当館常設展示室では国宝上杉家文書を常時見ることができる上杉文華館があります。
2016年度の上杉文華館は「謙信を生んだ一族・長尾氏」をテーマにゆかりの文化財、貴重な史料をご覧いただきたいと思います。
平成28年度、第2回目のテーマは… 「長尾越後支配の要諦」 です。
【展示期間】 平成28年4月27日(水)~5月24日(火)
長尾氏は桓武平氏の一族で、相模国鎌倉郡長尾郷(横浜市戸塚区)を名字の地とし、三浦氏や梶原氏、鎌倉氏、大庭氏、などが同族です。後三年合戦に活躍した鎌倉権五郎景正や、源頼朝に仕えた梶原政景らは一族です。しかし、鎌倉時代の長尾氏の動向はよく分からないことが多いのが実情です。宝治元年(1247)に執権北条時頼によって滅亡に追い込まれた有力御家人三浦氏に味方していたことから没落し、その後鎌倉幕府6代将軍に就任した宗尊親王に従って、京都から鎌倉に下向してきた上杉氏の家臣になったと考えられています。鎌倉幕府が滅び、室町幕府が開かれると、その重要メンバーであった上杉氏の活躍によって、その家臣である長尾氏も確かな記録にその名をみせるようになりました。
謙信は越後府中を拠点とした「府中長尾氏」と呼ばれる一族の出身です。この長尾氏は越後守護代を代々務めてきました。謙信もまた家督継承とともに越後守護代に就きました。2016年度第2回目の上杉文華館は、「越後支配の要諦」と題し、守護上杉氏の越後支配の基礎が形成される14世紀後半、守護上杉憲栄・房方、守護代長尾景春・高景・邦景の時代の動向、特に支配強化の手段の一つになった使節遵行という職務について、国宝「上杉家文書」から紹介します。
▼ コレクショントーク
「謙信を生んだ一族・長尾氏 ~越後支配の要諦~」
平成28年 5月7日(土)14:00~
場所: 常設展示室 上杉文華館
※入館料が必要です。
▼「徒然草図屏風」展示情報
【展示期間】 平成28年4月16日(土)~5月15日(日)
新たに山形県指定文化財となった「徒然草図屏風」を展示します。江戸時代の作であり、上杉家ゆかりの作品です。江戸時代の大名家の教養の一端を知ることのできる貴重な資料と言えます。
お問い合わせ 米沢市上杉博物館 0238-26-8001まで
皆さまのご来館を心よりお待ちしております。