A5 ボランティアの基本理念は、自発性・無償性・公共性・先駆性の4つです(1992年「生涯学習審議会答申」より)。
そのうち1番大切なのは自発性です。でも、実際は自由意志と強制の間のグレーゾーンの「ボランティア活動」も確かに存在します。ドイツでは18歳の男子に対して1年間の兵役義務か病院等での奉仕活動が課されます。日本でも2000年「教育改革国民会議」が中間報告で「18歳になったら奉仕活動をするようにする」という提言を発表しました。これは、2002年度の「学校教育法」「社会教育法」の一部改正の際に「ボランティアなどの社会奉仕体験活動」の必要性を盛り込むことにつながりました。これらの「奉仕」がボランティア活動かどうか、議論が分かれると思います。
ただ、ボランティア活動とボランティア学習は、区別する必要があります。ボランティア活動とは、「活動者の自由意志が最大限に尊重された、公共の利益に寄与するための市民による非営利活動」であるのに対し、ボランティア学習は、「ボランティア活動の潜在的教育力を活用した、意図的制度的に教育目標が設定された学習活動」を言うからです。学校でのボランティアは多くの場合「ボランティア学習」だと思います。
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