その名はハラーズレッド。しかも空輸でやってきました。
現地でしか味わえないニュークロップの上質な酸味、赤ワイン、ブルーベリー、ドライフルーツを彷彿とさせます。
またちょっと香辛料のような不思議な味、昔懐かしいおばあちゃんのような香りも感じます。
これまでにない甘みと独特の複雑な香りは、まさにアラビアの伝統を感じさせます。
今回は5キロのみ確保いたしました。売切御免、試飲OKですのでお声がけください。
心も身体もあったまりますよ。
ここからは現地の蘊蓄です。
イエメンの首都サナアから西に車で1時間程度の距離にあるハラーズ地方は、数あるイエメンのコーヒーの産地の中でも、主要な地区の一つです。この地方で生産される珈琲はハラジと呼ばれます。
コーヒーの木は、標高1500メーター当たりのワジと呼ばれる枯れ谷沿いの耕地と、標高2500メーターにも及ぶ山の斜面に作られたテラスで栽培されています。一見、気候は非常に乾燥し、土地も痩せているように思われますが、実は土地は思いのほか肥沃で、水に関しても、雨季に蓄えられた貯水やワジでは地下の伏流水があり、コーヒー農園はそれにより灌漑されています。その土地で、朝晩の寒暖の差が大きい気候のもと育てられた地場品種は、イエメン独特の香味をもったコーヒーの実をつけます。
しかし、近年は、乾いた気候に強く、手っ取り早い現金収入になるカート(軽い覚醒作用のある一種の麻薬)栽培によりコーヒー農園が徐々に駆使される傾向がありました。また、コーヒー生産者の中には古の伝統を失う物もあり、それが、ハラーズ地方のコーヒーの品質の低下を招いていました。
その現状を見て、アリジ社は、ハラーズ・コーヒーの伝統を復活させ、そのコーヒーの品質を昔ながらの上質なもの蘇らせる試みに取り組みました。まず、ハラーズ地方のコーヒー生産者の有志に呼びかけ、グループとして組織化し、メンバーとなった生産者に、赤実のみを収穫し、新鮮な状態でグループの乾燥場に持ち込ませるところから事業は始まりました。その赤実は、金網を貼った棚で天日乾燥され、12%程度まで水分を落とされます。そのチェリーは、輸出オーダーがあるまで保存され、船積み前に始めて脱穀、選別されます。仕上がったコーヒー、ナチュラルコーヒーが自然に熟成されるよう、麻袋の内側にコットンを貼った、通気性のある素材で包装されます。そうして日本に届くコーヒーは、従来のイエメンにありがちな雑味がなく、非常に甘く複雑な香りと適度な酸味が混然となった得も言われぬ味です。
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