。当市は「まちづくり」の基本理念として、この条例の前文でこう謳っている。身もふたもない言い方になるが、「PO(パワハラ&ワンマン)」流とは「そんな理念などクソくらえ」という“愚民”化政策である。まさか、と思う人はPO劇場で公開中の密室劇「青天の霹靂(へきれき)」(全7幕)をしかと御覧(ごろう)じいただきたい。青森県産の米の銘柄ではないので、お間違えのないように。その前にちょっと、解説を―

 

 新花巻図書館の建設をめぐって、〝ナゾの空白期間〟と呼ばれる約2年半の期間がある。現在も生きている「新花巻図書館整備基本構想」の策定(2017年8月=平成29年)から、「新花巻図書館複合施設整備事業構想」(いわゆる“上田私案”)の策定(2020年1月29日=令和2年)に至るまでの期間である。文書開示請求をした資料などから浮かび上がってきたのは…。市民や議会の頭越しに行われてきたオガ-ルとの“密約”という闇の実態である。以下、時系列的にその経過を辿ってみる。さ~て、お待~ち。拍子木の音ともに幕がスルスルと上がる。いよいよ、主役のお出ましである(パチパチ…)

 

 

<第1幕>「新花巻図書館整備基本構想」(2017年8月=平成29年)

~「花巻市立地適正化計画」(平成28年6月)の策定に伴い、新花巻図書館を市街地活性化に資する「都市機能誘導区域」に整備することを明記。MR.PO(上田東一市長)の下での図書館論議が本格化へ

 

<第2幕>「花巻市図書館複合施設等整備方針検討業務報告書」(2018年6月=平成30年)

~いわゆる、この「UR報告書」の中で、建設場所が「花巻駅東口」と「まなび学園周辺」とに特定され、“密室”協議がひんぱんに

 

<第3幕>株式会社「オガ-ル」(岡崎正信社長)との間で「花巻市図書館複合施設整備アドバイザ-業務」にかかる随意契約を締結(2019年4月22日=平成31年・令和元年)

~契約期間は当初、同日から同年11月30日までで、契約金額は1,867,536円。その後、令和2年3月31日まで延期され、金額も4,931,445円に増額。業務実施報告書によると、その範囲はJR協議や市長協議だけではなく、議会対応に向けたミ-ティングにまで及び、“黒幕”としての暗躍ぶりが浮き彫りに

 

<第4幕>岡崎社長が「第21回まち・ひと・しごと創生会議」(内閣府主催)の席上、図書館と民間賃貸住宅とを合築する「花巻市図書館整備事業」に参入する旨の報告(2019年12月19日)

~“寝耳に水”の出来事に議会側が「議会軽視だ」と反発したのに対し、Mr.POは「この件については岡崎さんの個人的な行為で、市として関与したわけではない。ただ、国の融資を受けやすくするためにも当市の考えを伝えてくれたのは良かった」とうそぶき、“未必の故意”(越権行為)を援護するという愚民化の本性があらわに

 

<第5幕>「新花巻図書館複合施設整備事業構想」が議員説明会や記者会見の場で突然、明るみに(2020年1月29日=令和2年)

~JR花巻駅前のJR所有地(現スポ-ツ用品店敷地)に50年間の定期借地権を設定。図書館と賃貸住宅、テナントを合築する複合施設案(「住宅付き図書館」の駅前立地)―いわゆる“上田私案”が公にされたことで、新花巻図書館への関心が一挙に高まる。愚民化を強いられてきた市民の間にも「洗濯物がはためく図書館なんて…」という声が

 

<第6幕>「新花巻図書館整備」会議(2020年2月19日)

~“上田私案”の公表に伴い、その後の地ならしをするために召集。起案書には「新花巻図書館複合施設整備事業について、建設場所や建設の手法が決定し、今後は具体的な事業内容や構想策定について関係機関で検討を進めていく」―。この時点で「住宅付き図書館」の駅前立地について、行政側とアドバイザ-側が基本合意へ。この会議には岡崎社長とともに今後のWSを担うことになる早川光彦・富士大教授も初めて参加(謝礼金23,000円)。この年の7月から10月にかけ、7回(謝礼金は1回につき1万円)にわたって開かれた「としょかんワ-クショップ」に助言者(アドバイザ-)として立ち合い、現在もその立場にある。これって、“共同正犯”!?

 

<第7幕>“上田私案”(「住宅付き図書館」の駅前立地)を白紙撤回へ(2020年11月12日)

~序破急の「急」つまり「ラッキ-セブン」になるはずが、急転直下のあわれな幕切れ。でも、MR.POは転んでもタダでは起きない。失地挽回(ばんかい)をたくらみ、続編のクランクインに向け、虎視眈々(こしたんたん)。油断大敵

 

 

 

(写真は幹部職員を差しおき、身振り手振りをまじえて答弁するMR.PO=5月18日開催の花巻市議会臨時会で、インタ-ネット中継の画面から)

 

 

 

《注記》~「思想」、そして「行動」ということ

 

 当ブログの表題は東京大学法学部の元名誉教授で著名な政治学者、丸山眞男(故人)の古典的名著『現代政治の思想と行動』から拝借した。「抑圧の移譲」や「無責任の体系」などという概念通じて、ファシズムや軍国主義を論じた論考はいまに至るも影響力を失っていない。いや混迷のコロナ禍のいまこそ、読まれるべき内容かもしれない。同学の後輩を自慢するMR.POは果たして、この名著を読んだことがあるのだろうか。彼の「思想と行動」からはそんな気配はみじんも感じられない。

 

 

 

 

 

 

補正予算の上程、当市が全国最多…これって、果たして自慢していいこと? 臨時会が“専決”の場と化したイ-ハト-ブ議会の崖っぷち!?

  • 補正予算の上程、当市が全国最多…これって、果たして自慢していいこと? 臨時会が“専決”の場と化したイ-ハト-ブ議会の崖っぷち!?

 

 「トップ志向がお好きなMr.PO(上田東一市長)はさぞかしご満悦のことであろう」―。地方自治体の専門情報誌『日経グロ-カル』(NO.411 5月3日発行)が未回答の2市を除いた全国813市区の中で、当市花巻の2020(令和2)年度補正予算(一般会計)の上程回数が30回(同誌の調査回答期限の時点では29回)と全国最多だったという調査結果を掲載した。「国や県の動向をみながら、コロナ対策を市長の専決処分できめ細かく出したことが最大の理由」と取材に応じた職員は話しているが、果たしてそうか。数字の裏側を辿っていくと、そこには上田“強権支配”の構図が透かし絵のように浮かび上がってくる。

 

 「本来は議会が議決しなければならない事件を、時間的に議会の招集を待てない緊急な場合などに、行政運営の遅れや滞りを防ぐため、例外的に市長が議会の議決に代わり意思決定する」―。地方自治法第179条は「専決処分」の趣旨について、こう規定している。また、この処分を行った後はすみやかに議会への報告と承認を得なければならないとされている。今回のコロナ禍は当然、こうした“緊急事態”に該当することは言うまでもない。事実、当市の30回の補正予算の内訳は22回がコロナ関連である。ところで、案件ごとに仔細に分析を進めていくと―

 

△専決処分12件(7件がコロナ関連)、△臨時会における議決9件(すべてがコロナ関連)、△定例会のおける議決9件(うちコロナ関連が6件)…。一体、この数字は何を意味しているのか。未知のウイルスへの臨機応変が迫られる事態とはいえ、この手続きにはある種の「恣意」や「意図」が感じられる。なぜ、十分な質疑の時間が用意された定例会での審議がわずか6件なのか。なぜ、議案が当日配布され、質疑の準備もままならない臨時会での議決が9件に及んでいるのか。専決処分が7件というのも多すぎはしないか。直近の第5回臨時会(5月18日)の異様な光景が私の目に焼き付いている。

 

 「国は、その供給スケジュ-ルをもとに、65歳以上の高齢者で接種を希望する高齢者が7月末までに接種を終えられるよう、地方自治体に対し接種計画の見直しを求めたところです。当市においては、ワクチンの供給スケジュ-ルが示されない中で花巻市医師会をはじめとする関係者との調整の中で、高齢者への接種につきましては8月中の終了とする接種スケジュ-ルを策定することとしていたところでありますが、国の要請により、7月末までには接種を希望される高齢者の方に接種を終えることを目標とする接種計画に見直すこととし、…このままでは、コ-ルセンタ-につながりにくい状況がさらに進むことが予想されますことから、回線数を現状の10回線から30回線に増やすこととして、必要経費を補正予算として本臨時議会に提案しております」―

 

 30分にも及ぶ「開催前」報告に耳を傾けながら、オヤっと思った。1カ月の「前倒し」はスケジュ-ルの大幅変更である。現場の混乱も予想される。と、思って議会中継の議員席に目をやると、みんな虚を突かれたようにキョトンしているではないか。総額1億5千万円以上のコ-ルセンタ-増設費を計上した議案書が議員全員に配布されたのはこの日の午前9時からの議会運営委員会が終了し、同10時からの開会直前。「これじゃ、まるで騙まし討ちではないか」と同情したくもなる。

 

 私の手元に「新型コロナウイルスワクチン接種のご案内(ク-ポン券在中)」と印刷された封書がある。「ワクチン接種を希望される方は、この通知とは別に送付される接種会場通知に記載の日時及び集団接種会場での接種をお願いします。接種会場通知は、3月に届く方、4月に届く方など様々です。ですが、必ず会場予約の案内が届き、希望する方はワクチンを接種できますので安心してお待ちください」―。5月の下旬にさしかかろうとしているが、私の手元にそれらしき通知はまだ、届いていない。

 

 「臨時会の議案配布は以前から開会の直前。だから、提案理由などを吟味する時間的な余裕もない。こんなやり方を許してきた議会側に責任もあるが、最低1週間前には配ってほしい。抜き打ち的な開催を抑制するためには隣の北上市のように通年議会の導入も考える時期かもしれない」―。ある現職市議は自戒を込めて、宙を仰いだ。案の定、質疑では「コ-ルセンタ-の対応はとても良いとの評判だ」などと的外れの内容に終始した。「討論の通告はありません。これから採決に入ります。異議なしと認め、よって第3号議案は原案通り、可決されました」―議長の声を聞きながら、私は臨時会そのものが究極の“専決処分”の場に堕する瞬間を見せつけられたような気がした。まんまと「議会の私物化」に成功したMr.POが内心、ほくそ笑む姿も眼前に去来した。

 

 補正予算の上程がわずか4回と少なかった東京都目黒区は「コロナ対策は、ある程度まとめて打ち出した。専決処分をしなかったため、補正の回数は少なかった」と同誌上で語っている。編集子は的確にこう分析している。「コロナという緊急事態で専決処分による迅速な対応と議会重視の姿勢のどちらを優先するか。首長の考え方も補正の回数に反映していると言えそうだ」―。なんたって、「NO1」…この人の“PO”ぶり(パワハラ&ワンマン)にはますます、拍車がかかりそうな気配である。令和3年度に入ってもすでに2回の臨時会が開かれ、コロナ関連のいずれもが「異議なし」の一声で可決されている。議員諸賢よ、もう少し踏んばらんか!?

 

 

 

(写真は「補正上程、全国最多」と掲載した『日経グロ-カル』)

 

 

 

《追記》~思惑だらけの「7月末」

 

 高齢者のワクチン接種をめぐる1ケ月の「前倒し」問題が地方自治体を混乱の渦に巻き込んでいる。我がイ-ハト-ブ議会は突っ込みどころが満載のこの件をスル-して、涼しい顔だが、5月21日付の朝日新聞は「首相の号令に地方困惑/遠い目標『終われるはずがない』」という大見出しで、こんな裏舞台を紹介している。議員諸賢よ、6月定例会でこの辺の経緯を「Mr.PO」に問いただし、汚名を返上してほしい。

 

 いわく~「自治体は地方交付税のことが頭にあるから、総務省にお願いされたら断れない」(政権幹部)、いわく~「100%打ち終わる必要はない。予約の枠に一つでも空が出たら完了だ」(首相周辺)、いわく~「(東京五輪の開会式がある7月下旬と同時期に高齢者接種にめどをつけ)政権をとりまく空気を変えたい」(首相に近い閣僚経験者)。4月下旬、「(7月末完了は)無理」と回答した自治体は約700に上ったが、5月12日時点でその数は251に減った。”トップダウン”とはまさに川の流れのごとし。そう、「五月雨や集めてはやし~川」…

 

 

 

 

 

失見当識(しっけんとうしき)…これってもしかしたら、認知のはじまりなのかなぁ~足元では“橋上化”戦争が全面化の様相!?“認知”ってる暇などな い

  • 失見当識(しっけんとうしき)…これってもしかしたら、認知のはじまりなのかなぁ~足元では“橋上化”戦争が全面化の様相!?“認知”ってる暇などな い

 

 最近、記憶力の減退がとみに激しい。歳(とし)のせいばかりではないように思う。“コロナ神”の術中にすっぽりとはまってしまったのか。そういえば、マスクも3密もソ-シャルディスタンスもいつの間にか頭の中をスル-して、すっかり体になじんでしまったような気がする。顕著な“忘却”傾向はコロナ禍に振り回された過去1年に集中している。本来はこんな従順な性格じゃなかったはずだったのに…。そのことにハタと気づかされたのは今年のゴ-ルデンウイ-クのさ中である。どうも、この未知なる神は人間を思考停止の状態に追い込んで、面白がっているフシがある。

 

 大型連休中には確か祝日が3日続いてあったはずなのに、当日になってもそれが思い出せない。あせった。慌ててカレンダ-をめくった。みどりの日(4日)とこどもの日(5日)はまあパスするとして、3日が「憲法記念日」だったことまで失念していた。数年前まではこんなことはなかった。「来し方行く末」に思いをいたすために“記憶”を喚起する日だったはずが、この有様である。ジワリと忍び寄る“認知っ気”を自覚したせいもあり、それこそ記憶を総動員して当日の新聞(朝日新聞)をなめるよう読み直した。

 

 「男女平等の理念/遠い日本」「改憲『必要』45%/『必要ない』44%」―。おなじみの「周年」特集や拮抗する世論調査の分析など盛りだくさんの記事の中で目を引いたのが「コロナ下の記念日」という見出し。いわゆる、現下の“緊急事態”と憲法の中に「緊急事態条項」を加えるべきかどうかなど、憲法論議が新たな局面に入りつつあることに改めて、時代の流れを感じた。活字を追う目がふいに、一枚の写真に吸い寄せられた。ノ-マスクの人物を黒マスク姿の2人が出迎えている。国際宇宙ステーションに滞在した宇宙飛行士の野口聡一さんが無事、地球に帰還した瞬間を伝える写真だった。記憶が妄想を伴いながら、ふくれあがった。

 

 「そうか、宇宙にはコロナはいないわけだからな」「いやまてよ、野口さんが宇宙に飛び立ったのは約半年前。その時、地球全体はこの災厄の真っただ中。まさか、野口さんが宇宙にコロナを運んだりはしてないよな」「だとしたら、さあ大変、大宇宙戦争の勃発だ」…。マスクとノ-マスクの対照的な光景が予期せぬ方向へと想像力をかき立てた。そのことに逆にこっちの方がびっくりした。

 

 「空気の無くなる日」(1949年)―。突然、70年以上も前の映画のシ-ンが目の前によみがえった。子どもたちが5分間、呼吸を止める訓練をしたかと思えば、自転車のチュ-ブや氷袋に空気をためようとするなどてんやわんや大騒ぎ。彗星が接近する「その年の7月28日」に5分間だけ、「地球上から空気がなくなってしまうそうだ」というデマに踊らされるドタバタ劇である。1円20銭だった氷袋が何百倍にも高騰するというあたりは、コロナ禍でのマスクの買い占めを彷彿(ほうふつ)させるではないか。当時の児童雑誌に掲載された同名の小説(岩倉政治著)の映画化で、私も恐るおそる見に行った記憶がある。

 

 1日の感染者40万以上、死者4千人超―かたわらのテレビがインドにおける感染爆発の惨状を伝えている。医療用の酸素が不足して死に絶える人々、牛のふんを身体中に塗って、コロナ退散を願う怪しげなセラピ-とそれに群がる人びと…まさに“世紀末”さえ予感させる地獄絵におののいた。「空気がなくなる」という“荒唐無稽”が刹那(せつな)、現実化する錯覚に陥った。

 

 “コロナ神”にきちんと向き合うためには「思考」の再起動が必要なのかもしれない。憲法から野口さん、インドの惨状…。その輪をちょっとだけ広げただけで頭の中のもやが少し、晴れたように感じた。17世紀のフランスの思想家、パスカルはその著『パンセ』の一節にこう書いた。「人間は自然のうちで、最も弱い一茎の葦(あし)にすぎない。だが、それは『考える葦』である」―。そういえば、いま読んでいる作家、辺見庸さんの近著のタイトルも『コロナ時代のパンセー戦争法からパンデミックまで7年間の思考』である。ちなみに、「パンセ」とは思考や思想を意味するフランス語。けだし、「記憶こそが思考を呼び起こす源泉」―である。

 

 

 

(写真は米宇宙船・クルードラゴン1号機から帰還した野口さん=5月2日、米フロリダ州沖のメキシコ湾で=インタ-ネット上に公開の写真から)

 

 

 

《追記―7》(続「“やらせ”要請」)~みんなお金ほしいもん

 

 「毘沙門叩き」を名乗る人から、以下のようなメ-ルが届いた。今回の議員としての最低限のモラルさえ逸脱した“やらせ”要請の余波は収まりそうもない。「お任せ民主主義」に安住してきた市民の間にやっと、危機感が現われたということなのかも知れない。

 

 

 花北地区コミュニティ会議の地域に住んでいますが、今回の要望活動のことは知りませんでした。でも、みんなお金ほしいですよね。今回の要望した団体は市から補助金をもらっている組織ですよね。しょうがないですよね。今日、ワクチン接種の件で、ネットで騒ぎになっていますが、地方交付税が欲しいから、国の総務省の交付税課長とかいう偉い人から電話が来たら、選挙で選ばれた市長も我慢しなきゃいけないのが今の日本なんですよね。でも、同じようなことがここ花巻でも起きてるんじゃないかって。だから、コミュニティ会議の人たちも仕方ないですよ、市からたくさんお金もらってるんだもの。

 

 

 

 《追記―8》~まったく、性懲りもなく!?

 

 「東西自由通路の早期実現を/9地区コミュニティ代表が要望書提出」―。“やらせ”要請の張本人と目される市議本人がそのことを“ゲロ”する内容の市政ニュ-スを発行した。日付は5月19日付で、ご丁寧にも「Mr.PO」(上田東一市長)と代表とが一緒に収まった写真まで掲載されている。「頭隠して、尻隠さず」とはよく言ったもんである。“確信犯”と言ったらいいのか、あるいはまるで幼稚なのか自らの犯行を“自供”する馬鹿正直に元議員の私の方が穴に隠れてしまいたくなった。まぁ、このご仁は「Mr」の言い分を引き出すのが狙いというのがミエミエ。まるで想定問答のように当の本人は以下のような受け答えをしている。小学生の学芸会以下だなぁ、ったく―

 

 「地元からこのような声を上げていただいたことは大変、ありがたい。花巻市の活性化とまちづくりの拠点として、花巻駅周辺整備は重要。皆さんの要望や提言に応えていきたい」、「調査にもよるが、完成は令和10年度を目途としている。心配をおかけしたが、議員の皆さんや議員会派と話し合いをしていきたい」…。当市には地域活動の拠点としてのコミュニティが会議が全部で27ある。このわずか三分の一の要望が全体の意志を反映していると言えるのか。この問題をめぐる住民アンケート調査に回答したのはたったの56人にすぎない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…「倫理基準」なんて、クソくらえ…地に堕ちた議員資質~亡霊どもよ、さっさと消え失せろ~イ-ハト-ブ(夢の国)に”緊急事態宣言“発令中!?

  • …「倫理基準」なんて、クソくらえ…地に堕ちた議員資質~亡霊どもよ、さっさと消え失せろ~イ-ハト-ブ(夢の国)に”緊急事態宣言“発令中!?

 

 ひとつ…「市民の代表者として、その品位と名誉を損なう一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと」、ふたつ…「市民の代表者として、常にその人格と倫理の向上に努め、その権限又は地位を利用して、不正に影響力を行使し、又は金品を授受しないこと」…これって一体、だれのための決め事なの?「イ-ハト-ブ花巻の議員たちが自らのエリをただすために定めた崇高な理念」―だったはずだが…。いま足元ではこの理念を歯牙(しが)にもかけないような“蛮行”が大手を振ってまかり通っている。

 

 7年前に議会告示された「花巻市議会議員政治倫理要綱」には冒頭に掲げた「政治倫理基準」(第3条)が高らかに謳われている。4月7日付当ブログ(「“やらせ臭”プンプンの要請活動」)で触れたように、花巻駅の橋上化問題で「Mr.PO」(上田東一市長)の提灯持ちみたいな動きをしているのが、革新(平和環境社民クラブ=社民党系)を名乗る会派の某議員である。この人物があちこちで「調査費」再上程の要請を促している、いわゆる“ひな型”には露骨にもこう書かれている。「市議会で、この調査費の削除を求める修正案が提出され、議員多数により当初予算から削除されました。私たち市民の声や思いが届かなかったことは誠に遺憾であり残念であります」―。このご仁、市長後援会の事務局長も兼任、当局側と議員側とが互いに監視し合う最高規範「二元代表制」もヘチマもどこ吹く風。事態は超ド級の深刻さで、つまりは当市にも”緊急事態”宣言が発令されたということである。

 

 カン違いしてもらっては困る。市民の負託を受けた市議の多数が修正案に同意したということであり、これは議会制民主主義の大原則である。この人物は自らの行為が「その権限又は地位を利用して、不正に影響力を行使している」―つまり、この政治倫理基準に背馳(はいち)していることにさえ気が付いていないらしい。もうひとり、茶坊主みたいな無所属議員がいる。橋上化問題を特集した自らの議会報告(令和3年3月31日発行)の中で、修正案への賛(14人)否(11人)の内訳を会派別ではなく、議員名と出身地区別に列挙した上で、どうしたわけか賛成に回った共産党所属議員ついては会派名(所属党)だけを示し、出身地別を明らかにしていない。察するに、賛否の地域格差を浮き彫りにし、さらにこの問題で主導権を握った会派をことさらに印象付けようとする稚戯(ちぎ)にも似た振る舞いである。もっとも以前から、この程度のレベルの議員だったが…

 

 まるで、コロナ禍を上回るスピ-ドで“要請ラッシュ”が続いている。すでに、6団体からの要請活動が終了し、明日12日には花巻地区コミュニティ会議が「早期実現を求める要望書」を市側に提出する予定になっている。修正案に賛成した議員の間では6月定例会での再上程を懸念する動きも高まっている。政治倫理要綱(第5条)では政治倫理基準に違反した議員に対する審査請求も定めており、市民の間には「橋上化以前に議員のモラルが問われているのではないか」という失望の声も聞かれる。

 

 今回の問題を機に突然、闇のかなたから浮かび上がった感がある件(くだん)の政治倫理要綱は実は私にとっては苦い記憶の産物である。当時、現職議員だった私は10年前の東日本大震災の際、「義援金流用」疑惑をめぐって、市側を追及。この混乱の中での発言が「議会の品位を汚した」という理由で、逆に私が懲戒処分を受けるというハメになった。この“見せしめ”のために策定されたのが「花巻市議会議員政治倫理要綱」(2014年3月20日告示)だったいうわけである。ここに登場した議員たちは“ブ-メラン”効果ということに無知であるらしい。政治倫理要綱が定める「品位や名誉、人格、倫理」もヘッタクレもクソもあったもんではない。議員としての矜持(きょうじ)がいまこそ、試されている。

 

 と、ここまで書いたら、思い出したくもないことが次々に頭によみがえってきた。そういえば、議員になる前、職員による虐待や差別(今でいうパワハラ)に苦しんでいた市内の知的障がい者施設の家族たちに乞われて、園長職を引き受けたことがあった。園長就任のその日、利用者の立場などそっちのけで職員の労働条件の改善を求める組合結成を突きつけてきたのも、提灯持ちのこのおっさんだったなぁ。「Mr.PO」とウマが合うのも道理である。あっ、そうそう、また思い出してしまった。私が上記処分を受けたのは傍聴に来ていた震災被災者に向かって、この”提灯議員”の同僚(故人)が「さっさと帰れ」という暴言を吐いたことがきっかけだった。私がこの発言に抗議したのに対し、議員全員がこともあろうに逆に「増子発言調査委員会」なるものを立ち上げ、「スケープゴート」(生贄=いけにえ)を血祭りに上げるのにご執心だったっけ。本当にいろいろ、あったなぁ……

 

 

 

(写真は花巻市議会議場。左手前に車いす専用のボックスを用意するなど機能は十分だが、本来は聖なる場所であるはずの議場が今や、魑魅魍魎がばっこするお化け屋敷と化している=花巻市花城町で)

 

 

 

 

《追記ー1》~お~ぃ、そこのけ、そこのけ、提灯行列だ~ぃ!?

 

 「Mr.PO」(上田東一市長)の提灯持ち(走狗=そうく)と堕した感がある市議が率いる大量の“やらせ”集団が12日花巻市役所を訪れ、JR花巻駅の東西自由通路(橋上化)の早期整備を求める要望書を提出した。名を連ねたのは花巻中央、日居城野、花北、湯本、太田、矢沢、笹間、宮野目、花西の9地区のコミュニティ会議や地域振興会、区長会など。こうした要請活動はすでに15団体にのぼっており、岩手日報などの地元紙はその都度、写真付きで報じるなど、こちらもまるで当局側のPR紙の体たらくをさらけ出している(かつて、私自身が身を置いた新聞業界ではこのことを称して、ずばり”提灯記事”といい、こんな記事を書く奴は記者の風上にも置けないとバカにされたものである)。動員された地域のみなさん、いっそのこと、橋上化に反対する議員の「リコ-ル」(解職)運動でも起こしたらいかが。

 

 

 

《追記―2》~これじゃ、議会なんて不要に!?

 

 以下のようなメ-ルが花巻市民(市役所OBの元幹部)から送られてきた。大方の市民が同意する内容だと思うので、全文を転載させていただく。OB氏の指摘がその通りだとすれば、今回の要請文なるものはまさに”偽造文書”と疑われても致し方あるまい。

 

 

 団体名での要望ラッシュの様相を、体してます。前回(5月7日付当ブログ「追記」参照)の「手順を踏んで」は、以下の意味でした。団体を構成する方々は、市から任命されたり、地域からの選出だと、思います。地域で決議したんでしょうか?また、その様な事が、市や住民から任されてるんでしょうか?そうでないなら、大勢と誤解される団体名を使わず、個人名で要望されては、如何。こんな事が、続くのであれば、議会が不要になる、あるいは、市の事業毎に、住民投票が必要になるのかと、心配です。

 

 

《追記ー3》~ある現職市議のつぶやき

 

 「やることなすことが真逆なんですよね。地域からこれだけ要望があるから、橋上化を進めたいというのなら分かるけれど、(関連予算が)否決された後で実は地域要望がこれだけあるというのでは順序が逆。議会がなめられているんでしょうか。こんなことでは市民から見放されてしまう。エリをたださなければ…」

 

 

《追記―4》~ある現職市議の嘆き

 

 「その話を聞いた時、『そこまでやるのか』と耳を疑った。件(くだん)の議員は橋上化実現の要望書のひな型を区長やコミュニティ会議の会長など地域の有力者に持って回り、『よろしく』と頭を下げたという。詳しい内容を理解しないまま、形だけの役員会などを開き、提出を決めたというのが実態。市民の間にはこんな卑劣なやり方に不信感が強まっている」

 

 

《追記―5》~“墓穴”を掘る愚か者

 

 「議員の発言は、その発言の場が議場であるあるか否かを問わず、その発言に責任を持たなければならない。…所属する会派が自分の明言した内容と違う見解の場合、自分が明言したことを否定して会派の決定に従うかどうかである。会派としての見解が大事なのは理解する。しかし、議員としての発言にどう責任を持つかが問われるのではないだろうか」―。花巻駅橋上化をめぐる“やらせ”要請の主役と目される“提灯議員”が自らの市政ニュ-ス(5月5日~12日合併号)の中で、こんな“自己弁明”をしている。

 

 当り前じゃないか。「この規程において『会派』とは、議会活動を行うため、同一理念を有する政策集団であって…」(「花巻市議会会派に関する規程」第2条)とあるように、会派とは党派による「政治集団」ではなく、あくまでも考え方の近い仲間の集まりであり、当然のことながら、いわゆる「党議拘束」などはあり得ない。問われているのはあなたがいみじくも言うように、あなた自身の議員としての「政治責任」なのである。「Mr.PO」(上田東一市長)の後援会事務局長の兼任は自治体議会の最高規範「二元代表制」を足蹴にする行為ではないのか。なかんずく、議員としての立場を利用して要請活動をそそのかすという破廉恥(はれんち)は最低限のモラルさえ、逸脱しているのではないのか。この時点であなたにはもはや議員としての資格はないのである。いさぎよく、議員の職を辞しなさい。こんな人物に言い寄られたトップに同情したくもなる。でも、もしかしたら、その逆だったりして!?

 

 

《追記―6》~迷走する監査委員の”質問権”

 

 議員在職当時、一年間に一回も質問に立たない議員がいた。「議員の生命線でもある一般質問をあなたは何故、行使しないのですか」と尋ねると、その議員はこう答えた。「市の監査委員を兼務しているので、その立場上…」。議員のミッションの真っ先に挙げられるべき「質問権」の放棄に私は一瞬、絶句したことを覚えている。花巻市監査委員条例などによると、監査委員の位置づけはこうなる(HPより)

 

 「監査委員は、市長から独立した地位を認められた、地方自治法で定める執行機関の一つです。監査委員は、識見を有する者及び議員のうちから、議会の同意を得て、市長が選任します。監査委員は、地方公共団体の事務執行の正否や適否をチェックし、住民や議会等が正しく評価できる情報を提供します。そのため、監査委員は市長の指揮監督から職務上独立し、常に公正不偏の態度を保持して監査を実施します」

 

 現在の議会選出の委員は“提灯議員”の同僚、つまり会派「平和環境社民クラブ」(社民党系)に身を置く古参議員である。任期は平成30年8月9日から任期満了の令和4年まで。前記の無質問議員と違って、堂々と一般質問に登壇している。問題は議員と監査委員との兼務が妥当かどうか。二元代表制の下、現職議員が当局の執行機関である「監査委員」を兼務することの是非についての議論はついぞ、聞いたことがない。現に地方自治法第196条第1項はこう定めている。「ただし、条例で議員のうちから監査委員を選任しないことができる」