「39・9億円(駅前)VS36・3億円(病院跡地)」―。新花巻図書館の立地候補地の「比較調査」ではじき出された概算事業費とにらめっこしているうちにハタと心づいた。法律上は安い方に建てるのが筋ではないか、と。コンプライアンス(法令遵守)の重視を口癖のように言い募る上田東一市長としてはなおさらのこと。この調査に要する委託費用約1800万円は昨年12月定例会で賛成18対反対の賛成多数で可決された。駅前立地に係る事業費の中には新規取得の土地代など新たな税金の投入も算入されている。こうした予算などの執行などを定めた法律が「地方財政法」である。こう規定されている。
「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」(第4条)、「地方公共団体の収入は、適実且つ厳正に、これを確保しなければならない」(第4条2項)―。さらに、もうひとつの基本法である「地方自治法」にはこんな定めもある。「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」(第2条第14項)
一方、今月8日に開催された議員説明会では病院跡地に隣接して、土砂災害警戒区域などの「災害リスク」が存在するという理由で、こうした原則を無視した発言が一部会派から相次いだ。駅前立地を第一候補に掲げているのは他ならぬ市当局である。議員たるもの、基本法を度外視した軽率な発言は厳に慎むべきあろう。12月定例会での真摯な議論に期待したい。さらには17日から始まる「対話型市民会議」の場での丁寧な説明を求めたい。
(写真は11月15日号「広報はなまき」に掲載された病院跡地の「土地利用計画図」。「比較調査」報告書の原本では5色で色分けされていたが、どうしたわけか文字表記だけに。10日付当ブログのコメント欄の計画図を参照)
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