「図書館のあり方をみんなで考えよう」―。「新花巻図書館―まるごと市民会議」主催の第3回オンライン講演会が今月28日(日)に開かれる。講師は当会議の発起人の一人である映像作家の澄川嘉彦さん(東和町在住)。演題は「図書館問題は図書館だけの問題ではない」。講演会は午後2時スタ-トで、質疑応答にも応じる。15日付の広報「はなまき」やまるごと市民会議のフェイスブックで案内している。
澄川さんがプロデュ-サ-として制作した「証言記録・東日本大震災『住民主導の集団移転―宮城県東松島市』」が「3・11」10年周年を前にした今月14日、NHK総合テレビで放映され、多くの注目を浴びた。この町の震災復興について、澄川さんは「避難所に満ちていたあの助けあいの気持ちをそのまま復興につなげた」―稀有な成功例として紹介。「何より大切なのが、顔をつきあわせての話し合い。これをサボってはダメだった。面倒くさいことほど真実に近い。震災復興も図書館づくりも根っこは同じ。他人事ではなく、『住むのは私たち』という意識が大切」と話している。住民参画のまちづくりの実例を踏まえた講演が期待される。多くの皆さんの参加をお待ちします。
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「新花巻図書館―まるごと市民会議」設立趣意書
「図書館って、な~に」―。コロナ禍の今年、宮沢賢治のふるさと「イ-ハト-ブはなまき」では熱い“図書館”論議が交わされました。きっかけは1月末に突然、当局側から示された「住宅付き図書館」の駅前立地(新花巻図書館複合施設整備事業構想)という政策提言でした。多くの市民にとってはまさに寝耳に水、にわかにはそのイメ-ジさえ描くことができませんでした。やがて、議会内に「新花巻図書館整備特別委員会」が設置され、市民の間でもこの問題の重要性が認識されるようになりました。「行政に任せっぱなしだった私たちの側にも責任があるのではないか」という反省もそこにはありました。
一方、当局側は「としょかんワ-クショップ」(WS)を企画し、計7回のWSには高校生から高齢者まで世代を超えた市民が集い、「夢の図書館」を語り合いました。「図書館こそが誰にでも開かれた空間ではないのか」という共通の認識がそこから生まれました。そして、その思いは「自分たちで自分たちの図書館を実現しようではないか」という大きな声に結集しました。
そうした声を今後に生かそうと、WSに参加した有志らを中心に「おらが図書館」を目指した“まるごと市民会議”の結成を呼びかけることにしました。みんなでワイワイ、図書館を語り合おうではありませんか。多くの市民の皆さまの賛同を得ることができれば幸いです。
2020年10月25日
呼びかけ人代表 菊池 賞(ほまれ)
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