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常設展示室 上杉文華館《 二人の父、秋月種美と上杉重定 》

上杉文華館  「二人の父、秋月種美と上杉重定」

【展示期間】:平成26年5月1(木)~5月27日(火)まで。

今回の上杉文華館は上杉鷹山の二人の父、秋月種美と上杉重定にスポットをあてた展示です。

 

 秋月種美(あきづき たねみつ)

秋月種美は高鍋藩第6代藩主で、鷹山の実の父です。藩主としては文武の振興に力を入れました。鷹山が上杉家の養子となった後も、実父・種実と書状のやり取りを続け、国宝「上杉家文書」として親子間の書状が複数伝来しています。多くは日常的な挨拶や贈答に関するものですが、鷹山が種美に藩政に関する相談をすることもあったようです。

 

上杉重定(うえすぎしげさだ)

鷹山の養父・上杉重定は5代藩主吉憲の五男として米沢に生まれましたが、兄二人の死により延享3年(1746)、第8代の藩主となりました。重定の治世は藩財政の困窮に対し、森平右衛門の専制を招くなど評価されていません。しかし重臣層が鷹山に改革中断を強訴した「七家騒動」では重臣たちを抑え、若き藩主鷹山の改革を支持しています。

 

 

国宝「上杉家文書」

秋月種美書状

 

 

江戸時代 (安永二年・一七七三)七月二一日          

一七・三×三五・一

米沢市上杉博物館

 

【 解 説 】

秋月種美(鷹山の実父)から、鷹山に宛てた書状です。大臣衆の仕置き(処罰)について承知した、今後の政治向きは御隠居様(鷹山の養父・上杉重定)によく相談するように、と述べています。

内容と時期から、安永二年(一七七三)六月末におこった七家騒動(しちけそうどう)に関する書状と考えられます。七月一日に鷹山は千坂(さちか)ら関係者の処罰を決定、七月半ばには親族などにも事件の結果を文書や使者により報告したようです。本書はそれに対する返答と考えられます。

七家騒動は、改革に取り組む二三歳の青年藩主・上杉鷹山を襲った大事件でした。重臣層によって藩主が隠居させられるような事態も、当時は十分ありえたのです。

本文書によれば、上杉家歴代の重臣を処罰した鷹山は、「残念」な、心苦しい気持ちを種美に伝えたようです。種美は鷹山の処置を支持し、養父・重定によって事件がおさまったことを感謝し、今後は重定に小さな事も相談するよう、鷹山に重ねて助言しています。

 

鷹山の改革を支持する、二人の父の姿がうかがえる史料と言えるでしょう。

 

七家騒動(しちけそうどう)とは…

奉行(家老)千坂(さちか)対馬(つしま)ら米沢藩の重臣七名が改革政治に反対し、竹俣当綱らの退役を鷹山に強訴した事件です。

 

[ 大 意 ]

・書状を読んで、残念に思う。今度、思わぬ事件により上杉家の重臣を厳罰に処したこと、詳しく書状と御使者により承知した。

・ご隠居様(重定)のご配慮もあったようで、良かった。以後は何事も念を入れ、政治についてはご隠居様へ相談するように。

・もはや何事も済んだことなので、ひとまず返事を記した。

(追伸部分)

・上杉家の重臣処罰のことを残念だと思うのは至極もっともだ。しかし今回はそうしなくては政治が立ちいかなかっただろう。

・今後はご隠居様へ何事も相談し取り計らうのが第一である。ご隠居様へしっかりとお礼を伝えて欲しい。

 

 

スタッフ一同、ご来館お待ちしています*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:゚・:,。*:..。o○☆゚・:,。*:..。

 

次回、展示予定

《 上杉鷹山をめぐる人々 》

「 師に学ぶ 」

【展示期間】:平成26年5月29(木)~6月26日(木)

【コレクショントーク(常設展示室解説)】:6月7日(土)14:00~

 

お問い合わせ 米沢市上杉博物館 0238268001まで

 

2014.05.09:denkoku:[博物館情報]

特別展「上杉家伝来絵図」開催中

ただ今、平成26年 4月19日(土)~ 6月 8日(日)まで特別展「上杉家伝来絵図」を

好評開催中です(●´艸`)(●´艸`)

 

本展覧会は安土桃山時代から江戸時代にかけて、上杉家ではさまざまな理由からたくさん

の絵図が作られ、現在に伝わっているその中から代表的な絵図を、制作された時代背景を

明らかにしながらご紹介しております(*ゝωб*)b

 

超巨大絵図をお見逃しなく!

1辺が5m超の巨大な絵図が特別な展示ケースを製作しての公開中ですΣ(`・Д・ノ)ノ

 

重要文化財「越後国頚城郡絵図」、「越後国瀬波郡絵図」を米沢市上杉博物館として初めて展示です。

越後時代、上杉景勝が豊臣秀吉の命令で制作された、他に残存例をみない近世初期の絵図で、全国

的にみても貴重な価値を有します。

それぞれ現在の新潟県上越市東部と柏崎市の一部、村上市と関川村・粟島浦町を対象としています。

 

また、米沢藩において絵図の制作、管理を担当した岩瀬家の史料にも視野を広げ、上杉家・米沢藩の

絵図をめぐる環境についても併せてご紹介しております。

 

いずれもこの機会をお見逃しなくご覧いただければと思います<(_ _*)X(*_ _)>

 

【 特別展「上杉家伝来絵図」 】

会期:平成26年 4月19日(土)~ 6月 8日(日)

休館日:5月28日(水)

 

【 料 金 】

種別 特別展
一般 620円(490円)
高・大学生 400円(320円)
小・中学生 250円(200円)

※( )は20名以上の団体料金  常設展示室と一体型料金

 

【 講演会 】

「越後頸城郡絵図に見る上杉氏権力と在地世界 -村町の軍役と諸役の負担体系-」

日時:5月11日(日) 14:00~16:00

講師:伊藤正義 氏 (鶴見大学文学部文化財学科教授)

場所:伝国の杜 2階大会議室

定員:先着120名

※聴講無料・来聴歓迎です。

 

【 ギャラリートーク 】

日時:

4月19日(土) 終了致しました。

5月17日(土)

5月31日(土)

時間:14:00~15:00

場所:企画展示室内

※特別展入場券が必要です。

 

【 お知らせ 】

5月18日(日)は「国際博物館の日」ですべての方に無料で観覧いただけます。
当日に総合案内・チケット窓口でお申し出ください。

 

お問い合わせ 米沢市上杉博物館 0238-26-8001まで

 

 

2014.05.06:denkoku:[博物館情報]

4月の体験学習室

今月の季節の行事は。+゜** お花見 **゜。+* です!

米沢ではまだまだ桜が咲きませんが、つぼみも膨らんできました。

今から桜がほころぶのが楽しみですね(*^-^*)

 

今月のものづくりは『春の折り紙』です。

色とりどりの折り紙で、桜やパンジー、テントウ虫や蜂などの昆虫を作って

にぎやかな春を楽しみましょう゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚

わからないときはスタッフにどんどん来て下さいね!

体験期間は4月24日までです。

 

明日16日からは 5月17日 に行われるワークショップ

!カラーハンティング~春~

の募集開始です!

本物の色をどこまでつかまえることができるでしょうか?

どんどんハンティングしましょう!(っ`・ω・´)っ

5月17日(土)13:30~16:00

対象:小中学生親子   定員20名程度    参加費500円  

申込みは米沢市上杉博物館 0238-26-8001 まで

スタッフ一同心よりお待ちしております。

2014.04.15:denkoku:[博物館情報]

常設展示室 上杉文華館《 上杉家と秋月家 》

平成26年度の年間テーマは「 上杉鷹山をめぐる人々 」です\(>О<)/

 9代藩主上杉鷹山をめぐる様々な人々にスポットをあて藩政改革と鷹山の人物像、当時の武家社会について国宝「上杉家文書」の中から毎月展示資料を入れ替えながらご紹介いたします。

 

今年度1回目の上杉文華館  「上杉家と秋月家」

【展示期間】:平成26年4月1(火)~4月30日(水)まで。

【コレクショントーク(常設展示室展示解説)】:4月5日(土)14:00~。

 

国宝「上杉家文書」

榊原政堯撰伝名記(さかきばらまさたかせんてんめいき)

 

江戸時代 寛政12年(1800)7月

24.8×16.6

米沢市上杉博物館

 

〈 解 説 〉

鷹山の兄、秋月種茂の善政を、旗本の榊原政堯が漢文体でまとめ、その善政に合致する格言を補足したものです。

秋月種茂は宝暦一〇年(一七六〇)、高鍋藩の第七代藩主となり、文武の振興、藩校明倫堂の設置、困窮者の救済などを行いました。種茂と鷹山の政策には共通、類似するものも多いようです。

 この文書の大部分は、医者・橘南谿(たちばな なんけい)の旅行記「西遊記」仁政篇のうち、秋月種茂関係部分を漢文体に改めたものです。序によれば、榊原は「西遊記」を読んで感激し本書をまとめ、その善政が古代の聖人・君子の言葉と合致することを示すため、格言を補記した、とあります。「西遊記」では秋月種茂を「奥州上杉弾正殿の御舎弟(実際は兄)」と紹介しており、種茂・鷹山の兄弟が当時の知識階級によって、善政を行う領主として知られていた様子がうかがえます。なお、寛政七年に刊行された『西遊記』で、仁政篇は省略されています。このため、榊原が読んだのは写本の「西遊記」だったことが分かります。

このように、江戸時代中期以降、写本・刊本などの書物を通じて、諸国の善政の情報が全国に広められました。

 

<上杉家と秋月家>

 鷹山の生家・秋月家は戦国大名・秋月種実の子・種長が財部(のちに高鍋と改称)に入封、以後幕末まで11代に渡り同地を治めました。上杉家との縁は、4代藩主 鷹山の生家・秋月家は戦国大名・秋月種実の子・種長が財部(のちに高鍋と改称)に入封、以後幕末まで11代に渡り同地を治めました。上杉家との縁は、4代藩主家風を知り、家臣と信頼関係を築くことは大きな課題だったことでしょう。米沢藩江戸家老・竹俣当綱は家督前の治憲に意見書を提出し、2代藩主定勝の故事を引用しつつ、藩主が家臣と親しく接する重要性を説いています。米沢藩桜田屋敷の図からは、江戸での治憲の暮らしぶりがうかがわれます。 治憲の兄で秋月家を継いだ種茂は高鍋藩の隆盛期を築いた人物とされ、上杉家にもその善政録「伝名記」などが伝来しています。また上杉斉定の娘・雍(よう)は10代藩主秋月種殷(たねとみ)に嫁ぐなど、両家は血縁関係を重ねました。

 

次回、展示予定

《 上杉鷹山をめぐる人々 》

「 二人の父、秋月種美と上杉重定 」

【展示期間】:平成26年5月1(木)~5月27日(火)

【コレクショントーク(常設展示室解説)】:5月10日(土)14:00~

 

お問い合わせ 米沢市上杉博物館 0238268001まで

 

2014.04.04:denkoku:[博物館情報]

上杉文華館「上杉家の未来 -鷹山の意志を継ぐ者たち-」。

上杉文華館 「上杉家の未来 -鷹山の意志を継ぐ者たち-」

展示期間は、平成26年2月25日(火)~平成26年3月30日(日)まで。

 

国宝「上杉家文書」を中心に藩政改革に取り組んだ上杉鷹山の生涯をテーマとした全十二回、今年度最後の展示です(●≧艸≦)

 

今回の資料紹介は

国宝「上杉家文書」

上杉斉定心付」(うえすぎなりさだこころつき)

 

江戸時代 (天保七年・一八三六)

一八・九×一五五・五

米沢市上杉博物館

 

 

〔 解 説 〕

天保七年四月、上杉斉定は将軍徳川家斉(とくがわいえなり)から鷹山以来の治世を称賛され、鞍(くら)と時服を下賜されました。本文書は、この賞賛を機に藩内の古い弊害を一掃するよう、斉定が家臣などに指示したものです。

鷹山は存世中の天明七年(一七八七)にも将軍から善政を称賛されています。その死後、子孫まで将軍から善政を賞賛されることは、ごく稀なことでしょう。しかし、この文書によれば賞賛されたからといって喜んでばかりもいられないようです。斉定は、賞賛された以上は落ち度がないよう、藩士から下々まで用心し恥を知るように、と述べています。また米沢の統治は有名だが内実が伴わないとし、この機会に古い弊害を改善するため重臣たちに助力を求めています。

当時、鷹山はすでに藩政改革の手本として全国的に有名であり、この将軍からの賞賛は亡き鷹山の名声をさらに高めたことでしょう。有名ゆえに失敗は許されないが、現状は問題点もある、そのような状況下で、斉定は鷹山の藩政改革を継承していったのです。

 

 

鷹山は文政5年(1822)2月に体調を崩し、3月12日に72歳で亡くなります。その遺志を継いで藩政改革を行ったのが斉定です。斉定は7歳から鷹山の元で育てられ、隠居所に住んで鷹山から直接、国政の手ほどきを受けました。天保10年(1839)に12代藩主となった斉憲は、幼児の時に鷹山が亡くなったため、直接にはその教育を受けていませんが、鷹山の治世を手本とし、幕末の動乱期に立ち向かいました。なお、天保7年(1836)には斉定が、安政元年(1852)には斉憲が、幕府から鷹山以来の善政を賞賛されています。

鷹山の政策や意思は、死後も歴代の藩主に受け継がれ、米沢藩の政治を方向付けていったのです。

 明治時代以降、鷹山を評価する視点は農政、民政、組織運営などと時代ごとに変化しつつ、現代まで理想のリーダーとして人々に敬愛され続けています。

 

学芸員による、コレクショントーク、3月22日(土)14:00~です☆*:.。.

 

スタッフ一同、ご来館お待ちしています。

 

次回、展示予定

《 上杉鷹山をめぐる人々 》

「 上杉家と秋月家 」

【展示期間】:平成26年4月1(火)~4月30日(水)

 

お問い合わせ 米沢市上杉博物館 0238268001まで

 

 

2014.03.02:denkoku:[博物館情報]