「駅前か病院跡地か」―。新花巻図書館の建設場所の比較調査業務の内容について、上田東一市長は20日開催の記者会見で概要を説明した。この件については先月24日、1年2か月ぶりに開催された「新花巻図書館整備基本計画試案検討会議」で初めて公表され、約9カ月をかけて、二つの候補地の事業費などの比較を外部のコンサルタントに委託することが明らかにされた。これを受け、花巻市議会12月定例会は賛成多数で約1,800万円の予算を可決した。この日、配布された会見資料(HP上に公開)を見て、オヤっと思った。検討会議で配布された資料との微妙な異同に気が付いたからである。なお、今月7日に開かれた議員説明会で示されたのも会見資料と同じ内容だった。以下に原文を紹介する。
<記者会見用>
①建設候補地の現況整理
②新花巻図書館整備基本計画試案の機能検討
③駐車必要台数の検討
④建設候補地全体の土地利用計画図素案の検討
⑤イメージ図の作成(外観及び内観)
⑥図書館整備事業費等を建設候補地ごとに作成
<検討会議用>
①建設候補地の現況整理
②新花巻図書館整備基本計画(試案)の検証(機能別規模、諸室配置相関図作成)
③駐車必要台数の検討
④土地利用計画案(ゾーニングプラン)の作成
⑤建設整備プラン図案を作成し、必要な面積の概算整理
⑥図書館整備事業費等を建設候補地別に作成し、比較資料作成
⑦建物外観及び建設内部のレイアウトイメージ図の作成
当初の公表時から1項目(⑤)少なくなっているのがちょっと気になるが、表現の訂正や簡略化のためなのだろうと思い、あえて詮索はしない。ただ、図書館問題をめぐる“迷走”の原因はこんなところにも見て取れるということである。
会見資料にはこんな記述もあった。「業者の選定にあたっては、一般財団法人日本建設情報センターが運営する『業務実績情報システム(テクリス)』に登録される図書館などの公共施設の基本計画策定業務に豊富な実績を有するコンサルタント、概ね実績上位10社程度による入札を予定している」ー。なぜ、これほどまでに「駅前立地」にこだわるのか。首を長くして、9か月先の調査結果の報告を待つことにしようと思う。なぞ解きのカギがそこに隠されているような気がするからである。
(写真は身振り手振りで「駅前立地」の正当性を力説する上田市長=花巻市議会12月定例会で。議会中継の画面から)
<署名延長のお知らせ>
新花巻図書館の旧病院跡地への立地を求める署名運動は全国の皆さまのご協力により、4,730筆という予想以上の賛同をいただくことができました。支援者の一人として、感謝申し上げます。行政側の動向が不透明な中、主催団体の「花巻病院跡地に新図書館をつくる署名実行委員会」(代表 瀧成子)は引き続き、全国規模の署名運動を続けることにしました。締め切りは2024(令和6)年1月末必着。送付先は:〒025-0084岩手県花巻市桜町2丁目187-1署名実行委員会宛て。問い合わせ先は:080-1883-7656(向小路まちライブラリー、四戸)、0198―22-7291(おいものせなか)
署名用紙のダウンロードは、こちらから。 「全国署名を全国に広げます!~これまでの経過説明」はこちらから。署名実行委員会の活動報告などは「おいものブログ」(新田文子さん)の以下のURLからどうぞ。
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