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上杉文華館 「謙信を生んだ一族・長尾氏 ~長尾氏、越後へ~」

当館常設展示室では国宝上杉家文書を常時見ることができる上杉文華館があります。

2016年度の上杉文華館は「謙信を生んだ一族・長尾氏」をテーマにゆかりの文化財、貴重な史料をご覧いただきたいと思います。

平成28年度、最初のテーマは…

「長尾氏、越後へ」 です。

【展示期間】 平成28年3月29日(火)~4月26日(火)

 

 長尾氏は桓武平氏の一族で、相模国鎌倉郡長尾郷(横浜市戸塚区)を名字の地とし、三浦氏や梶原氏、鎌倉氏、大庭氏、などが同族です。後三年合戦に活躍した鎌倉権五郎景正や、源頼朝に仕えた梶原政景らは一族です。しかし、鎌倉時代の長尾氏の動向はよく分からないことが多いのが実情です。宝治元年(1247)に執権北条時頼によって滅亡に追い込まれた有力御家人三浦氏に味方していたことから没落し、その後鎌倉幕府6代将軍に就任した宗尊親王に従って、京都から鎌倉に下向してきた上杉氏の家臣になったと考えられています。鎌倉幕府が滅び、室町幕府が開かれると、その重要メンバーであった上杉氏の活躍によって、その家臣である長尾氏も確かな記録にその名をみせるようになりました。

 謙信は越後府中を拠点とした「府中長尾氏」と呼ばれる一族の出身です。この長尾氏は越後守護代を代々務めてきました。謙信もまた家督継承とともに越後守護代に就きました。2016年度第1回目の上杉文華館は、「長尾氏、越後へ」と題し、長尾氏が守護代として越後で活動し始めるきっかけについて、国宝「上杉家文書」から紹介します。

 

国宝 「上杉家文書」

足利直義御教書

時代: 康永3年(1344)10月20日

法量: 34.7×55.5

所蔵: 上杉博物館

 

▼ コレクショントーク

 「謙信を生んだ一族・長尾氏 ~長尾氏、越後へ~」

平成28年 4月2日(土)14:00~

場所: 常設展示室 上杉文華館

※入館料が必要です。

 

▼「徒然草図屏風」展示情報

【展示期間】 平成28年4月16日(土)~5月15日(日)

新たに山形県指定文化財となった「徒然草図屏風」を展示します。江戸時代の作であり、上杉家ゆかりの作品です。江戸時代の大名家の教養の一端を知ることのできる貴重な資料と言えます。

 

お問い合わせ 米沢市上杉博物館 0238-26-8001まで

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

2016.03.31:denkoku:[博物館情報]

次回展示会のお知らせ

先日3月21日(日)で、企画展「上杉家の古写真」の展示が好評のうち終了致しました!

さて、次回の展示は、

―開館15周年記念特別展― 「米沢中納言 上杉景勝」 です。

 

米沢藩初代藩主上杉景勝は、有力戦国大名上杉謙信の跡を継ぎ、郡雄割拠の戦国時代から全国統一が進められ、完成に至る時代を生きました。

この特別展では、江戸時代の米沢藩上杉家の基礎を築くことにもなった景勝の歴史を、主に中央政権(織田政権・豊臣政権・徳川政権)との関係を中心に紹介していきます。

2006年春における「開館5周年記念特別展 上杉景勝 ~転換の時代を生きた人生~」の開催から10年。前回の展示では、紹介できなかったことや、この10年間のうちに研究が深められ、明らかになったこと、理解が大きく変わったことなど、さまざまな研究の成果が報告されています。このような動向を取り入れ新たな、より深く広い景勝のすがたを紹介していきます。

 

特別展 「―開館15周年記念特別展― 米沢中納言 上杉景勝」

【期間】

2016年4月16日(土)~2016年6月19日(日)

前期:4月16日(土)~5月15日(日)

後期:5月21日(土)~6月19日(日)

※展示替え5月16日(月)~5月20日(金)

※休館日 5月25日(水)

 

【開館時間】

9:00~17:00(入館は16:30まで)

【入館料】

一般 620円(490円) 高大生 400円(320円) 小中生 250円(200円)

※( )は20名以上の団体料金

※常設展とセットのみ

◎5月5日(こどもの日)/小中高生…無料

◎5月18日(国際博物館の日)/常設展…無料

 

【講演会】

「豊臣政権と上杉景勝」

講師/矢部 健太郎 氏(國學院大學文学部教授)

5月14日(土) 14:00~16:00

聴講無料!

 

【ギャラリートーク(展示解説)】

各回14時から、企画展示室にて行います。

4月16日(土)/5月15日(日)/5月21日(土)/6月19日(日)

※当館学芸員による展示資料解説。

※企画展示室入館料が必要です。

 

【展示】

「国宝上杉本洛中洛外図屏風の原本展示」

4月16日(土)~5月15日(日)

※特別展にて展示

 

【ワークショップ】

「ナイトツアーへようこそ夜の博物館へ 洛中洛外図をたのしむ」

5月13日(金) 19:00~20:30

 

皆さまのご来館を心よりお待ちしております!
 

お問い合わせ 上杉博物館 0238-26-8001

 

2016.03.24:denkoku:[博物館情報]

企画展「上杉家の古写真」 好評のうち終了致しました。

企画展「上杉家の古写真」は、3月21日(月・祝)で終了しました。

会期中には5987人の方にご覧いただきました。

ありがとうございました!

 

1、沖縄関係
開幕直後に、首里城内部はじめ沖縄の写真がテレビや新聞で取り上げられたこともあり、大きな反響がありました。地元沖縄の新聞でも大きく報じられ、遠路沖縄からの調査や見学者もみられました。

 

2、人物の推定
 今回、他家の写真や聞き取り調査などにより、写っている人物を調べ、集合写真の一部は壁面の拡大パネルに名前を書き入れ、展示しました。展示開始後も、上杉家の親戚の方や市民の皆様から情報や貴重な写真が寄せられ、さらに調査が進みました。

 

3、君の名は…
 まだまだ、被写体がわからない写真がたくさんあります。幕末から明治期の写真について、全国的に旧大名や有力者の写真類を調べる必要がありそうです。また、米沢や置賜の人物写真についても、さらなる調査が必要です。米沢藩士の写真情報などございましたら、お知らせください。

 

 展示は終了しましたが、今後とも上杉家所蔵写真の調査・整理を進めてまいります。

さて、どんな「発見」があるでしょう。お楽しみに。

 

お問い合わせ

米沢市上杉博物館 0238-26-8001

 

2016.03.24:denkoku:[博物館情報]

企画展「上杉家の古写真」 展示資料のご紹介5

この展覧会の会期も残り4日、3月21日(月・祝)までとなりました。

さて、展示資料のうち2枚の写真をご紹介します。

 

1、上杉茂憲と家臣達
幕末期(1860年代)
6.2×10.0cm    上杉家蔵

 慶応2年(1866)の写真をもとに、左から3人目の椅子に座っている人物を上杉茂憲と推定しました。その他の人物は未詳ですが、上杉家の親戚や米沢藩の家臣達でしょうか。後列に立って煙管を持つ人物と、茂憲の右隣に座る人物は、茂憲と同程度の地位(大名かその子息)の可能性が考えられます。左右の端には、小姓らしき近臣が控えています。
 背景には布を垂らし、床にはゴザのようなものがひかれています。専用のスタジオができる以前、幕末に撮影されたもののようです。未詳の点も多くありますが、幕末の米沢藩の人々を写した、貴重な一枚です。
 
 この他、米沢新田藩主・上杉勝道の湿版写真、上杉茂憲の兄弟と思しき人物の名刺判写真などを第一章で展示しています。

 

2、目隠し鬼に興じる女性たち
明治後期
11.0×13.8cm    上杉家蔵

 白い布で目をおおった女性が他の女性を捕まえようとしており、目隠し鬼の最中のようです。中央の2名は「鬼さん、こちら」とでも言うのか、手を叩いて囃しているようにみえます。女性はいずれも10代半ば以降のようです。鷹司房子(上杉憲章の妻)のアルバムに貼り込まれており、写っているのは女学校時代の友人達でしょうか。房子本人の姿は写っていません。上杉家伝来写真のなかでは、珍しく動きのある、楽しげな一枚です。

 

 房子は嫁入りに際し、大量の写真を持参したようです。幼少期から20歳くらいまでの成長記録のアルバム、家族写真、華族女学校時代の集合写真など、明治20年代後半から大正初期にかけての写真が、上杉家に数多く伝来しています。
 展示では第4章で展示しています。

この他、あと4日しか見ることができない、貴重な写真が目白押しです。
お見逃しなく!

お問い合わせ

米沢市上杉博物館 0238-26-8001

 

2016.03.18:denkoku:[博物館情報]

企画展「上杉家の古写真」 展示資料のご紹介 4

米沢の行事と建物

好評開催中の企画展「上杉家の古写真」ですが、会期は3月21日(月・祝)まで、間もなく終了です。お見逃しなく!!
さて、展示資料の紹介の第四弾として、地元・米沢の行事と建物の写真をご紹介します。

 

1、伏見宮下向に際し武徳会古式練兵 1枚
坂根儀一郎 撮影  明治39年(1906)10月10日 
11.8×17.4cm    上杉家蔵

 伏見宮貞愛親王(陸軍大将、大日本武徳会総裁)が武徳会米沢分会出席のため来訪した際に行われた、火縄銃の発砲訓練の様子です。江戸時代、米沢藩では30匁筒など大口径の火縄銃を軍制に取り入れていました。甲冑や笠、火縄銃を放つ人びとの所作と、江戸時代さながらの迫力が伝わってくる一枚です。

 

2、 上杉伯爵邸 玄関  1枚
坂根写真館 撮影  大正14年(1925)10月13日
18.2×22.8cm    上杉家蔵

 上杉伯爵邸は、明治29年、上杉家の本邸として建てられましたが、大正8年に焼失しました。この写真に写っているのは、大正13年に再建された建物(現存)で、翌年10月13日に当時の皇太子(後の昭和天皇)が伯爵邸に宿泊した際の記録写真です。
 玄関付近の建物は、現況とあまり変わらないようです。手前の石灯籠付近には、現在は上杉鷹山の銅像が建てられ、石や植物の配置も変わったので様子が異なっています。
現在の上杉伯爵邸邸については 
http://hakusyakutei.jp/  をご覧ください。
 
 この他、焼失前の伯爵邸を俯瞰的に捉えた写真や庭内の様子、同じく再建前の上杉神社など、明治後期以降の米沢の写真や絵葉書も展示しています。

お問い合わせ

米沢市上杉博物館 0238-26-8001

 

2016.03.18:denkoku:[博物館情報]