ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ

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また鳥インフルエンザが発生した。茨城県水海道市の養鶏業者で、2万5千羽を処分しなければならないという。さぞ辛いだろう。何よりも処分されていくニワトリ達がかわいそうだ。
「インフルエンザのニワトリにBSEにかかった牛、それに去年はコイヘルペスの鯉もいた。それらを人間はちゃんと食べて上げるべきだとおもうよ。『フライド<インフルエンザ>チキン』や『BSEどんぶり』、あるいは『ヘルペス鯉のうま煮』とかにしてさ。」という電話をよこしたのは東京に住む友人だ。彼女は怒っていた。

「生産効率だか何だかしらないよ。でもね、動物や魚達を狭いところにゴチャゴチャと押し込み、いろんなものを食わせ、本来もてたはずの病気への抵抗力を奪っておいて、その上食いもしないで殺しちゃうなら、生まれてきた意味がないよ。わたしがニワトリや牛や鯉なら化けてでるね、きっと。食べるべきだと思うよ。食べてその罪を自らが引き受けるべきだよ。」
友人の化けた姿を想像して思わず笑ってしまったが、話していることはしごくまともなことだ。

人は食べ物がなければ生きていけない。人間の世の中がこれから先も続いていくことができるとすれば、それは食べ物の生産のあり方に無理がなく、いつまでも続けていくことができるという条件があってのことだ。それがなければ、当然のことながら人の世も続かない。鳥インフルエンザやBSEとして現れていることは、まさに人の世と食べ物生産の持続性にかかわることだ。問題は両者の健康な関係をどう築きなおすのかということ。大いに議論すべきはそこのことなのに、BSEのことでは「吉野屋の牛丼」の話ばっかりだったし、今度のことだって茨城の養鶏場の人たちが不運だったなんて話しで終わりかねない。これでは殺された数万、数十万の魚や動物達は浮かばれないだろう。

茨城の発生をうけて、業界ではまたぞろ鶏舎に野鳥が入らないようにと、外界とニワトリ達をしっかりと遮断するよう呼びかけている。一層自然界から隔離しようというわけだ。
“彼らを工場生産のラインの上に乗せるのを止めよう、ケージの中に入れるのは止めよう。動物にいきいきと過ごせる環境を。それがわれわれの健康な暮らしの前提なのだから・・”とはならない。そうである以上、これから先も同じようなことが繰り返し、繰り返し起こるに違いない。

でもさ、他は知らないけど、少なくとも日本人は大丈夫だね。どんなに悪いことでもきっと忘れることができるから。その証拠に「コイヘルペス」のことなどはすっかり忘れてしまっているものな。現状は何ひとつ改善されておらず、むしろ悪くなってさえいるのに、対策を考えることなく、みんな忘れていく。まぁ、ぼく達のこのすばらしい能力に乾杯だね。


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