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令和4年度 上杉文華館「関東管領上杉氏」

  • 令和4年度 上杉文華館「関東管領上杉氏」

 

 令和4年度の上杉文華館は「関東管領上杉氏」をテーマに、国宝「上杉家文書」などを展示します。

 長尾景虎(上杉謙信)は、永禄4年(1561)閏3月、上杉憲政から山内上杉氏の名跡と関東管領職を譲り受けました。ここに、後に米沢藩主となる上杉氏が成立しました。この関東管領の地位を名分として、謙信は関東に出兵し、同じく関東管領を称した北条氏と抗争を繰り広げました。また、江戸時代には関東管領に上杉家の歴史的アイデンティティを見出していました。この謙信が継いだ上杉氏の歴史を国宝「上杉家文書」からみていきます。

 室町幕府は、東国支配のために鎌倉府という地方機関を設置しました。これは、足利尊氏の息子義詮・基氏、そして基氏の子孫に継承された鎌倉公方をトップとして、幕府とほぼ同様の組織を編成し、管下の武士に対して強力な支配を行っていました。その鎌倉府のナンバー2の地位にあって、鎌倉公方を補佐し、政務を統轄する立場にあったのが関東管領でした。初期は上杉氏以外の諸氏も含めた人事がなされましたが、最終的に山内上杉氏が継承、家職と位置付けられていきました。15世紀半ばに鎌倉公方と関東管領の対立によって鎌倉府が崩壊した後も、関東支配の重要な地位にあり続けました。

 

 

《上杉氏の台頭》

【展示期間】3月29日(火)~4月26日(火)

 

 第1回目は、「上杉氏の台頭」と題し、鎌倉時代末から南北朝初期(14世紀半ばごろ)、上杉氏が歴史の表舞台に時代を動かす存在として確かな足跡を残し始める時期の動向、特に重要人物について紹介します。上杉氏は勧修寺氏支流の出身で、朝廷に仕えていましたが、建長4年(1252)、後嵯峨天皇の皇子である宗尊親王が、鎌倉幕府6代将軍に就任した際、重房が随行して鎌倉に下り、武家となりました。また、重房・頼重親子2代にわたって娘を有力御家人の足利氏に嫁がせたことから、足利氏との密接な関係を築きました。そして、頼重の娘清子は足利尊氏・直義兄弟を生みました。

 鎌倉幕府の打倒、建武の新政の成立と崩壊、室町幕府の成立と、大きく変化する情勢の中心に尊氏・直義兄弟はいました。行動を共にした上杉氏は、その時代を動かす役割の一端を担いました。

 

 「国宝上杉本洛中洛外図屏風」(複製)も展示します。2000年制作の複製で、現状を忠実に再現しています。

 

 

▼ コレクショントーク

 日時:4月3日(日)  10:00、15:00

 場所:常設展示室 上杉文華館

 ※入館料が必要です。

 

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

 

【お問い合わせ】

米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2022.03.29:denkoku:[博物館情報]

【次回展示予告】特別展「戦国京都と上杉家」

  • 【次回展示予告】特別展「戦国京都と上杉家」
  • 【次回展示予告】特別展「戦国京都と上杉家」

4月16日(土)よりはじまる特別展のお知らせです。

特別展「戦国京都と上杉家」

 

 戦国時代は、個々の戦国大名が一つの地域国家として領国を自立的に支配した時代でした。一方で、戦国大名は将軍や天皇と関わりを築くために自ら積極的に働きかけ、自身の領国支配や他領域進出に活かそうともしていました。戦国大名は領国の統治だけでなく、京都の将軍や天皇との外交関係も重視していたのです。これは、越後国の戦国大名・上杉謙信やその父・長尾為景も同様でした。

 しかし、応仁の乱以降の京都は、抗争が後を絶たず、将軍や公家が離京するなど、まさに激動のさなかにありました。この混沌とした情勢のなか、将軍や天皇は「静謐」(世情の安定)を図るため、有力な戦国大名に接近し、その実現に努めました。これには謙信以前から、父の為景や兄の晴景が関与していました。またその際、交渉の窓口として、両者の間を取り持った使者たちの活躍も見過ごせません。

 上杉家ゆかりの文化財には、将軍や天皇からの贈答品が現存するほか、国宝「上杉家文書」の中に京都との外交交渉や文化的交流を示す史料が数多く残されています。上杉家の京都外交が政治的関係の構築のみならず、文化的素養を育む機会にもなったことは注目されます。

 本展では、複雑化する戦国時代の京都情勢に、長尾・上杉家がどのように向き合い、外交に取り組んできたのかをご紹介します。

 

【期間】4月16日(土)~6月19日(日)
 前期:4月16日(土)~5月15日(日)
 後期:5月21日(土)~6月19日(日)

【休館日】5月25日(水)

【開館時間】9:00~17:00(チケット販売は16:30まで)

【入館料】一般700円(560円)/高大生450円(360円)/小中生300円(240円)

    ※( )は20名以上の団体料金

    ※常設展とのセットのみ販売

 

♦入館料無料の日 

 5月5日(木・祝)こどもの日 高校生以下入館無料!

 

【ギャラリートーク】展示解説 ※事前申込制

 日   時 : 前期①4月16日(土) 17:15~

           ②5月7日(土) 9:15~

         後期③5月21日(土) 17:15~

           ④6月11日(土) 9:15~

         ※①②は3月28日(月)、③④は4月25日(月)の9:00より受付開始 

 場   所 : 米沢市上杉博物館 企画展示室

 定   員 : 各20名

 担当学芸員 : 池野理

  ※ギャラリートーク参加には特別展の入館料が必要です。

 

【募集制ワークショップ】 ※事前申込制 4月7日(木)9:00より受付開始

 ナイトツアー「国宝 上杉本洛中洛外図屏風の世界を楽しむ」

 日 時 : 5月13日(金) 19:00~20:30

 場 所 : 米沢市上杉博物館 企画展示室

 定 員 : 20名 ※中学生以下は保護者同伴

 参加費 : 500円

 

【講演会】 ※事前申込制 5月9日(月)9:00より受付開始

「上杉謙信をはじめとする戦国大名は、なぜ足利将軍と交流しつづけたのか」

 日 時:6月4日(土)14:00~16:00

 会 場:伝国の杜 2階大会議室

 定 員:80名

 参加費:無料

 講 師:法政大学・早稲田大学非常勤講師 山田康弘氏

 

※ギャラリートーク、募集制ワークショップ、講演会のお申込み

  TEL 0238-26-8001

 

詳しくは当館ホームページをご覧ください。

 

皆様のご来館を心よりお待ちしております!

 

【お問い合わせ】

 米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2022.03.26:denkoku:[博物館情報]

令和3年度 上杉文華館「上杉定勝」

  • 令和3年度 上杉文華館「上杉定勝」

 

2021年度の上杉文華館は「上杉定勝」と題して、国宝「上杉家文書」に見える上杉定勝関連資料を中心に約1ヵ月ごとに展示替えをしながら、その他の関連資料を含めて展示します。

 

【期間テーマ】我が子へ

【展示期間】2022年2月1日(火)~2022年3月27日(日)

 ※3月1日(火)以降、国宝「上杉家文書」を展示替え致します。

 

 今回の期間テーマでは、定勝と彼の子ども達に関する資料をご紹介します。定勝には、3代藩主に就いた綱勝をはじめ、虎姫(佐賀藩二代藩主・鍋島光茂正室)、徳姫(加賀大聖寺藩初代藩主・前田利治正室)、亀姫(同藩二代藩主・前田利明正室)、三姫(高家旗本・吉良義央正室)など、7人の子どもがいます。

 当時、疱瘡などの流行病により命を落とすことが珍しくなく、定勝の長男・徳松は疱瘡にかかり4歳で亡くなっています。こうした状況下で、定勝が書いた手紙には、子ども達の健康を気遣う文面が散見されます。参勤交代により米沢と江戸を行き来していた定勝は、家臣とのやり取りを通して子ども達の様子を適宜把握していました。ここに、定勝の父親としての姿がうかがえます。

 

 

【博物館事業の中止・延期のお知らせ】

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、下記の博物館事業を中止・延期いたします。

開催を楽しみにしてくださった皆様には申し訳ございませんが、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

【中止】2/6(日)上杉文華館コレクショントーク

HPにも最新の情報を掲載しておりますので、ご確認ください。よろしくお願いいたします。

HP: https://denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/top.htm?fbclid=IwAR1IlPYW0a-2PT-t0EclmUvcheDNyeP6uwQsvfpooB4R4T2vBVim4IIG8HI

 

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

 

【問い合わせ】

米沢市上杉博物館 0238-26-8001

2022.02.01:denkoku:[博物館情報]

【次回展示予告】開館20周年記念コレクション展 国宝「上杉家文書」の世界Ⅵ 戦国の交渉

  • 【次回展示予告】開館20周年記念コレクション展 国宝「上杉家文書」の世界Ⅵ 戦国の交渉
  • 【次回展示予告】開館20周年記念コレクション展 国宝「上杉家文書」の世界Ⅵ 戦国の交渉

2月11日(金・祝)よりはじまるコレクション展のお知らせです。

開館20周年記念コレクション展 国宝「上杉家文書」の世界Ⅵ 戦国の交渉

 

 近隣大名と抗争を繰り広げていた戦国大名は、共通の敵を持つ大名や中立的な立場の大名、時には敵対する大名とも交渉し、友好的関係や同盟関係を結び、維持することに努め、自らの立場を守ろうとしました。

 このような交渉は、大名同士が対面して行われることは稀でした。使者が派遣される場合、大名の意思を口頭で説明し、より詳しい、具体的なやりとりがなされたと思われます。しかし、その場合でも大名やその側近の文書が相手に渡され、交渉を進める手立てとなりました。また、常に使者の派遣が可能とは限りませんでした。飛脚のように、内容の伝達にはかかわらず、文書を届けるだけの場合もありました。大名同士の意思疎通に文書が果たした役割は、実に大きかったのです。

 国宝「上杉家文書」には、長尾氏・上杉氏と諸大名との外交交渉を示す書状が数多く残されており、その特徴の一つに挙げることができます。本展では、これらから戦国大名の外交交渉をめぐるさまざまな様相を紹介していきます。

 

【期間】2月11日(金・祝)~3月13日(日)

【休館日】毎週月曜日

【開館時間】9:00~17:00(チケット販売は16:30まで)

【入館料】一般210円(160円)/高大生110円(80円)/小中生50円(40円)

     ※( )は20名以上の団体料金

 

【ギャラリートーク】展示解説 ※事前申込制 

 日   時 : ①2月11日(金・祝) 17:15~ 〈延期〉2月23日(水・祝)17:15~

         ②3月13日(日)     9:15~

  ※①は1月20日(木)、②は2月15日(火)の9:00より受付開始

 場   所 : 米沢市上杉博物館 企画展示室

 定   員 : ①20名

         ②10名

 担当学芸員 : 阿部哲人

 ※コレクション展の入館料が必要です。

 ※ギャラリートークのお申込み

  TEL:0238-26-8001

 

展覧会の詳細は当館ホームページをご覧ください。

 

皆様のご来館を心よりお待ちしております!

 

【お問い合わせ】

 米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2022.01.27:denkoku:[博物館情報]

上杉文書の概要と調査

  • 上杉文書の概要と調査

今年度から、当館所蔵の上杉文書約1万点の史料調査を実施中。

写真は目録作りの様子です。

文化庁の「地域活性化のための特色ある文化財調査・活用事業」の補助を受け、5カ年の計画で進めています。

調査事業の概要は

https://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/uesugimonjyo.htm?fbclid=IwAR1MsA-z-HipGZjuuWhPh-ZD-fK6CYKtC_9D0vxzxtF1cw2ZKWJjTcj1njg

上杉文書は従来も利用されてきましたが、詳細目録はなく、マイクロフィルム未収録の資料もあるため、全容は分かっていません。原本と写本、編纂物が混在し、製本された老中奉書など今後の修理等が必要な史料が多数あり、活用が困難な状態です。

今回の調査では、史料1点ごとに表題、内容、年代、法量、発給関係などを採録し、その伝来や特徴を明らかにしていきます。

調査の様子や成果などをHPやSNSでも、随時情報を発信していきます。

 

【お問い合わせ】

 米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2021.12.26:denkoku:[博物館情報]