来年1月に予定されている花巻市長選に立候補の意向を固めている前市議会議長、小原雅道さんとまちづくりについて語り合う第1回懇談会が29日花巻市内で開かれ、「夢」ト-クが百花繚乱の趣きを見せた。会には女性を含めた約40人の市民が参加、花巻の将来に向けた活発な議論が展開された。司会者が「当市のすばらしさやセ-ルスポイントと弱点は何か。今後の課題は?」と振ると、堰を切ったように発言が相次いだ。
「何てったて、温泉と豊かな自然」、「郷土芸能や祭りが盛ん」、「いつも賢治さんと一緒」…。おらが自慢が続いた後は本番の「まちづくりの将来」で会場は一気に盛り上がった。「「町なかの空洞化が目立つ。いわゆる中心市街地には“買い物”難民の老人があふれている」、「まん福や新興跡地の利活用に本気で取り組んで欲しい」、「震災で当市に移住した。毎日の散歩で新しい発見がある。大堰川ではホタルも発見。足元に宝物が眠っている。歩いただけで楽しいまちづくりを目指してほしい」、「(駅橋上化によって)東北の駅百選にも選ばれている現駅舎が撤去されると聞いた。景観の形成と破壊が一緒なんて理解できない」…。約10人の女性参加者からも次々に手が挙がった。
「若者がいつでも戻ってきたくなるまちを…」、「でも、産科医がいなくなった今、出産の機会さえ奪われた。人生の出発点は産み。こうした人生の原点を忘れないで欲しい」…。こんな女性の視点が「夢」ト-クに火をつけた。「上町などシャッタ-通りと化した空き店舗を先人を紹介するミニサテライトとして、開放してはどうか。人物だけではなく、たとえば大迫の神楽のミニ展示だっていい」、「そう、温泉宿泊客が浴衣がけで町なかをブラブラできるようなまちって素敵」、「空港を最大限利用し、台湾や上海からの誘客で観光の底上げを」、「思い出そうではないか。この地にはかつて路面電車が走り、軽便鉄道の始発駅でもあった。旧3町を結ぶ新交通システムを考えたっていいじゃないか」
身を乗り出して聞いていた小原さんも「皆さんの貴重なご意見をありがたく拝聴し…」など杓子定規な受け答えでは済まされなくなったようだった。「これまでの議員生活の中で、補助金ありきの行政のデメリットを目の当たりにしてきた。そう、商店街のサテライト化はすぐ、実行しましょう。25人の観光客はひとりの人口増につながるという見方もある。全国で唯一の賢治まちづく課ももうすこし、仕組みを変えなければ…」と言葉に力がこもった。会の様子はオンライン参加者にも配信されたほか、後援会のHPにもアップされた。
(写真は熱のある発言が相次いだ「まちづくり懇談会」=11月29日午後7時すぎ、花巻市内の旧ホテルで)
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