相変わらず松山さんとこへは
一人だけの弟子として
一の橋、下北沢、そして野沢へと通った。
師一人、弟子一人、
ウパニシャドの世界だった。
野沢へ移ってから
一人の友人を連れていき、
その彼は、
英語、フランス語、ドイツ語も出来る。
渥美半島の生んだ秀才と
言われた奴で、それで私も
サンスクリットを習えるようになったのだ。
サンスクリットは完成されたという
意味のある言語で男性名詞、女性名詞、
中性名詞とあり、単数、両数、複数を
(両数とは2、耳、目、腕、足、車等々)
3以上が複数でそれに格が8つあり、
一つの言葉に24の変化があるという言語です。
さらに、語句の語尾と次の語句の語頭が
あわさって変化をするので、詩の場合など、
切れ目が判らず困ってしまう。
いやそのように読む人間が判断に
悩む方が良い詩だなんてこともあるそうだ。
ともかく松山さんは
そのサンスクリット、
梵文の碩学の人なのです。
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