旅先で久しぶりに市のHP(12月27日付)をのぞいたら、花巻市議会「議会改革推進会議」(委員長、高橋修議員=明和会)」による「議会基本条例」(平成22年6月制定)の検証報告書が掲載されていた。この中で第12条の「(閉会中の)文書での質問」については「これまで実施した例はないが、議会の権利として、この条文は残しておくものとする」と仰々しく書かれていた。冗談じゃない。現職市議時代、私はいまに尾を引く「新興製作所」跡地問題に関し、「文書での質問」をした当事者だったからである。
さっそく、藤原伸議長に経緯の説明を求めところ、「事実関係を精査し、訂正を含めて対応したい」という回答を得た。いまなお、瓦礫(がれき)が放置されたままになっているこの「跡地」問題こそが上田(東一)市政の“負の原点”とも言われている。なのに、議員としての重要な権利行使のひとつであるこの「文書での質問」についてはいつの間にか「なかった」ことに。かけ声倒れで名ばかりの“改革”の実態が透けて見えるではないか。
ちなみに、委員長の高橋議員は新花巻図書館の立地問題で、候補地のひとつである「花巻病院」跡地へのネガティブキャンペーンの旗振り役の当事者である(12月1日付当ブログ参照)。「駅前」立地を第1候補に挙げる当局側への”忖度”ぶりは目をおおうばかりである。つけ加えると、件(くだん)の議員は議会改革のかなめでもある「議員報酬調査検討特別委員会」の委員長も兼ねている。
以下に後学議員の参考に供するため、当時の質問内容をそのまま転載する。2014(平成26)年12月22日付で、当時の議長宛てに提出。同日付で上田市長へ送付され、同月26日が回答期限と決まった。その年の12月定例会が4日前に閉会したための緊急措置だった。市民運動にまで発展した「文書での質問」だっただけに、その重要性は今なお変わるところはない。逆に、その不行使を恬(てん)として恥じない現職議員には絶望すら覚える。この際、高橋議員には二つの委員長の肩書を潔(いさぎよ)く、返上すべきだと進言しておく。
《文 書 質 問》
旧新興製作所跡地の民間への「売却」計画に関し、花巻市議会基本条例第12条(文書での質問)1項の規定に基づき、川村伸浩議長を経由して下記の事項について質問します。重要かつ緊急な事案と考えますので、同条2項の規定に従い、質問事項と回答内容を早急に市ホ-ムペ-ジ上で公開することを求めます。今回の計画については市民の間でも大きな関心を呼んでおり、よって市民の負託を受けている議員として、議会基本条例に基づいた権利を行使するものです。
記
1、旧新興製作所跡地は花巻城址に位置し、戦前までは「東公園」として親しまれてきた歴史的にも由緒ある土地である。さらに当該土地は「立地適正化計画による都市再構築」(案)で示された「事業実施の想定範囲」に含まれており、中心市街地の活性化とも密接不可分の関係にある。こうした関わりの中で、今回の「売却」計画をどう認識しているか。
2、「公有地の拡大の推進に関する法律」(公拡法)は第4条第1項で「当該土地を有償で譲り渡そうとするときは、当該土地の所在及び面積、当該土地の譲渡予定価額、当該土地を譲り渡そうとする相手方その他主務省令で定める事項を、…当該土地が市の区域内に所在する場合にあっては当該市の長に届け出なければならない」と規定している。今回の譲渡予定価額並びに譲渡の相手先を明らかにしてほしい。
3、旧社屋を含めた当該土地を「公共用地」として取得する意思はあるか。
(写真は花巻市議会議場。この神聖な空間で一体、何が起きているのか=インターネット上に公開の写真から)
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