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上杉文華館 「謙信を生んだ一族・長尾氏 守護支配の深化~長尾頼景」

2016年度の上杉文華館は「謙信を生んだ一族・長尾氏」をテーマにゆかりの文化財、貴重な史料をご覧いただきたいと思います。

平成28年度、第6回目のテーマは… 「守護支配の深化~長尾頼景」 です。

 

【展示期間】 平成28年8月25日(木)~9月27日(火)  

 

 長尾氏は桓武平氏の一族で、相模国鎌倉郡長尾郷(横浜市戸塚区)を名字の地とし、三浦氏や梶原氏、鎌倉氏、大庭氏、などが同族です。後三年合戦に活躍した鎌倉権五郎景正や、源頼朝に仕えた梶原政景らは一族です。しかし、鎌倉時代の長尾氏の動向はよく分からないことが多いのが実情です。宝治元年(1247)に執権北条時頼によって滅亡に追い込まれた有力御家人三浦氏に味方していたことから没落し、その後鎌倉幕府6代将軍に就任した宗尊親王に従って、京都から鎌倉に下向してきた上杉氏の家臣になったと考えられています。鎌倉幕府が滅び、室町幕府が開かれると、その重要メンバーであった上杉氏の活躍によって、その家臣である長尾氏も確かな記録にその名をみせるようになりました。

 謙信は越後府中を拠点とした「府中長尾氏」と呼ばれる一族の出身です。この長尾氏は越後守護代を代々務めてきました。謙信もまた家督継承とともに越後守護代に就きました。

2016年度第6回目の上杉文華館は、「守護支配の深化」と題し、15世紀後半、就中越後守護上杉房定による越後支配が強化されていく様子を、守護代長尾頼景の存在とともに紹介していきます。

▼ コレクショントーク

 「謙信を生んだ一族・長尾氏  守護支配の深化~長尾頼景」

平成28年8月27日(土)14:00~

場所: 常設展示室 上杉文華館

※入館料が必要です。

お問い合わせ 米沢市上杉博物館 0238-26-8001まで

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

2016.08.26:denkoku:[博物館情報]

次回企画展のご案内

821日(日)をもちまして、「生誕120年 椿貞雄展―椿貞雄と岸田劉生―」後期の展示が好評のうち終了致しました!

 

次回展覧会のご案内です。

829日(月)からは、

開館15周年記念企画展「時間旅行展―TIME! TIME! TIME!を開催します。

時間の不思議を体感する、体験型の展示です。

 

退屈な時間は長く、楽しい時間はあっという間に過ぎる・・・と感じた事がある方は多いのではないでしょうか。

時計やカレンダーの時間のように、心や体が感じる時間は一定ではありません。

本展覧会では、普段何気なく過ごし、いつの間にか過ぎ去っている、目に見えない「時間」というものを、さまざまな展示物を通して体験していきます。

夏の終わり、知らない国を旅するように、知らない時間を旅してみませんか?

皆様のご来館をお待ちしております!

 

 

◆開館15周年記念企画展「時間旅行展―TIME! TIME! TIME!」◆

 

【期間】

平成28829日(月)~平成28924日(土)

※会期中休館日なし

 

【時間】

9時~17時まで(入館は1630分まで)

 

【料金】

一般 410320)円 高大生 300240)円 小中生200160)円

※( )20名以上の団体料金

 

【時間ツアー】

時間旅行展の展示物を体験しながら、「時間」の不思議について考える展示室ツアーです。ナビゲーターは当館学芸員です。

93日(土)1400

910日(土)1100

※申込不要

※企画展のチケットが必要です。

 

【企画・制作】

日本科学未来館

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館 TEL:0238-26-8001

2016.08.22:denkoku:[博物館情報]

椿貞雄 特集④

この特集では、椿貞雄が画家としてデビューするまでの道のりを簡単にご紹介しています。

本日は最終回「画家デビュー」です。

④画家デビュー

椿は、冬休みで帰省していた米沢から劉生に面会を申し込むための手紙を出し、12月29日付で了承の返事を受け取ります。歓喜した椿は、1月2日に慌しく帰郷し、劉生に見てもらうための自画像を描き始めます。

そして、1月9日に、完成した「自画像」と、旧作「道」を持参し劉生宅を訪問したのです。椿は、「批評を仰ぐために持っていった僕の自画像を褒めてくれ、それが劉生自身も嬉しくてたまらないといった様子であったし、僕のために喜んでくれ親切丁寧に注意を与えた事に驚いた」と当時の事を語っています。

劉生の勧めで3月、巽画会第15回美術展に出品し、見事最高賞を受賞します。この展覧会で椿は中央画壇にデビューし、父親から画家になる許しを得ますが、間に入りとりなしたのは劉生でした。画学生としての期間もなく、さらに上京1年を待たずしての中央画壇への登場は異例のスピードだったことでしょう。

ここから、画家としての椿の人生が広がっていくのです。

2016.08.07:denkoku:[博物館情報]

上杉文華館 「謙信を生んだ一族・長尾氏~巻き返す守護~」

2016年度の上杉文華館は「謙信を生んだ一族・長尾氏」をテーマにゆかりの文化財、貴重な史料をご覧いただきたいと思います。

平成28年度、第5回目のテーマは… 「巻き返す守護」 です。

 

【展示期間】 平成28年7月28日(木)~8月23日(火)  

 

 長尾氏は桓武平氏の一族で、相模国鎌倉郡長尾郷(横浜市戸塚区)を名字の地とし、三浦氏や梶原氏、鎌倉氏、大庭氏、などが同族です。後三年合戦に活躍した鎌倉権五郎景正や、源頼朝に仕えた梶原政景らは一族です。しかし、鎌倉時代の長尾氏の動向はよく分からないことが多いのが実情です。宝治元年(1247)に執権北条時頼によって滅亡に追い込まれた有力御家人三浦氏に味方していたことから没落し、その後鎌倉幕府6代将軍に就任した宗尊親王に従って、京都から鎌倉に下向してきた上杉氏の家臣になったと考えられています。鎌倉幕府が滅び、室町幕府が開かれると、その重要メンバーであった上杉氏の活躍によって、その家臣である長尾氏も確かな記録にその名をみせるようになりました。

 謙信は越後府中を拠点とした「府中長尾氏」と呼ばれる一族の出身です。この長尾氏は越後守護代を代々務めてきました。謙信もまた家督継承とともに越後守護代に就きました。

2016年度第5回目の上杉文華館は、「巻き返す守護」と題し、守護代長邦景・実景父子が絶大な権力をふるう状況に対する守護の動向、就中越後守護上杉房定による越後支配の実権掌握について紹介していきます。

▼ コレクショントーク

 「謙信を生んだ一族・長尾氏 ~巻き返す守護~」

平成28年 7月30日(土)14:00~

場所: 常設展示室 上杉文華館

※入館料が必要です。

お問い合わせ 米沢市上杉博物館 0238-26-8001まで

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

2016.07.28:denkoku:[博物館情報]

椿貞雄 特集③

この特集では、椿貞雄が画家としてデビューするまでの道のりを簡単にご紹介しています。

本日は第3回、「劉生との出会い」です。

③劉生との出会い

「恐る恐る会場に這入って見ると、誰一人居らず、深閑としていた。然と睨みつけている様な劉生の多くの自画像や、彼の一番の対策である百二十号の水浴する子供等が、ずらりと陳列されて居り、彼がセザンヌ風からクラシックに変わった時の作品である。

真剣厳粛の気が充満していて息の止まるような思い、この張切った力に圧され僕は長く会場に止まることが出来ず逃げるように外へ出たのであった。

『これだ、これだ』と心の中で叫びながら。

(「岸田劉生と僕」、『ふさ』1955年3,4,5,7号)

椿も書いているように、この個展に出品されていた劉生の作品は、彼が後期印象派のゴッホやセザンヌの影響を捨てて、北欧クラシックのデューラーやファン・アイクに変わった最初のものでした。

北国米沢から出てきたばかりの椿青年の心を捉えたのが、劉生の新しい北方的色彩への感動だったのかもしれません。

画家になるという夢のため上京したものの、まだこれといった方針が立っていたわけではなかった椿にとって、上京1カ月にして見た劉生の個人展は、まさに運命的な出会いであり、何としても師事したいという思いを募らせました。

後に椿は、劉生との出会いを「自分にとっては単なる偶然とは思えない。この事は自分の一生を決定づけたといっていい」と語っています。

劉生を知ることにより、椿はさらに白樺の武者小路実篤、長与善郎と近づく事になり、「芸術及び人生の根本と本質を学ぶことが出来た」のです。

2016.07.27:denkoku:[博物館情報]