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上杉文華館 米沢初入部250年記念「上杉家文書」に見る上杉鷹山

2019年度の上杉文華館は「米沢初入部250年記念「上杉家文書」に見る上杉鷹山」と題して、館蔵の国宝「上杉家文書」に伝えられた文書やほかの館蔵資料を通して、鷹山の人生の一コマを紹介していきます。

 

【展示期間】2019年3月26日(火)~2019年5月24日(金)

 

《鷹山の人柄》

 鷹山は、宝暦元年(1751)7月20日、高鍋藩主秋月種美の二男として江戸に生まれました。母方の祖母が4代米沢藩主上杉綱憲の娘でした。宝暦10年10月19日、8代米沢藩主上杉重定の養子として上杉家の江戸上屋敷桜田邸に移りました。そして、明和4年(1767)4月24日、上杉家の家督を継ぎ、数え年17歳で9代藩主に就任しました。ここに財政難に苦しむ米沢藩の再建が若き藩主に委ねられました。その2年半後、明和6年(1769)10月、鷹山は初めて領地米沢に足を踏み入れました。

 次期藩主となる大名の子息は、江戸藩邸に暮らすことが決まりでした。国元で生まれても幼いうちに江戸へ上ります。家督を継いで大名となり、将軍から暇を得て帰国しますが、藩主として初めての帰国は特別のことでした。藩士らにとっての新しい主人であり、新しい関係の始まりでした。例年行われる行事でも、この時ばかりは特別の次第で行われるものが少なくありませんでした。

 2019年度第1回は「鷹山の人柄」をテーマにします。鷹山の初入部に関する資料や、国宝「上杉家文書」の中で未公開の鷹山関係文書などを展示して、鷹山の人となりに迫っていきたいと思います。

 

 上杉文華館では、「国宝上杉本洛中洛外図屏風」も公開します。4月20日~5月19日には原本を、その前は2000年制作の複製B、後は1995年製作の複製Aを展示します。

 

▼ コレクショントーク

  2019年4月7日(日)

  2019年5月12日(日)

  14:00~14:30

  場所:常設展示室 上杉文華館

  ※入館料が必要です。

 

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2019.03.26:denkoku:[博物館情報]

アートコレクション展会期終了まであと3日

アートコレクション展「美術の見方案内所Ⅱ~みる・きく・ふれる・かんじる~」

まだまだと思っていた会期も残すところあと3日となりました。予想を超えて多くの方にご来館いただき、本当にありがとうございます。


 今回の展覧会で毎週展示替えをしている作品があります。お気づきですか?「暮らしと美術」のコーナーにある芹沢銈介の「型絵染カレンダー」です。12か月があまりにも美しく表現されているので、週ごとに月替えしていました。また、椿貞雄が大切にしていたガラス花瓶とそれを描いた作品を離れたコーナーに展示しています。こちらもお見逃しなく!「みなさんの気になる作品」にもぜひご参加ください。

 近代から現代と「美術」の価値や意味は変化してきています。純粋に作者の感動を形にしていた時代から、様々な社会の課題と向き合う一つの「ちから」としての役割も担うようになってきています。「美術」を通して様々な見方、価値観を発見し認めあうことで私たちの世界は広がっていきます。 

 17日まで皆様のご来館をお待ちしております。

 

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2019.03.15:denkoku:[博物館情報]

上杉文華館「初公開 上杉鷹山関連および幕末・明治期資料」

本年度の上杉文華館は、「初公開 上杉鷹山関連および幕末・明治期資料」をテーマに国宝を中心としたゆかりの文化財、貴重な史料をご覧いただきたいと思います。

 

【展示期間】平成31年3月5日(火)~平成31年3月24日(日)

 

《第12回 上杉家の法要》

 

 国宝上杉家文書の近世文書には上杉鷹山周辺の多くの内政文書や幕末・明治期資料が含まれています。今回は上杉鷹山周辺の不幸に関する法要や、忌服(喪に服すこと)の期間についての鷹山の考えを示した文書など五通と歴代藩主の中から七代藩主上杉宗房の法要の記事を『歴代年譜』から紹介します。

 

  元和九年(一六二三)三月二〇日、米沢城で亡くなった初代藩主上杉景勝は、その直前の三月九日に法音寺(真言宗)と極楽寺(浄土宗)宛に自筆遺言状を残し、死後の葬儀や年忌の供養を詳細に指示しています。景勝の葬儀は法音寺能海が導師を勤め、遺骸は荼毘に付され(火葬)、遺骨は能海が守護して高野山清浄心院に納められました。以後の藩主もこれにならい、米沢で火葬の後、遺骨は高野山に納められ宝塔が建てられました。七代藩主宗房は火葬された最後の藩主で、八代藩主上杉重定からは土葬へと葬法が転換しました。莅戸善政は高野山清浄心院に、従来は遺骨と位牌を納め、山上に宝塔を建立していましたが、土葬となったため、位牌だけを納め宝塔建立も延期させてほしい旨、書状を送りました。高野山には宗房までの宝塔しかないことから、宝塔建立は延期から中止になったと思われます。また、従来は法音寺が遺骨を守って上京していましたが、土葬の重定からは、法音寺が米沢で百箇日の法要を勤め、変わって大乗寺と霊仙寺が位牌を守って高野山清浄心院に納めることになりました。また、幕末の藩主であった上杉斉憲と茂憲は神葬という時代を反映した葬儀となりました。

  上杉鷹山周辺の法要は、生家秋月家の実弟秋月頼母種懐(桂林院)の一周忌をめぐるもので、それに対する上杉家の対応と鷹山の兄弟たちの対応が垣間見えます。また、忌服の期間についての鷹山の考えを示した文書では、亡くなったのが実父母か養父母か、男女の別などに言及しており、藩主のように形式化したのを踏襲するものとは異なり、その都度の対応が検討されたものと思われます。

 

 織田信長が謙信に贈った狩野永徳筆の国宝「上杉本洛中洛外図屏風」は、複製(2作目=複製B)となります。

 

▼ コレクショントーク

  平成31年3月9日(土)

  14:00~

  場所:常設展示室 上杉文華館

  ※入館料が必要です。

 

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2019.03.05:denkoku:[博物館情報]

天皇陛下御在位三十年記念慶祝事業について

2月24日(日)には、天皇陛下御在位三十年記念式典が挙行されます。


これを記念し、天皇陛下御在位三十年記念慶祝事業として、
式典当日は当館の常設展・企画展を無料公開致します。

 

只今行っている企画展示は

アートコレクション展「美術の見方案内所Ⅱ~みる・きく・ふれる・かんじる~」

となっております。

 

この機会にぜひご来館ください!

皆様のご来館を心よりお待ちしております。

 

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2019.02.22:denkoku:[博物館情報]

上杉文華館「初公開 上杉鷹山関連および幕末・明治期資料」

本年度の上杉文華館は、「初公開 上杉鷹山関連および幕末・明治期資料」をテーマに国宝を中心としたゆかりの文化財、貴重な史料をご覧いただきたいと思います。

 

【展示期間】平成31年2月5日(火)~平成31年3月3日(日)

 

《第11回 細井平洲の教え》

 

国宝上杉家文書の近世文書には上杉鷹山周辺の多くの内政文書や幕末・明治期資料が含まれています。今回は上杉鷹山の学問の師、細井平洲の書状三通です。

尾張国平島村(愛知県東海市)出身の細井平洲の姓は紀氏、諱を徳民、通称甚三郎と言いました。二四歳で江戸に家塾嚶鳴館を開きました。はじめ、生活のため行っていた辻講釈でしたが、それを聞いた鷹山の侍医で学者の藁科松伯が米沢藩に推薦したと言われます。明和元年(一七六四)一一月一六日、上杉家の江戸桜田邸で、八代藩主重定、世子鷹山に初講義を行いました。鷹山一四歳、平洲は三七歳でした。「学思行相須つ」、つまり、学び・考え・実行するという三つがそろって初めて学んだことになる、という実践を重んずる平洲の教えは、鷹山の治世に強い影響を及ぼしました。

国宝上杉家文書中に平洲書状は一八通含まれ、平洲は学問を教授するだけでなく、鷹山の政治に対する様々な相談にのっていたことも確認できます。また、弟子である米沢藩士の書籍購入にも尽力していたことなどが知られます。平洲は米沢に三回下向し、学館再興(藩校興譲館)の指導、落成した学館の運営指導等行いました。入館を許された諸生への講義はもとより、町人・農民への通俗講話等も行われました。平洲は尾張藩、人吉藩にも招かれ、藩主や世子の指導にあたり、享和元年(一八〇一)、江戸で七四歳の生涯を閉じました。

一八通の多くはすでに公開していますが、今回の三通は初公開です。三月二五日付の書状には、「学問大意」のことがでてきますので、寛政元年(一七八九)のものと推定できます。鷹山は一族の子弟、子女に教訓書を贈っていますが、「学問大意」は、鷹山の義弟にあたる上杉重定の六男近江定興に贈られたものです。定興は旗本内藤家の養子となり、内藤信政と名乗ります。「学問大意」は鷹山が定興に贈る前に、平洲に送って指導を受けていたことがわかります。四月一一日付の二通は、鷹山の実子直丸(後の顕孝)が、一〇代藩主上杉治広の世子として江戸に登り、その師について相談したことに対して答えていますので、寛政四年(一七九二)と推定できます。日付の同じもう一通は別紙、追伸にあたります。直丸の江戸登りと交代する形で帰国した駿河守(米沢新田藩三代藩主上杉勝定、上杉重定五男)について、米沢ではなかなか学問をすることが難しくなるので、なるべくその時間を作ってほしいと認めています。

米沢と江戸の距離を、鷹山と平洲の書状は行き来しています。平洲は直丸の師ともなりますが、上杉家一族の人たちのこともよく理解し、気遣いをみせています。

 

織田信長が謙信に贈った狩野永徳筆の国宝「上杉本洛中洛外図屏風」は、複製(2作目=複製B)となります。

 

▼ コレクショントーク

  平成31年2月9日(土)

  14:00~

  場所:常設展示室 上杉文華館

  ※入館料が必要です。

 

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2019.02.05:denkoku:[博物館情報]