「イ-ハト-ヴ愚民」(笑いマ-ク付き)を名乗る人物から14日、「まぁ読んでみろよ」という一言とともに長文の文章がパソコンのコメント欄に届いた。新花巻図書館の立地場所をめぐり、市側が主張する「JR花巻駅前」に賛成する立場の内容で、両論が議論を尽くし合うという観点からは貴重な資料提供と言える。個人的な見解は除き、総論部分を以下に転載する。今回も“覆面”投稿だったのは残念であるが、私はいつでも「聞く耳」だけは開いているつもりである。今後とも、できれば“素顔”での意見開陳を願いたい。「民主主義国」ニッポンーその理想郷・イーハトーブに住まう隣人として…
感想をひと言―「ありがたく読ませていただきました。”坊主憎けりゃ袈裟までも”とか、”反市長派”などという言葉を安易に口にするようでは、あなたの立ち位置を自ら白状するようなもんですよ。図書館問題で市長を擁護したいのなら、もう少し上品で論理的な文章を公表なさってはいかがですか」
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《今後整備する予定の新図書館の建築場所について》
花巻駅前希望派と総合花巻病院跡地派に2分されている。なんとなく客観的に俯瞰でその構図を眺めると若者意見が駅前派、シニア世代意見が病院跡地派という感じ。駅前派の理由は・車がなくても行きやすい・電車待ちの時間に利用できる・賢治案内コ-ナ-設置により観光客の利用も見込めるなど、具体的な「利用しやすさ」を訴える。
一方の病院跡地派は・早池峰山を一望できる景勝・旧稗貫農学校、旧花巻女学校など賢治ゆかりの地・花巻城の痕跡も残る歴史的な場所という、比較的情緒的な理由だ。現状、市側は駅前優先で検討し、第2候補地として病院跡地を検討していると聞く。当然のことながら、病院跡地派はその方針を覆すべく有志で任意団体を作り、会合を開いたり市政懇談会の場に手分けして参加し、持論を主張する。その結果「意見は病院跡地派が多数」のように見えることになる。なにしろ病院跡地派しか意見を言わないからだ。
まずは、そのことを持ってして「病院跡地を望む市民の声は多数派」という認識は間違っているといえよう。それでは彼らが主張する「市民の声を」という訴えにはサイレントマジョリティが含まれないことになるから。「どっち派か」という問いの前にその点はきちんと認識すべきと考える。事実、高校生、大学生たちから市当局に対して「新図書館を駅前に」という要望書や意見が寄せられている。決して病院跡地派が「市民の総意」ではない。
もうひとつ、病院跡地派は反市長派が中心になっているように見受けられる。「坊主憎けりゃ袈裟までも」になってはいないか?是は是、非は非で考えるべきことと思うのが。そして若者たちの意見に対して「どうせ集まって騒ぐ場所が欲しいだけだろう」という、話が病院跡地派から出されたということも耳にした。それは間違っている。若い世代は真摯に考えている。じゃなければわざわざ要望書を出すなんて面倒なことはしない。若者の声に耳を傾けない姿勢こそが当地の少子化、人口減にも繋がっていると気付いて欲しい。大人だけで何でも決めてしまうまちに若者は魅力を感じるだろうか。
ちなみに、病院跡地派の理由のひとつとして駅前は新たな土地購入により余計に予算が必要というものもあるが病院跡地に建てたとしても、歩道すらまともにない駅前からのアクセスを考えると道路用地買収→整備が必要となるだろう。金がかかるという意味ではどっちもどっちかと思う。
(写真は覆面イラスト。最近、こんな仮面をかぶった人間が多いと思う=インタ-ネット上に公開の写真から)
《追記ー1》~図書館問題の賛否で市民アンケ-トを
15日付「岩手日報」論壇欄に「花巻図書館新設案に疑問符」と題する市内のパ-ト女性(67)の投稿が掲載された。市側が第一候補に挙げる「JR花巻駅前」への立地に反対する立場を強調しつつ、賢治ゆかりの花巻農学校跡地(14日付当ブログ「『跡地』今昔物語」参照)に建つ現図書館への立地も検討すべきだと主張。最終的には全市民を対象にしたアンケ-ト実施の必要性も呼びかけている。これまでの市側主導の“立地”論争に一石を投じる貴重な提言である。
《追記―2》~場所なんて正直どうでもいい
イ-ハト-ヴ“愚民”(笑マ-クさん)から15日午前、以下のような連投があった。図書館問題に熱心なお方のようである。
「思うに立地場所の選定に囚われすぎてないですかね?どこに建てるかもそうだけど、どんな図書館にするかの方がもっと大事。だってそこに魅力がなきゃどれだけいい場所に建てたって人は集まらないでしょ。早池峰山を一望できるから花巻病院跡地?(笑)だったら図書館じゃなくて展望台でも作ればよくね?ってか今の更地のままでいいじゃん(笑)。早池峰山を眺めるために図書館に行かないでしょ(笑)。議論の焦点が全然的外れなんだよな~」
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