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花巻市長選告示…ドキュメント「まさみちが往(い)く」~選挙戦6日目

  • 花巻市長選告示…ドキュメント「まさみちが往(い)く」~選挙戦6日目

 

8:25~花巻市内でもコロナ禍が拡大しつつある。そんな中での選挙戦。新しい市長には未来に向けた文明論的な思索も求められる。6日目の“街宣”スタ-ト

 

8:53~開店前のス-パ-の前。聴衆はおじいさんがひとり。しかし、まさみちさんは語りけるようにマイクを握る。「行政を進めるうえで欠かせないのは、車のエンジンともいえる職員たちです」。本日第1号のグ-タッチも

 

9:43~焼き肉店の前で地元紙記者が密着取材。「勢いがありますね」という言葉に意を強くするも「油断は禁物」と言い聞かせる

 

9:53~先を急ぐ女性が車中で「ウンウン」とうなづきながら、通り過ぎる。応援の手法もだんだん、多彩になってきた

 

10:27~大型ス-パ-の駐車場。新花巻駅の開業をテ-マにした映画「ネクタイを締めた百姓一揆」に、まさみちさんは公務員役で出演している。「あれっ、小原さん?」とひとりの女性が近づいてきた。同じ映画にチョイ役で出たのだという。元“俳優”同士の劇的な再会。「少し、痩せたんじゃない。ご飯をちゃんと食べてる?とにかくトップになってくださいね」

 

11:38~花巻駅東口。現市政が計画する駅橋上化によって、東北駅百選にも選ばれている現駅舎は撤去されることになっている。「こんなことが許されますか」とまさみちさん。ふと見上げると、駅前のホテルの上階から万歳「メッセ-ジ」を送る人影が…

 

12:18~フェアトレードの店を経営する知人の女性店主が客の手を引っ張って、飛び出してきた。自分の機関紙に応援メッセージを載せてくれたのが縁。「勝利以外にない。ガッツポ-ズの記念写真を撮って…」。ハイ、ポ-ズ。パチリ。まさみちさんを真ん中にみんな破顔一笑

 

14:32~北上街道とも呼ばれる一角。昨年12月、当市の人口が北上市に抜かれて第5位に転落したことについて、まさみちさんは「今回の出来事」と表現した。キオシクア効果が顕著は隣市との友好連携への意欲がみなぎった

 

14:59~ブ-、ブ-という音に振り向いてみると、車の窓を開けて手を振っている。ついに新手の「クラクション」応援も登場した

 

15:57~道路をはさんだ郵便局の前で、局長さんが腕を丸めて「OK」マ-ク。こっち側では通りがかりの女性が「娘が小原さんと高校の同級生だって」「えっ、お名前は?」―。お年寄りも加わり、しばしの路上歓談に花が咲いた

 

16:51~生協など大型店が軒を並べる「きらきらモ-ル」の駐車場。身じろぎもしないで聞き入る女性がいる。「きらきらと輝く、夢のようなまちをつくってほしい」―。弁舌が終わった後も拍手を送り続けた

 

17:16~信金支店前。体が凍りつきそうな寒さ。「こんな真冬の選挙なんて一体、だれが決めたのか。まさみちさん、次からは春か秋の選挙にしてくれんかな」とひとり毒づく。選挙戦はあと1日―

 

 

 

 

(写真は雪の花が咲く高台での出会い。深々と頭を下げるまさみちさんと笑顔で迎える住民。こんなさわやかな光景を見たのは実に久しぶり=12月20日、東和町内で)

 

 

 

 

花巻市長選告示…ドキュメント「まさみちが往(い)く」~選挙戦5日目(大寒選挙の風景)

  • 花巻市長選告示…ドキュメント「まさみちが往(い)く」~選挙戦5日目(大寒選挙の風景)

 

 大寒入りした20日2時半すぎ、霊峰・早池峰山(大迫町)のふもとは突然の猛吹雪に見舞われていた。マイクを握るまさみちさんの頭はあっという間に“雪頭巾”になり、集まった約30人の支援者たちも屋根付きの建物の下に緊急避難。「ユネスコ文化遺産の神楽も元を正せば、自然への畏敬(いけい)から生まれた。この財産を地域再生のいしずえに」とまさみちさんが力説すると、全員が「ガンバロ-」の雄叫びを上げた。

 

 この日の“街宣”がスタ-トした直後の午前9時すぎ、石鳥谷八幡地内の農道で雪の中に脱輪している車を発見。2日前に続く2回目の救出作戦が始まった。まさみちさんを先頭に全員がダッシュ。スコップで雪をかきだし、みんなで押せども今回は脱出に失敗。「先があるので…」と言ったのは実は当方の口ではなく、相手だった。「スケジュ-ルが詰まっていると思う。選挙、がんばってください」と逆に激励された。

 

 体の芯が冷え切った。“救いの神”はこんな時を見計らったように現れるものである。「これもっていげ。熱いがらやけどするなよ」と近くの農家の夫婦がほっかほかの焼き芋を差し入れてくれた。「まで、沖縄にも出荷している自慢のコシヒカリだ。うめぞ」と今度は米袋を担いできた。まさみちさんも「あったかいご飯をいただきます」と選車のトランクに積み込んだ。「大寒」から逆襲を、いや恩恵を受けた若者がいた。

 

 「選挙運動って、こんなに厳しいものだとは想像できなかった」と立花悠さん(28)。花巻市内でタクシ-の運転手をしている。「若い世代の話にも耳を傾けるという候補者に共鳴した。でも、腕が凍りそうで…」―。ドア全開の先導車に初乗りした立花さんは今度はグ-タッチ攻勢にびっくり。「選挙って、人の心も動かすんですね。この一帯を“グ-タッチ”街道と名づけたいですね。22日の最終日まで年休を取って参加します」とニッコリ。

 

 

 

(写真はもうちょっとで、雪だるまになりそうなまさみちさん=12月20日午後、大迫町の大迫振興センタ-前で)

 

 

 

《追記》~選挙応援デビューを飾った立花さん(コメント欄に写真)

 

 

花巻市長選告示…ドキュメント「まさみちが往(い)く」~選挙選4日目

  • 花巻市長選告示…ドキュメント「まさみちが往(い)く」~選挙選4日目

 

8:30~「センセイ、センセイ」と呼ぶ声。障がい者施設の園長時代、入所者のひとりだった「まきちゃん」。お母さんも顔を出し、がっちり握手。「障がいのある方が笑顔いっぱいのまちをつくります」とまさみちさん

 

9:25~昨日とは打って変わっての晴天。しかし、この日中でも気温は零下12度。地元の東和町に近づくにつれ、熱気が伝わってきた。沿道を埋めた住民はざっと、50人。白雪に照らされて、みんなの目もキラキラと輝いている。まさみちさんも気合十分。さぁ、行け「まさみち号」

 

10:14:~田瀬地区で街宣。「ここで初めて口にしますが、父は寝ても覚めても田瀬ダムの行く末を気にしていました」とまさみちさん。十数人の住民は“父親秘話”に身を乗り出して、聞き入った

 

10:25~まるで、墨絵のような雪景色、雪布団をかぶった棚田もまた、格別。「昔、このあたりには“隠し田”がたくさんあった。年貢を免れるための百姓の知恵。山からの水も豊富だったから」―車中のこんな会話も楽しみのひとつ

 

11:02~下浮田地区の田園地帯。雪原のてっぺんで、頬かぶりしたおばあちゃんが雪かきの手を休めて両手でバンザイ。辛口評定で知られる運転手さんが自信たっぷりに言った。「いまの瞬間で決まった。(投開票日の)23日はハッピ-デ-になる」

 

11:16~走る、走る。まさみちさんと支持者とが“脱兎”のごとく走る。長い耳同士の二兎ががっちりとグ-タッチ。さぁ、ゴ-ルはもう、目の前

 

11:37~大リーグの菊池雄星投手の伯父さんが除雪機の運転を止めて、待ち構えていた。「いやぁ、こっちこそ、雄星さんから勇気をと元気をもらったんです」とまさみちさん。行政区長を務めるおじさんはただただ、ニコニコ笑っているだけ

 

11:54~高台で雪かきシャベルをグルグル回しての応援メッセ-ジ。四囲から「まさみち」コールが聞こえてくるな、そんな気分に…

 

12:46~「おめさんが38歳で議員になった時から、ずっと見てきた。市長に出ると言った時は正直、びっくりした。んだども、おめさんの偉ぶらないところが、オラは好きだ」―。支援者のこの言葉に今度はウグイスさんが感激、マイクの声が涙声に…

 

14:41~スーパーなど大型店舗が立ち並ぶ高台からの大音声。眼下には買い物客の車がずらり。響け、広がれ、どこまでも!寒風に向かって、みんなで叫ぶ

 

15:13~花南地区を遊説中、沿道のあちこちからグ-タッチを求める手招きが…。この作法はコロナ禍がもたらした数少ない恩恵なのかもしれない。一目散に駆け寄るまさみちさんを見ながら、「選挙とは実に健康増進のための運動なのだな」と別のことを考えていた

 

15:46~富士大の真ん前。女子学生ふたりが構内から出てきたが、ちらっと眺めながら、通り過ぎた。無関心のなせるわざかとがっかりしたが、「皆さんの大学との連携を強めたい」とまさみちさんが口にしたとたん、あちこちの窓から手を振る姿が。ホッとして、「必ず、投票に行ってくれよ」と思わず、叫んでしまった

 

16:16~賢治教育に力を入れている南城小学校の下校隊列に遭遇。きちんと挨拶をして、「ガンバって」の大合唱。さすが…

 

 

 

(写真はウグイスさんと雪道を走るまさみちさん。昨日、スッテンコロリンしたので、この日は滑り止めのついた長靴に=12月19日午前、東和町内で)

 

 

 

 

《追記》~「いやぁ、勇気と元気をもらったのは、こっちの方で方です」(コメント欄に写真)

 

 大リーガ-、菊池雄星投手の伯父さんと親しげに言葉を交わすまさみちさん。左が行政区長を務める伯父の佐々木雄幸さん(84)=1月19日午前、東和町内で

 

 

花巻市長選告示…ドキュメント「まさみちが往(い)く」~選挙戦3日目(雪中選挙の風景)

  • 花巻市長選告示…ドキュメント「まさみちが往(い)く」~選挙戦3日目(雪中選挙の風景)

 

 猛吹雪に見舞われた18日夕、花巻市の西南地区で一台の軽乗用車が路肩の雪だまりに突っ込み、動けなくなっている場面に遭遇した。次期市長選の立候補者、小原雅道氏(61)がすかさず選車を飛び出すと、4人のウグイス嬢と運転手さんがこれに続いた。振り向きざまに事態の急変に気がついた先導車の私を含めたSNS班(広報担当)3人が雪道に足を取られながら、現場へ。陣頭指揮をとる「トップ」がそこにいた。

 

 「スコップ、スコップ。シャベルでもいいぞ」…。トップこと「まさみち」さん自らが雪に埋まった前輪周辺の雪をかきだしている。「それ、押せ、もっともっと」。総がかりで重心をかけると、車体が少しづつ動き始めた。「最後の運転はオレにまかせろ」とまさみちさん。選挙のタスキがけのまま、運転席に乗り込むとす~っと、車体が動き出して脱出に成功。「自力で脱出したぞ-」と得意満面の当事者のかたわらで、お年寄りがしきりに頭を下げている。近所の住む84歳の男性で、「買い物に行く途中、急にハンドルを取られた。選挙、がんばってください」―

 

 「見て見ぬふりはできないという性格。悩み事にはもう一直線」―。(後援会便り「まさみち通信」第2号)の中で、妻の智香子さんはこう語っている。まさに、そうだった。もう”脱兎“のごとくに一直線…。雪帽子をかぶりながら、目の前のこの男は首長になるための?予行演習”をしているのではないかと、心底、そんな気持ちにさせられた。

 

 「子どもたちには夢を 若者には希望を お年寄りには安心を」、「誰ひとり取り残さない!優しさを後回しにしない!」(リーフレットから)―。それにしても、”公約”を前倒しして実行するなんて、まさみちさん、ちょっと格好良すぎじゃありません。こうなったら、一日も早く「小原市長」の雄姿を見たくなるのが人情というものである。

 

 

 

(写真は雪に埋まった車輪の雪をかきだす「まさみち」さん=12月18日、午後4時半すぎ、花巻市の西南地区で)

 

 

 

《追記》~コメント欄に脱出行の組み写真を掲載

花巻市長選告示…ドキュメント「まさみちが往(い)く」~選挙戦2日目

  • 花巻市長選告示…ドキュメント「まさみちが往(い)く」~選挙戦2日目

 

8:14~選挙選2日目の第一声は食品加工場の敷地内。従業員を前に地元企業の底上げについて、「となりの北上市に人口が抜かれ、県内5位に転落した。でも、私は悲観していない。お互いの長所を生かし、“仲良し連合”を築いていきたい」。近くの工業団地内では出勤途中の従業員たちが窓を開けて、手を振る姿が…

 

8:48~看板屋さんの前で、二人の男性がいまや遅しと待ち構えていた。奥の玄関から父親らしい男性がよろけながら出てきた。同乗の後援会幹部の知り合い。「頼むじゃ、な」

 

9:22~まさみちさんの神出鬼没ぶりは相変わらず、健在。支援者の会社の駐車場に空きがあるのを見つけると、「ちょっと、止めて」。マイクを握ったとたん、女子従業員たちの黄色い声援。思わず、ほっこり

 

9:51~開店直後のス-パ-。買い物に訪れた中年の女性が車を降りて、駆け寄った。「(駅橋上化に)38億円もかける意味はあるのか」。身をかがめながら、訴えに耳を傾けるまさみちさん、近くに住む子どもも加わっての談笑のひと時。「聞く人」の面目躍如

 

10:00~住宅街の一角―。上の方から「がんばれ」の声。見上げると、雪下ろしの男性二人組

 

10:29~街角のコンビニの駐車場を拝借しての決意表明。ふと気が付くと「恵方巻」ののぼりがヒラヒラ。なんとも縁起が良いこと、コンビニさん、ありがとう

 

10:41~事務所近くのス-パ-前で街宣。先導車に同乗した(市議の伊藤)盛幸さんが絶叫型の応援演説。思わず、「聞こえますか」と事務所にラインメ-ル。「聞こえましたよ」と即返信

 

11:23~まさみちさん旧知の自動車工場の経営者とばったり。長年、市の防災委員として貢献。「オラも歳だがら、早く市長になって市政功労で表彰してくれや」と破顔一笑。まさみちさんもつられて、ガッツポ-ズ

 

11:43~久しぶりの晴天に恵まれ、キラキラと輝く雪原が目にまぶしい。留守番役のお年寄りたちが遊説の声を聞きつけて、あちこちで手を振っている。脱兎のごとくに駆け寄るまさみちさん。日に日に足が速くなってきた

 

12:45~午後最初の街宣は保育園の近く。先導車で向かうと、「いまはお昼寝タイムだから、ダメ」とウグイス嬢。さすが、子育て経験が豊かなベテラン

 

14:10~シルバ-人材センタ-近くで街宣中、職員3人が建物から飛び出してきた。突然の街宣を怒られると思いきや、「理事長と専務が不在で、ご挨拶ができなくって…。頑張ってください」。女子高校前を通過中、今度は「がんばって」という黄色い声援が校舎の一角から。「清き一票をよろしく」と大声で返答

 

15:17~旧花巻市の中心市街地のど真ん中。老舗書店「誠山房」があった場所にはいま、3・11の被災者が住む災害公営住宅が建っている。コンビニが負担すべき共益費を被災者に肩代わりさせていたという不祥事は記憶に新しい。この一帯には現市政の“負の遺産”が集中している。「住民参加の市政を」―。まさみちさんの弁舌に一段と力が入った

 

15:34~スーパーの買い物客にねらいを定めた街宣中、遺族会の地区会長を務めているという老人が帽子を脱いで近づいてきた。「終戦の日はいつも心のこもったご挨拶をいただきありがとうございました。今度は必ず、市長さんになって、花巻を変えてください。あなたにはそれができる」―。まさみちさんも最敬礼で頭を下げた

 

17:00~この日の街宣先導は終わり。地球から最も遠くに見える満月(ウルフムーン)が中天の夜空にポッカリと浮かんでいる(実際は1月18日)。「幸福」を問い直す日に当たるのだという。そう、「本当の幸せ」を選択する運命の日が5日後に迫っている

 

 

 

 

(写真はスーパ-を訪れた女性の訴えに耳を傾ける「聞く耳」を持つまさみちさん=12月18日午前、花巻市内のス-パ-で)

 

 

 

《追記》~“脱兎”(だっと)のごとく(コメント欄に写真)

 

 「始めは処女のごとく、後は脱兎のごとく」(孫氏の兵法)―。遠くで手を振るお年寄りを見つけてはすぐに駆けつけるまさみちさん。その姿を目で追っているうちに、この言葉を思い出した。そういえば、兔は耳も長い。「聞く耳」をもつまさみちさんにぴったり。