ふるさと納税に関連し、10月11日付で花巻市の上田東一市長に対し「公開質問状」を提出していたが、応答を求めた11月21日(閉庁時)までに回答はなかった。これにより、当方としては上田市政が“ダブルスタンダード”(二重基準)という手法を自ら容認したものと解釈することにする。いわば、“二枚舌”とも呼べるこの論法は図書館論議における高齢者“排除”発言(17日付当ブログ参照)にも通じるものがある。なお、本日現在、宣伝文に変更はない。公開質問状に関するこれまでの経過を以下に再掲する。
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「ダブルスタンダードは行政運営上、絶対に許されない禁じ手ではないのか」―。イーハトーブ花巻応援寄付金(ふるさと納税)の総額が90億円(令和5年度)を超え、全国自治体で第13位にランクされた当市で、見方によっては“虚偽宣伝”とも受け取られかねない事態が起きている。その実態については当ブログでその都度、明らかにしてきたが、肝心の行政サイドは見て見ぬふりの体(てい)である。そこで直接、上田東一市長にその胸の内を問いただすため、11日付で以下のような公開質問状を提出した。回答があり次第、公開する。
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花巻市長 上田 東一 様
2024年10月11日
花巻市桜町3-57-11
増子 義久
公 開 質 問 状
―ふるさとチョイスの宣伝広告について
貴殿は市内御田屋町に現存する旧菊池捍邸が賢治寓話『黒ぶだう』の舞台だとする、いわゆる「モデル説」に関連し、令和5年3月の定例記者会見でこう述べています。「宮沢賢治の寓話『黒ぶだう』の舞台になったということを仰(おっしゃ)る方もいますが、それが正しいかどうか分かりません」。その一方で、イーハトーブ花巻応援寄付金(ふるさと納税)の返礼品のひとつである「花巻黒ぶだう牛」の宣伝広告には以下のように記されています。
●「花巻黒ぶだう牛」は、花巻が世界に誇る株式会社エーデルワインが製造するワインのぶどうの搾りかすを飼料として給与しており、さらりとした脂と豊かな風味が特徴です。花巻出身の詩人で童話作家の宮沢賢治の寓話(ぐうわ)「黒ぶだう」で仔牛がぶどうを食べる描写があることから名づけられた、花巻ならではの「ブランド牛」です。
●寓話「黒ぶだう」は、花巻市御田屋町の旧菊池捍邸が舞台とされ、赤狐に誘われた仔牛が、留守の人間の別荘に入り込み勝手に「黒ぶだう」を食べていたところに住人の公爵一行が帰宅し、逃げ遅れた仔牛は見つかってしまいますが、怒られもせず、逆に黄色いリボンを結んでもらうというものです。物語の中で、赤狐はぶだうの汁ばかり吸って他は全部吐き出しますが、仔牛は「うん、大へんおいしいよ」と種まで噛み砕いて食べてしまいます。賢治は当時すでに、ぶどうの搾りかす(皮と種)が家畜の餌として使えることに気づいていたのかもしれません(2024年10月11日現在の市HP「ふるさとチョイス」から)
以上の観点から次の諸点について、見解を伺います。選挙をはさんだ多忙な時期に重なりますが、11月21日までに文書(メール可)での回答をお願いします。
1)モデル説に疑義を呈するようになった根拠はどこにあるのか。その一方で、返礼品の宣伝広告では逆にそのモデル説を強調しているのはなぜか。「ダブルスタンダード(二重基準)」は行政運営の基本原則に反する行為だと言われる。この間の経緯を納税者も納得できるように説明願いたい。
2)モデル説について、当方(増子)が提唱者に問いただしたところ、「賢治と旧菊池捍邸や本人を結び付ける接点は最後まで見つからなかった。モデル説だけがひとり歩きしてしまった」として事実上、自説を撤回した。ふるさと納税に財源の多くを依存している行政としても、提唱者本人に真意を確かめた上で、今後の対応を再考すべきではないか。
(写真は議会答弁に立つ上田市長=花巻市議会議場で)
《追記》~新図書館の「病院跡地」への立地署名が1万人超え!!??
「花巻病院跡地へ新図書館をつくる署名実行委員会」(瀧成子代表)の最終署名数が10,343筆にのぼったことが分かった。三つの市民団体でつくる実行委員会は昨年秋から全国署名を展開していた。一方、17日に開催された「対話型市民会議」の構成員75人(1人が辞退したため、実質74人)は無作為抽出した15歳以上の3,500人の中から参加を希望した市民が選ばれた。全人口比(90,102人=10月31日現在)は前者が8・7%、後者が1・2%とその差は歴然としている。
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