現在開催中の孫田稔「赤外線写真展」は、お盆期間中(12~16日)は待合室での展示となります。駅茶での展示は21日から再スタートします。30日までの各週末(金、土、日)の午後1時半から4時までの開場となります。どうぞおいで下さい。
孫田稔「赤外線写真展」から 懐かしい風景のような
孫田さんは赤外線写真の解説書を準備してくれています。ポスターに使われている写真を見ながら、赤外線写真の特徴や楽しみ方を紹介したいと思います。
植物は光合成に不要な赤外線を吸収せずに反射させます。そのため線路沿いの草花は雪が積もったように真っ白になります。樹木は種類によって赤外線を反射する強さが異なり、広葉樹は赤外線を強く反射して白くなりますが、写真の正面奥にある針葉樹は反射が弱くグレーっぽく写ります。また緑色の葉に隠れて見えなかった樹木の枝が、墨のような質感で浮き上がってきます。
赤外線は直進性があって、大気中の微粒子があっても散乱しにくいという性質があります。このため遠くにある山や雲が肉眼では霞んで見えない場合でも、赤外線で見るとはっきりと見ることができます。遠くのものが目の前にあるかのようにくっきりと見えるため、絵画のような超現実的な世界が生まれるのだそうです。
この撮影地は梨郷第7踏切付近から最上川橋梁に向かう場所です。懐かしい風景のような、あるいは重苦しい夢のようなこの作品を観て、あなたはどのような心象風景を思い描くのでしょうか。それも写真の楽しみ方の一つなのかもしれませんね。
想い出のあの日に駆けるや機関車の ガタガタゴーと鉄橋を渡る
孫田稔「赤外線写真展」から 赤湯駅
これまで荒砥駅と梨郷駅を見てきたが、赤外線写真で映し出された駅舎は存在感が増して、いづれも威風堂々と見えたのであるが、赤湯駅もそうである。
赤湯駅は、昭和63年(1988年)10月25日に長井線開業に合わせて建設された。長井線リポートでは「湖畔の別荘」と書いたが、当時の新聞では「河畔の駅」と評されたという。
写真では周辺の樹木などの色彩が排除されて、駅舎の姿が浮かび上がっている。それは、当時の住民の期待の大きさを映しているようにも思える。「駅」というものの存在に思いを致しても良いのではないだろうか。
孫田稔「赤外線写真展」から 荒砥駅
梨郷駅に続いて、荒砥駅を見てみる。荒砥駅は2003年(平成15年)には「東北の駅百選」に選定されている駅である。外観はその色彩を含めて、高級感のある落ち着いたモダンな駅である。エントランスを入ると開放的な高い天井と洒落たステンドグラスがある。シンプルだけどオシャレで洗練された空間が広がっている。
作品を見ていると様々な雑念が浮かんでくる。雲はそんなに強いオーラを出していたのか、まるで古い城から霊気が立ち上っているようではないか。その時の空の色はどうだったのか、などと写真に問うている。
しばらくして建物の色はどんな色だったのかと、必死になって思い出そうとしていた。ステンドグラスから差し込んで来た光とイルミネーションの灯りが思い出された。「思い出はモノクローム」というコマーシャルソングがあったが、色彩は記憶にとって重要な要素なのだと思う。
モノクロ写真についての感想はこちらからどうぞ
孫田稔「赤外線写真展」から 梨郷駅
いよいよ明後日から始まる孫田稔「赤外線写真展」。その摩訶不思議な世界をちょっとだけご紹介します。
まずは「梨郷駅」。赤外線で見ると、こんな姿が見えてきます。ハイジがバスケット籠を持って走って来るような、あの可愛らしくてファンタジックな世界はどこかに行ってしまいました。もう一つの「停車場風景」が顔を出して来ました。
いわゆる「モノクロ写真」とも違っていることに気付くと思います。さらに樹木や草花からあふれでるエネルギーが、半端なく感じられると思います。駅舎という人工物からは出ていないオーラが、自然の中から溢れ出ています。
ここに写し出される世界をどう理解すれば良いのか、全くわかりません。皆さんもこのカオスの中に、身とシナプスを委ねてみませんか? 今週金曜日からスタートですよ。どうぞお楽しみに!










