「これはもう、信用できるかどうかの問題だと思う。どうか、信用していただきたい」、「まったく、信用しております。これまで何回聞いてもストンと落ちないから、質問しているんです」(令和5年12月4日)ー。花巻市議会12月定例会の一般質問で、「信用するしない」をめぐっての珍論争が繰り広げられた。政策論争ならいざ知らず、二元代表制の双方が互いに不信感をぶつけ合う光景に「図書館」問題の根深い対立の構図を見せつけられた思いがした。
「今回の事業費比較の資料を見ると、まるで駅前立地に踏み込んだ、その整備を前提とした調査のように受け止められかねない。例えば現況整理とあるが、今さら何を整理するのか。まず、立地場所を決めてから詳細な調査をやるべきではないか。高校生を含む若者世代が駅前立地を希望しているというが、だとするなら例えば、きちんとした数値の裏付けがある科学的な根拠を示すべきだ」―。質問に立った伊藤盛幸議員(緑の風)は一見、公平性が担保されているように見える「比較」調査の意図に疑念を抱いているようだった。私もそう感じた。
上田東一市長は色をなして、猛然と反論した。「(議員が)どうして勘違いしてるのかまったく、理解できない。分からない。今回は駅前だけでなく、病院跡地も同時にやることになっている。比較調査することのどこが悪いのか」―。身振り手振りの過剰反応に私は逆に「本音」がポトリとこぼれ落ちたなと思った。そして、新しい年を迎えた今月15日、指名業者11社による「指名競争」入札が行われた。大日本ダイヤコンサルタント(株)盛岡事務所が落札し、12,518千円で契約したことについてはすでに触れた(22日付当ブログ参照)
HP上に公開された入札情報によると、発注者の市側が設定した上限の「予定価格」(税抜き)は14,270千円で、下限の「最低制限価格」(同)は11,338,900円。この価格設定の枠内で、最低制限価格に一番近い額で落札した業者が契約者となる仕組みになっている。3社が入札参加を辞退したため、残り8社による応札が行われた結果、予定価格超過などで失格した2社を除いた6社による競争になった。大日本ダイヤコンサルタントの落札額は「11,380千円」(落札率79・7%)で、最低制限価格との差額は「41,100円」。一番低いこの入札額で落札が決まった。一方、残り5社の差額は約172万円(落札率91・5%)から約270万円(同98・3%)と最低制限価格と大きな開きがあった。
今回の比較調査の業務委託については、昨年12月の市議会定例会で、17,996千円が予算を計上されており、今回の予定価格(税込み)と2,299千円の差が生じている。落札した大日本ダイヤコンサルタントが「JRTT鉄道・運輸機構」の有資格業者であることも絡み、ナゾは深まるばかりである。
(写真は新図書館の立地場所として、市が第1候補地に挙げるスポーツ用品店用地。鉄道線路と背中合わせの位置にある=花巻市大通り1丁目で)
<署名延長のお知らせ>
新花巻図書館の旧病院跡地への立地を求める署名運動は全国の皆さまのご協力により、4,730筆という予想以上の賛同をいただくことができました。支援者の一人として、感謝申し上げます。行政側の動向が不透明な中、主催団体の「花巻病院跡地に新図書館をつくる署名実行委員会」(代表 瀧成子)は引き続き、全国規模の署名運動を続けることにしました。締め切りは2024(令和6)年1月末必着。送付先は:〒025-0084岩手県花巻市桜町2丁目187-1署名実行委員会宛て。問い合わせ先は:080-1883-7656(向小路まちライブラリー、四戸)、0198―22-7291(おいものせなか)
署名用紙のダウンロードは、こちらから。 「全国署名を全国に広げます!~これまでの経過説明」はこちらから。署名実行委員会の活動報告などは「おいものブログ」(新田文子さん)の以下のURLからどうぞ。
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