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コレクション展 展示品紹介

 本日1月14日に最終日を迎えたコレクション展「初公開 上杉家ゆかりの名品と地域の歴史を語る資料」から、展示中の資料をご紹介します。

 お客様からは、内容よりも「なぜ赤い紙なの?」というご質問をいただきました。この文書は下書のため、あまり上等ではないこのような赤い紙を使用した可能性がありそうです。

堀内忠淳執成願書下書  1通
安政4年(1857)7月
15.3×90.4
2010年度 寄贈 (中條家〈米沢藩医〉文書)
〔解説〕
 藩医の堀内忠淳(忠亮、堀内素堂の子)が藩に提出した上申書の下書です。米沢藩領九十九村(津久茂村、高畠町夏刈)の在村医、二宮忠貞と養子桂庵の経歴を称え、桂庵を正規の「医家」に引き立てて欲しいと訴えています。
 この文書によれば、親子ともに米沢藩医堀内家に学んだ後、さらに江戸で修業を積んでいます。特に桂庵は大槻俊斎(後の種痘所頭取)に入門し種痘(天然痘の予防接種)に精通、とあります。地元に戻って開業すると「北條郷第一の流行家」と称されました。また、街道を通行する幕府や諸藩の役人、旅人の治療も務め、地域での種痘にも尽力しています。
 江戸時代後期には、領内各地の在村医が、藩医と連携しつつ地域の医療を担っていました。

中條家文書(米沢藩医)
 2010年、16年と2度に分けて江戸時代後期から近代の資料計438点が寄贈され、2016年度に整理が完了しました。医師としての日常の活動に加え、茶道や漢詩などの文化活動、戊辰戦争への従軍など多彩な内容です。

 

 

 本展覧会は1月14日で終了します。おかげさまで、1万1000人以上の皆様にご覧いただきました。上杉家ゆかりの品のや保存状態がすばらしい、身近な地域の歴史や暮らしぶりがわかった、というようなお声をたくさんいただきました。ありがとうございました。

展覧会の情報はこちら。
http://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/102hatu.htm

 当館では、今後とも資料の収集、整理、調査研究に努め、展覧会やホームページなど様々な媒体を通して情報を公開、発信していきます。ぜひご覧ください。

なお、同展覧会が1月10日付の山形新聞で紹介されました。記事はこちらからご覧いただけます。
http://yamagata-np.jp/news/201801/10/kj_2018011000168.php

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2018.01.14:denkoku:[博物館情報]

コレクション展 展示品紹介

現在開催中のコレクション展「初公開 上杉家ゆかりの名品と地域の歴史を語る資料」から、注目の資料をご紹介します。展示の最後のコーナーでは、明治時代以降の、米沢出身の政治家や学者、社会の変化について紹介しています。

解説
平田東助写真   1枚
 写真乾板
大正年間(20世紀)
 16.3×12.0
平田東助上奏文草稿  1枚
 明治時代(19世紀)
 16.5×49.0


2016年度 寄贈(平田東助関連資料)
 平田東助は米沢出身の官僚、政治家です。藩医・伊東家に生まれ、大学南校(東京大学の前身)、さらにドイツで学び、内務省に勤めます。その後は法制局部長、貴族院議員、農務大臣、内大臣などを歴任しました。
 コートを着て立つ全身像の写真乾板と、枢密院の役割に関する上奏文(天皇への意見書)草稿を展示しています。
 
平田東助関連資料 
 遺族から寄贈された勲章、写真、草稿、家族の書簡など26件です。彼の資料は大部分が関東大震災で焼失したため、現存するものは稀少です。

本展示は1月14日までです。ぜひご覧ください。 

 

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2018.01.06:denkoku:[博物館情報]

上杉文華館「謙信を生んだ一族長尾氏 長い内乱へ」

2017年度の上杉文華館は、「謙信を生んだ一族・長尾氏」をテーマに国宝を中心としたゆかりの文化財、貴重な史料をご覧いただきたいと思います。

 

【展示期間】 平成30年1月1日(月・祝)~1月28日(日)  

 

 長尾氏は桓武平氏の一族で、相模国鎌倉郡長尾郷(横浜市戸塚区)を名字の地とし、三浦氏や梶原氏、鎌倉氏、大庭氏、などが同族です。後三年合戦に活躍した鎌倉権五郎景正や、源頼朝に仕えた梶原政景らは一族です。しかし、鎌倉時代の長尾氏の動向はよく分からないことが多いのが実情です。宝治元年(1247)に執権北条時頼によって滅亡に追い込まれた有力御家人三浦氏に味方していたことから没落し、その後鎌倉幕府6代将軍に就任した宗尊親王に従って、京都から鎌倉に下向してきた上杉氏の家臣になったと考えられています。鎌倉幕府が滅び、室町幕府が開かれると、その重要メンバーであった上杉氏の活躍によって、その家臣である長尾氏も確かな記録にその名をみせるようになりました。

 謙信は越後府中を拠点とした「府中長尾氏」と呼ばれる一族の出身です。この長尾氏は越後守護代を代々務めてきました。謙信もまた家督継承とともに越後守護代に就きました。

 2017年度 第10回目の上杉文華館は、「長い内乱へ」と題し、享禄3年(1530)に勃発した内乱について紹介します。これ以後、越後では敵対関係、問題を変えながらも、内乱が続き、越後の統一がなるのは上杉謙信の登場を待たなくてはなりません。

 

上杉文華館では、「国宝上杉本洛中洛外図屏風」(複製)も公開しています。

 

 

▼ コレクショントーク

 「謙信を生んだ一族長尾氏 長い内乱へ」

  平成29年1月7日(日)

  14:00~

  場所: 常設展示室 上杉文華館

  ※入館料が必要です。

 

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館  0238-26-8001

 

2018.01.01:denkoku:[博物館情報]

コレクション展 展示品紹介

 

現在開催中のコレクション展「初公開 上杉家ゆかりの名品と地域の歴史を語る資料」から、注目の資料をご紹介します。年末のあわただしさが過ぎれば、間もなくお正月です。
12月5日以降、年末や正月に関する資料を展示し、それぞれの年や場所の正月についてご紹介しています。その中から、士族の正月がわかる日誌を取り上げます。

 

 

解説
桜井半三郎 日誌  4冊
明治元~21年(1868~88)
2014年度 購入(桜井半三郎文書)
〔解説〕 
 米沢の士族の日誌で、明治元年から同6年と、明治21年から昭和5年まで計28冊を収集しました。桜井半三郎は戊辰戦争のさなかに家督を継ぎ、明治期には警官や小学校の教員を務め、明治29年に隠居しています。
 年末年始に注目すると、戊辰戦争後の敗戦処分が進む明治2年は、私的には例年通り祝う一方、公的な祝賀儀式は行われなかったことがわかります。

桜井半三郎文書 
 先述の日記とは別に、「日要必携」などと題された家計簿が明治20年から大正5年まで22冊あり、士族の経済状況の一端が判明します。他に近代の任命書類など一袋(未整理)があります。

展示の詳細は
http://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/102hatu.htm

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館  0238-26-8001

 

2017.12.24:denkoku:[博物館情報]

コレクション展 展示品紹介

現在開催中のコレクション展「初公開 上杉家ゆかりの名品と地域の歴史を語る資料」から、注目の資料をご紹介します。今回の展示では、置賜地域の歴史や文化、人々の生活を知りうる資料も積極的に取り上げています。そのなかでも注目の高い、「大日本職業別明細図」をご紹介します。

大日本職業別明細図 米沢市 一枚
昭和7年(1932)7月13日 発行
54.3×79.5
2017年度 購入
〔解説〕
 米沢市を中心にした置賜地域の主要都市の略地図で、周囲には公共施設、寺社、史跡などの写真が配されています。交通社が全国で発行していた「大日本職業別明細図」シリーズの一部です。各種職業の案内が主眼となっており、裏面は職業別の索引になっています。

来館者された方の中には、ご自身のゆかりの店や懐かしの場所、今も愛されるお店や史跡などを探しながら、じっくりご覧になる姿もしばしば見られます。

 最後のコーナーで壁面に展示していますので、お見逃しなく。
展示の詳細は
http://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/102hatu.htm

 

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館  0238-26-8001

 

 

2017.12.20:denkoku:[博物館情報]