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(令和3年7月16日)
2021.07.16:yit-ac:[お知らせ]

第25期生入学式 学校長式辞

  • 第25期生入学式 学校長式辞
 山形工科短期大学校第二十五期生のみなさん、本学への入学、誠におめでとうございます。
 本日は、みなさんの入学を共に祝って頂く筈のご来賓が出席出来ず、また保護者の皆さまにもご不便をおかけして申し訳なく思います。新入生のみなさんは、せっかく始まる新しい生活において、予想以上に長引く新型感染症に不安を抱かれている方もいらっしゃると思います。しかし、我々教職員と、皆さんの所属する派遣企業が新たな学びの場をしっかりと整え、全面的に支援致しますので、是非、住環境を創り出すための知識・技術をしっかりと学んで頂きたいと思います。頑張って下さい。
 みなさんがこれから生活される長井市について、少し紹介します。ここは人口二万七千の一地方都市ではありますが、二〇一八年の二月に国の文化財「重要文化的景観」に選ばれるほど、歴史的な建物や町並みが多く残り、そこで今現在、人々のかつての営みも継承されています。江戸時代の商人のお店や明治時代の洋風建築などがあり、水路が至る所に流れていて建築やまちづくりを学ぶ上で大変適した場所です。時期をみて学習の一環で見学会を行いたいと思いますので期待していて下さい。
 さて、時節柄、私の式辞も短くしなければなりませんので、先人の言葉を一言だけ紹介してまとめにしたいと思います。
 昔の人は本のなかをじっくり自分の足で歩いたのです
 これは小説家三島由紀夫の言葉で、雑誌などで文章が粗末にされることを嘆き、文章というものは、もっとじっくりと味わうべきだと指摘したものです。本来は小説の読み方について書かれたものですが、ここでは少し違う意味で受け取って下さい。建築や家具を学ぶ際、もちろんどんな材料をどのようデザインし、どのように造るかがとても重要で、そのために教科書や参考書があります。しかし、それだけで本当の勉強になるでしょうか。建築や家具は、それを必要とする人がいて、そのために造る人がいる。結局、人が大切です。人がどのようなことを考えて造り、使うのか。そこを踏まえず、ただ造り方だけを覚えてやみくもに造ってもそれは人のためのモノとはなりません。モノづくりを学ぶことと同時に、ヒトを理解することが大切なのです。ではどうすれば良いか。これを知るためには、教科書以外に、建築や家具について書かれた様々な図書をじっくりと読むと良いでしょう。建築家、デザイナー、職人の言葉を知ることで自分の目指すべき道を見つけることも出来ます。インターネット上の情報は一過性のものが少なくなく、信憑性が疑われるものもあります。また、色々な場所に出歩くのが難しい昨今ですから、是非、専門書を読んで少しでも建築や家具を身近に感じて下さい。若い頃に読んだ本は必ず自分の糧となります。本のなかをじっくり自分の足で歩いて下さい。
 この3月に卒業した学生が作った卒業制作は、一般の方々からデザインや使い勝手についてたくさんの高い評価を頂きました。新入生の皆さんも、使うヒトのためとなる建築や家具を創り出せるよう、日々努力して下さい。

 皆さんの二年間の成長に期待しつつ、その第一歩となる今日の良き日を改めてお祝い申し上げます。

令和三年四月三日
             山形工科短期大学校 学校長 小幡知之
2021.04.03:yit-ac:[お知らせ]

第25期生入学式挙行および表彰授与・伝達

  • 第25期生入学式挙行および表彰授与・伝達
 令和3年4月3日(土)、第25期生の入学式を執り行いました。
 感染症防止のため、来賓をお呼びできない状況でしたが、新入生代表の菅野颯斗君(那須建設(株)・長井工業高校出身)が立派に宣誓を行いました。

 また、式典に引き続き、新2年生の優秀学生表彰が行われました。1年次における学業・生活全般の取り組みが特に秀でた者を表彰するもので、受賞したのは次の学生です。

 松田昇汰((株)ヤマムラ)
 長南太樹(那須建設(株))
 馬場脩平(丸ト建設(株))

 さらに、山形県職業能力開発協会会長より「令和2年度認定職業訓練功労」として、加藤俊昭特任教授が表彰されましたので、その伝達式を執り行いました。本学における1998年からの長きにわたるご指導が表彰されたものです。


 (写真は、新入生代表として宣誓する菅野颯斗君)
2021.04.03:yit-ac:[お知らせ]

令和2年度後期技能検定の結果 受検者全員「完全合格」

  • 令和2年度後期技能検定の結果 受検者全員「完全合格」
 先日行われた令和2年度後期技能検定の結果は次の通りです。

 職種:建築大工
 作業名:大工工事作業

 3級 6名受験 6名合格
 2級 3名受験 3名合格

 全員、学科試験(2年次生は技能照査)が合格しているので、実技・学科ともに「完全合格」となり、それぞれの級の「建築大工技能士」となります!

 受験者の内訳は、1年次生4名、2年次生5名です。
 本学に入学してから初めて建築大工の知識・技能を勉強した者も少なくありません。各自の努力が形となりました。

(写真は練習中の様子です) 
2021.03.24:yit-ac:[お知らせ]

第23期生 修了証書授与式 学校長式辞

 二十三期生のみなさん、本日、無事卒業を迎えられたこと、心からお祝い申し上げます。在校生とともに、教職員一同、みなさんの門出を祝福致します。
 
 未だ収まらない新型感染症のため、本日は、ご来賓が出席出来ず、保護者の方々も同席の人数を制限させて頂きました。このような形になったことは誠に残念ですが、ご理解頂きたいと思います。卒業生のみなさんは先日の卒業制作展を見ても分かる通り、入学前と比べて大変大きく成長しました。胸を張ってこの伊佐沢の山から巣立って行って下さい。

 さて、皆さんに送る言葉として、松尾芭蕉の作品を取り上げます。ご存知の通り、芭蕉は、江戸時代前期の俳句を詠んだ人で、各地を旅して句を作り、現在の山形県にも訪れて、山寺立石寺や最上川を題材とした句を詠みました。しかし、今日は少し変わった句を挙げます。

 旅に病んで 夢は枯れ野を駆け巡る

 これは芭蕉が晩年、旅先で詠んだもので、病に伏せって動きはとれないなか、寝ている際の夢では冬の野原を駆け巡るほど、旅をしたいという心からの想いが表れています。
 寂しい雰囲気があるので、今日の晴れの日には合わないような感じもしますが、敢えて取り上げました。その理由をこれからお話します。
 ところで私事ですが、仕事の出張を含めて、知らない土地に出かけるのが大好きで、少しでも時間があるとそのまちや集落を見て歩きます。しかし、この一年、我々は遠出を控えざるを得なくなり、まして、旅行で各地を廻ることは出来なくなりました。芭蕉は自分の病気で動けなくなったので、現在の我々とは状況が異なりますが、 自由に遠出出来ないということでは同じです。むつや能代など東北各地で出会った方々はどうしているだろうかと、時折、私は思い出します。正に夢は枯れ野を駆け巡るです。今しばらくは我慢するしかないでしょう。しかし、社会が感染症を乗り越えることができたら、すぐに旅に出たいと思います。何の為に?建築を調べるためというほど、大袈裟なことではありません。いつもと違う場所は自然環境が異なる。環境が異なれば、人々の生活も、そして建物もまちも異なる。その違いが面白いし、自分の物の見方に新しい角度を与えてくれるのです。特にこれから建築を深く学んでいく卒業生の皆さんにとっては、様々な人々の生活に触れることがとても大切です。是非、仕事の合間を縫ってでも旅に出て、人々に出会い、まちを歩き、その違いを自分の引き出しに一杯詰め込んで下さい。
 もう一つだけ芭蕉の言葉を紹介して締めくくりたいと思います。

 春に百花あり 秋に月あり 夏に涼風あり 冬に雪あり
 すなわちこれ人間の好時節

 これは中世の宋という国、現在の中国ですが、その国にいた僧侶が作った詩を元にしているとのことです。春にたくさんの花、秋には月、夏に涼しい風、冬には雪があって、これらが我々にとって良い時期だということです。取り立てて特別なことは言っていないようです。自然を賛美しているだけの詩のようにも読めます。しかし、自然にある事柄をあるがままに受け取るということを普段、我々はどれ位しているでしょうか。道ばたの花や、夜空の月を立ち止まってじっと眺める余裕が普段の生活にあるでしょうか。皆さんの目の前には、これからは仕事を含めて、生きていく中で様々な問題が起こるでしょう。その時も慌てず、自然のままに受け入れて(この場合は「じねんに」と言った方が良いかもしれませんが)、素晴らしいと思ったことを心にとめ、つまらならいことには左右されない、そういう心にゆとりを持った生き方をして欲しい。芭蕉の言葉を借りて皆さんにこう伝えたいと思います。

 復興から十年経った東北では、ハード整備は着実に進みましたが、未だ復興は達成されていないと感じている住民は少なくありません。そこには建築やまちを整備するだけでは解決出来ない様々な問題があります。どうすれば人々が納得出来る復興が出来るのか。被災した時に、建築に携わる人間は何を考え、どのように行動すれば良いのか。これは卒業生の皆さんに課せられた課題でもあります。一人ひとり、しっかりと考えながら建築の世界を歩んで下さい。

 卒業生諸君の更なる成長を期待しつつ、改めてお祝いを申し上げて、式辞と致します。本日は誠におめでとうございます。


 令和 三 年 三 月 十三 日 
     
                  山形工科短期大学校 学校長 小幡 知之
2021.03.15:yit-ac:[お知らせ]