大寒入りした20日2時半すぎ、霊峰・早池峰山(大迫町)のふもとは突然の猛吹雪に見舞われていた。マイクを握るまさみちさんの頭はあっという間に“雪頭巾”になり、集まった約30人の支援者たちも屋根付きの建物の下に緊急避難。「ユネスコ文化遺産の神楽も元を正せば、自然への畏敬(いけい)から生まれた。この財産を地域再生のいしずえに」とまさみちさんが力説すると、全員が「ガンバロ-」の雄叫びを上げた。
この日の“街宣”がスタ-トした直後の午前9時すぎ、石鳥谷八幡地内の農道で雪の中に脱輪している車を発見。2日前に続く2回目の救出作戦が始まった。まさみちさんを先頭に全員がダッシュ。スコップで雪をかきだし、みんなで押せども今回は脱出に失敗。「先があるので…」と言ったのは実は当方の口ではなく、相手だった。「スケジュ-ルが詰まっていると思う。選挙、がんばってください」と逆に激励された。
体の芯が冷え切った。“救いの神”はこんな時を見計らったように現れるものである。「これもっていげ。熱いがらやけどするなよ」と近くの農家の夫婦がほっかほかの焼き芋を差し入れてくれた。「まで、沖縄にも出荷している自慢のコシヒカリだ。うめぞ」と今度は米袋を担いできた。まさみちさんも「あったかいご飯をいただきます」と選車のトランクに積み込んだ。「大寒」から逆襲を、いや恩恵を受けた若者がいた。
「選挙運動って、こんなに厳しいものだとは想像できなかった」と立花悠さん(28)。花巻市内でタクシ-の運転手をしている。「若い世代の話にも耳を傾けるという候補者に共鳴した。でも、腕が凍りそうで…」―。ドア全開の先導車に初乗りした立花さんは今度はグ-タッチ攻勢にびっくり。「選挙って、人の心も動かすんですね。この一帯を“グ-タッチ”街道と名づけたいですね。22日の最終日まで年休を取って参加します」とニッコリ。
(写真はもうちょっとで、雪だるまになりそうなまさみちさん=12月20日午後、大迫町の大迫振興センタ-前で)
《追記》~選挙応援デビューを飾った立花さん(コメント欄に写真)
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