「あのぅ、小原氏…長(市長)にぜひお願いしたい」―。一瞬、発言者の顔を見上げた。当人は頭をかきかき、「つい、口が滑ってしまって…」。でも、その表情は“破顔一笑”に満ちている。次期花巻市長選の告示まであと1か月―3選を目指す上田東一市長と前市議会議長の小原雅道氏による一騎打ちの公算が強まる中、師走選挙はまさに厳寒を吹き飛ばすかのような熱い戦いになっている。そんな中、冒頭なような“椿事”も巻き起こって、だから選挙は面白い。
小原陣営の小集会はもう、40回以上。“選挙好き”の常連も多く、その発言内容の微妙な変化も見逃せない。上田市長が打ち出したJR花巻駅の橋上化構想に以前の集会ではもろ手を挙げて賛成していたお年寄りがこの日は打って変わって、まさに“七変化(へんげ)”のおもむき。「現職はあいつさすらちゃんとできない。ある会合に参加した時、頭を下げるでもなく、目の前を胸をそって通り過ぎて行った。アッ、思い出した。現職がこの近くで選挙演説をした際、前列に幼稚園児をずらりと並ばせていた。信じられないよな」
隣室から大きな拍手が聞こえてきた。後援会青年部の若者たちで、その数ざっと20人。「冬場の選挙はおれたち若者パワ-に任せて…」と助っ人にかけつけた。冬の日没は早い。とっぷりと暮れた闇の中で、この一角だけは熱気でムンムン。「今度の選挙は〝頭“(上田)と“心”(小原)の対決。政治に必要なのはもちろん、心だよね。パワハラはもう、こりごり」―。現職の“パワハラ”疑惑が渦巻く中での選挙戦…90歳の老婦人がつぶやいたひと言が何となく真に迫ってくるように思った。帰路、現職の選挙事務所の前を通りすぎると、中は真っ暗闇。「戦いすんで、日が暮れて」(佐藤愛子著)。ちなみに、花巻地方の最近の日没時間は午後4時半前後。
(写真は小原候補を囲んで、雄叫びを上げる青年部の面々(12月15日午後8時すぎ。花巻市下小舟渡の後援会事務所で)
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