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米沢懐かしの味① 松竹軒の特製中華そば

子供の頃は今ほど外食などはしなかったと思うが、たまに外で食べた時の思い出は強烈に心に残ることがある。残念ながら今ではなくなってしまった味の思い出を綴ってみよう。

昔の三友堂病院は今よりももう少し奥まったところに玄関があったのではないだろうか。その門前左側に松竹軒という中華料理屋があった。店に入ると何個かテーブルがあり、南側にカウンターその奥が厨房だったように思う。

家から遠いその店には何回も足を運んだわけではない。只そこには今でも忘れられない思い出がある。

ある日母と私が三友堂に行こうとした時のことだ。病院に行く前にその店で中華そばを食べて、子供の私だけが店に残ったことがあった。多分店主と母は知り合いで、すぐ戻ると言って私を預けて見舞いに行ったのだろう。

そして私がやっと食べ終わったころ、大きな風呂敷を背負った老婆が店に入ってきた。

「あのぉ、中華そば一杯くっちぐやんねべが」

見た感じから、在郷のほうから出てきた方のようだった。店主がわかったというと、その人は言葉を続けた。

 「おら肉食わんにがら、肉入んにでけろ。んで油濃いのもきしゃいだがら油も入んにでけろ」

それを聞いた店主は困り果ててしまった。

「ばばちゃ、油全然入んにど、中華そば作らんにがら、すこしだげ入れさせでけんにべが」

その次に老婆は再度条件をつけた。

 「わがったげんど、あんまりしょっぱいなも食わんにがら、醤油も入んにでけろ」

またもや店主は困り果たが、その条件で何とか中華そばを作り上げた。 

松竹軒のスープは元々非常に透明感のあるものだが、その人に出した中華のスープはほぼお湯?のようなものだった。そして叉焼も、もしかしたら支那竹も入らなかったような気がする。ネギとナルトが載った超シンプルな中華。そのお客は透明且つシンプルな中華そばを、ゆっくりと美味しそうに平らげた。そして頬を紅くして

 「ああ、んまがった。ここの中華美味いって聞いでだんだげんども、やっぱりんまがった。おしょうしなしっ」と言って代金を払い満足げに店を出て行った。

 「いやぁ、あがな中華作ったな長いごどやってっけんど初めでだ」

店主は自分に言い聞かせたのか、私に言ったのか分からなかったが、不思議な経験をしたといった面持ちで、このセリフを語った。

 その後母が戻って来て、私は車の中でこの様子を語ったに違いないが、小学3年ぐらいの表現力でどこまで伝わったのかは甚だ疑問だ。

2015.12.05:mameichi:コメント(0):[食いしん坊万歳]

逸品活動と豪華なオードブル

  • 逸品活動と豪華なオードブル

よねざわ逸品研究会が行うスタンプラリーも残すところあと3日になりました(20日まで)。
まだ回られていない方、これから回る方、逸品ってナニ?という方、詳しくご説明いたしますので是非豆いちにいらしてください。もちろん米沢市以外の他市、他町からもお待ちしております。

よねざわ逸品研究会というのは17店舗のお店と米沢市、商工会議所からなる団体です。会員はみな地元のお店で、もっともっと地元商店にご来店いただくにはどうすればいいのか、を考えております。それには皆さまからのお知恵を拝借したいと思っております。

思えば、一緒にバンド活動をしている役所のスターフィールドさん(仮名)から誘われて入会したのが2年前。その担当者もいなくなり、いつの間にか第2回を迎えることとなりました。

7月2日にはゲスト、報道、各店のお客様を招いてのお披露目会、5日には逸品の東北大会を開催いたしました。
写真は東北大会でのレセプション時の「イタリアンレストラン リーガル」さんの豪華な豪華な「オードブル」です。

逸品メンバーでもあるリーガルさんの凄いところは、もちろんお料理も美味しいのですが、この時の約50人ぐらいの宴会をマスター白田さんと奥さま二人で廻してしまうところです。
通常考えられますか?考えられません。是非皆さん、リーガルさんで宴会を楽しんでください。

昼はランチ、夜はご予約のみとなっております。
ちなみにリーガルさんの逸品は20時間煮込んだ肉とスープがたっぷりの米沢牛カレースパゲッティです。
そしてオードブルの写真の真ん中は名物米沢牛のローストビーフですが、こんもりしている下は、野菜などではなく、ずーっとローストビーフが積み重なっている「ヤマ」なのでした。食べがいありましたよ!

2015.07.17:mameichi:コメント(0):[食いしん坊万歳]

老舗で食べる

  • 老舗で食べる
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米沢は古い町だから、江戸からの古い食べ物屋などいっぱいあるだろうと思えばそうでもない。
菓子屋で松島屋、虎屋、岩倉まんぢゅうなどは古くからありそうだが、料理屋と言うとそうはいかない。
 

その中で寿司屋というのは、何軒か古い店がある。北寺町の松屋、平和軒などがそうだが、今日は門東町にある東家を訪ねた。
豆いちから歩いて3分ほどのところにあり、昼はランチ、夜は割烹と寿司、小宴会もできるようになっている。現在本館の料亭はお休みのようだ。

時々女将や大将にお店に来ていただいているのだが、東家の特徴は仕事の綺麗さと、ネタの良さ、そして価格が非常にリーズナブルであるということで時々伺っている。
今日はバラ寿司を頂いた、陶器の器にみっちりとご飯が入っており、ボリウム満点。具材も白身、小肌、海老、イクラをあしらい、玉子焼、椎茸、蓮根、干瓢、きゅうりと盛り沢山。これに冷汁、味噌汁、香の物がついて750円とは偉く安いと思う。

この他にも、焼魚定食(850円)、塩引き寿司(850円)、チラシ寿司(850円)、刺身定食や握りなども味わえる。
是非山の中の鮨屋も皆様に堪能していただきたいなあと思う。次回は夜家族で行ってみよう。

2015.06.09:mameichi:コメント(0):[食いしん坊万歳]

豚丼を作るの巻

  • 豚丼を作るの巻

丼物というのはいくつになっても「おっ、やった!」と思うメニューの一つでございます。
欲を言えば「カツ丼」か「天丼」ですが、うちではそういうものは出てきません。

そこで牛丼か豚丼か親子丼か、たまには玉丼となるわけですが、昨日はうちの息子(小学5年生)が自分で企画して、買い物に行って、豚丼を作りました。

2週間前に作っていたので復習ということですが、まず買い物はキムラ駅前店に出かけたらしいのです。肉と玉ねぎ(実は大量に在庫があったらしいのですが)それに前回なかった料理酒を揃えました。

汁けがなくなるまでずーっとかき混ぜていた豚丼は、タレがよく染みていて美味しかったのは言うまでもありません。
で、今日は小遊三、円楽落語会に行ってるようです。

2015.06.07:mameichi:コメント(0):[食いしん坊万歳]

芋煮考

  • 芋煮考
  • 芋煮考

外での芋煮会は残念ながら史上最大級の台風接近(以外に大したことなかったのだが、)ということで流れてしまったのですが、今年はある芋との出会いがありました。先月行った富山県上市町のホテルに着いたときに、いきなりここの名物の里芋は如何ですか?と言われたのです。ふかしたやつに田楽味噌を付けて食べたらとてもねっとりしていて美味しかったので、帰りに買ってきました。で、先日芋煮を作って貰ったのです。芋の味は芋のえぐみのようなものがなく、非常に上品な芋煮になりました。

小学生の頃は、河原で班ごとに芋煮をしたことがありました。問題はどこから水を汲んで来たのだろうということです。もしかしたらあの硫黄鉱毒の松川の水を使っていたのでしょうか?ポリタンで持ってきていたという印象もないので、多分いや、絶対川の水に違いないと思います。と、ここまで書いたのですが、河原にはあちこちに清水が湧き出ていたので、流石に川の水ではなかったのかなぁ。

町内の芋煮はマルサン醤油屋さんの醤油を煮る大鍋(直径2メートルぐらい余り)で作っていました。もう最初から鍋に代々の醤油の味がしみ込んでいるので(ホントかよ!)かなり美味かった記憶があります。

上市町の大和という品種の里芋を使った芋煮は、二日目はカレーに化けました。長ネギを使った蕎麦屋のカレー風で、これもまた大好評でした。

2014.12.07:mameichi:コメント(1):[食いしん坊万歳]