ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
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農業関係の新聞に書きました
前回と書き出しは同じですが、中身は多少ちがいます。
農業関係の新聞から求められて書いたものです。
ご笑覧ください。
環太平洋連携協定(TPP)をめぐる情勢は緊迫度を増してきた。野田佳彦総理は5月の連休中にも訪米し「TPP参加」を表明しようとしている。米国大統領選挙直前のオバマ氏へのお土産ということだろうか。
TPPのねらいとするところは二つ。既にご存じのように「関税の撤廃」と「貿易障壁の排除」。その本質は、大資本や投資家の国境を越えた自由な利益追求のために、参加国の社会の仕組みを変えようとすることだ。その極みは「ISD条項」。知れば知るほど恐ろしいルールである。進出した企業がその国の法律や制度によって不利益を受けたと認識した場合、米国にある国際法廷にその国を訴えて損害賠償を求めることができるというものだ。例えば日本の森が水資源の供給地として外国の企業に買い占められたとしても、国内法では制限を加えることができない。地域振興や環境、森林資源の保護などの名目でおさえようとすれば逆に厖大な罰金が科せられることになる。TPPで農業がこうなる、食がああなるの話だけでなく、この社会自体が危機にさらされる。国が最優先で守るべきはこの国で暮らす人々の安心できる社会の仕組みではないのか!これをいったいなにと交換しようとするのだろうか?とんでもない話だ。
TPPには度し難いもう一つの問題がある。それは秘密主義ということだ。すべての会議の内容や交渉過程はブラックボックスの中にあり、参加国の国民に明らかにされない。人々の暮らしや社会全体、その未来に大きな影響を与える条約であるにも関わらず、その真の担い手である国民はもちろんその国の国会議員にさえ知らされないのだ。議員はその本来の役割を果たすことができない。ただ一握りの決定者が膨大な人々の運命を決めていく。
この国の今と未来のあり方を決めることができるのは世界の大国でもなければ巨大企業でもない。この列島に暮らす人々である。その「国民主権」と「民主主義」をTPPは根本から破壊しようとする。
TPP参加国のオーストラリア、ニュージーランドではISD条項の存在が国民の怒りをかい、TPP反対の機運が急速に拡大しているという。当然だろう。
さて、いうまでもないことだけど、われわれ農民は土ばかり見て暮らしているわけではない。ことここに至ってもなお、「TPPはビジネスチャンス」という農民もいないわけではないが、それは論外だろう。
5月に向けて大きな行動が準備されなければならない。農民、消費者、労働組合、医療関係などの枠を超え、広く連携した国民運動が求められるところだ。
(山形県長井市、水稲、養鶏)
2012.03.23:
kakinotane
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「ぼくのニワトリは空を飛ぶ〜養鶏版〜」
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大きな連携
TPPをめぐる情勢は緊迫度を増してきました。
野田総理は5月の連休中にも訪米し「TPP参加」を表明しようとしています。
大統領選挙直前のオバマへ氏へのお土産ということでしょう。
どこまでも「ポチ」です。
さて、私たちは各界のNGOに呼びかけて、ともに「TPPに反対する人々の運動」をつくり、
さらにそれへの参加と連携を呼びかけてきました。
2010年11月の結成当時は「日本消費者連盟」など20団体に少し足りないNGOとともにスタートしたのですが、
今では100を超えるNGO、団体と情報と課題を共有できるところまできました。
それでもTPP参加阻止を実現できるほどの「国民」的な運動の広がりまでにはまだまだです。
われわれだけでなく各界、各領域の反TPP運動も相互に連携がとれておらず、今もなおばらばらなままです。
確かにそれぞれの集会には代表者を送り、エールを交換し合っていますがそれ以上ではありません。
行動の連携はおろか情報の共有も充分にできていません。
このままでは押し切られてしまう。
この国の今と未来のあり方を決めることができるのは世界の大国でもなければ巨大企業でもない。
この列島に暮らす人々であるという「国民主権と民主主義」にとっての大きな危機。(このような言い方にどこかヒッカッカるところがありますが)
この事態を前にしてなおバラバラのままでいることはゆるされません。
大きな視点にたった大きな運動が求められています。
そしてそのことに誰もが気づいていました。
3月13日、私たち「TPPに反対する人々の運動」は、いよいよ切羽詰ってきたこの時期に、
各界、各領域を越えた幅広い大衆団体・市民団体に、これからの運動方向をともに考える「円卓会議」をよびかけました。
応えてくれたのはパルシステムを先頭に、生活クラブ、大地を守る会などの生協・消費者団体。
全日農、北海道農民連盟、農民連、各地の農民団体などの農業団体。
労働団体、市民団体。
それに食健連などそれだけでたくさんの連携団体をもつネットワーク型組織など多数です。
古い言い方ですし、このようなモノサシが運動の前進にとって何のプラスにもならないことはあきらかですが、あえて言えば
旧「社会党」系、共産党系の垣根を越えた反TPPを願う大衆団体が集まりました。
会議ではTPPをめぐる基本的な考え方と現状を報告しあいました。
第二回目は4月4日。
これからの運動の方向、あり方を話し合います。
いままでバラバラのままだった市井の人々の反対運動が、築かれていた(築いていた)垣根を越えて同じテーブルにつき、これからの方向をともに考える。
お互いを尊重し対等で平等な関係を基調としたうえで、TPP参加阻止の一点に智恵と力を集中する。
時には行動を共にする。
これは運動が勝利するために求められる最低で必要な条件です。
追い詰められた結果とはいえ、もしそれが実現したとすれば
日本の大衆運動にとって記念すべき出来事と言っていいと思います。
また、このような連携が首都圏で取られるとすれば、全国に及ぼす影響は決して小さくはないでしょう。
韓国では韓米FTAが締結されましたが、その秘密主義と、暴かれた内容の余りの不平等性。大手企業の利益と大多数の国民の受ける不利益の大きさに抗議し、
その撤回を求める運動が全国に広がっています。
(韓国において、広範な人たちの耳目をにひきつけ、国民運動ともいえるFTA撤回運動をつくりだしてきたのは、
「歴史的な垣根」を越えようとしてきたそれぞれのリーダーたちの努力だと聞きました。我々にそれができないわけはありません。)
オーストラリアではISDI条項(企業が投資先の国を訴えることができるというルール)をめぐって紛糾しています。
そんな中の日本の反TPP運動の成長はそれら各国の運動への大きな貢献ともなるでしょう。
ともあれ、この4月はTPPをめぐってきわめて大事な月となるはずです。
4月4日を経て「大きな4月行動」へ。
綱渡りのような日々が続きます。
ぜひ、ご注目ください。
そして、ともに創っていきましょう。
菅野芳秀
2012.03.21:
kakinotane
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「ぼくのニワトリは空を飛ぶ〜養鶏版〜」
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冬の玉子はいかがでしょうか?
お米でつながりのできた方に玉子の紹介メールをだしました。
下の文章はそのメールです。
(写真はニワトリたちの様子です。ダブルクリックでよく見えます。)
冬季の玉子はいかがでしょうか?
山形でお米と玉子を作っている菅野農園です。
こちらの田畑はまだ1mを超える雪におおわれていて、
我が家のニワトリたちは四面がビニールで囲まれた鶏舎のなかで春をまっています。
鶏舎の中だって駆けっこができるし、緑の野菜だってあるとはいうものの
外の揺れる若葉、あたたかなお日様、そよ吹く風などの魅力にはかないません。
でも、外で遊べるその日はもうすぐやってきます。
EUでは今年の1月1日からゲージ飼いが禁止になり、平飼いが義務付けられました。
動物福祉という考え方が背景にありますが
狭いゲージという経済効率の籠に閉じ込められ、餌の中にはケミカルと色素がふんだんに入れられ、
その結果としてのおいしそうな「黄身の色」、
美味と感じられるようにコントロールされた味。
それが身体にいいわけがないという消費者運動がニワトリたちの解放を実現しました。
日本のニワトリたちにとっては苦行のような毎日が続いていますが
その日が近いことを願っています。
さて、我が家のニワトリたちの産卵がピークを迎え、多少玉子が余り気味になっています。
3,4月だけなのですが、この時期、食べてみたいという方はおいでになりませんか?
自然卵の味はあっさり系ですが、冬の玉子は比較的濃くなっています。
価格は10個入りで580円。送料は630円となっています。
すこし高いかな・・という印象をおもちかと思いますが、ゲージ飼いの
玉子とは別物とお考えください。
箱の関係上4パック以上となっていますが、お届けしてから
およそ20日間は生でも大丈夫です。
病気がちな方に、お年寄りに、育ち盛りのこどもたちに、
なによりも健康を考える方に。
自然卵はいかがでしょうか?
ご注文をお待ちしています。
土・いのち・循環の下に・・・ 菅野農園
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2012.03.15:
kakinotane
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3月のお米通信から
春の気配
「天気のいい日が今日で3日続いているねぇ。」
「春になったかな。」
雪国の春はこんな会話から始まる。
実際、冬の間なんか朝から晩まで一日中晴れだというのは1か月に2日もないぐらいだ。あとは雪が降っているか曇り空ばっかり。午前中晴れていても午後からは雪。こんな毎日だ。布団が干せない。洗濯物が乾かない。小鳥の声が聞こえない。あたり一面が白と黒の世界。冬の間、誰も勤めに出ていない我が家では雪かきをしたり、ニワトリや玉子の仕事をしたり、好きな本を読んだりして過ごす。
3月になると冬には決してありえない3日続きの晴れた日が現れる。そうなれば春。やがてずんずん雪が融けていく。小鳥たちの声がにぎやかに聞こえてくる。裏にそびえる朝日連峰の急な斜面ではところどころで雪崩が始まる。雪の融けた小川のほとりからフキノトウが芽をだす。味噌汁に散らしたり、てんぷらにしたりして春の味と香りを楽しむ。こうなったら本格的な春の始まりだ。それは同時に農繁期の開始でもある。昼間からお茶と一緒に「藤沢周平」を楽しむなんてできなくなるんですよ。そんな季節、もうすぐそこまできている。
種もみが来た!
農協から種もみが配達になった。今年は「ひとめぼれ」、「つや姫」、「はえぬき」、「黄金もち」の4品種を作ることにした。「つや姫」は山形県の新しい品種だ。おいしいとの評判が広がっている。今年はこれを60aほど作ってみることにした。今年も主力は「ひとめぼれ」。もち米は小田原のお菓子屋さんなどとの契約栽培だ。これらは我が農園から直に消費者にお届けする米だけど「はえぬき」はJA出荷用。JAとのお付き合い米だ。
さあ!今年も
今年も殺菌剤ゼロ、殺虫剤ゼロ、化学肥料ゼロでお米を作る。最初の試練は種もみに着くカビ。そして田植え直後の「イネミズゾウムシ」。これにやられると苗の葉が食べられ、田んぼが白っぽく見えるほどになる。そうなったら秋の収量は半分以下。その覚悟が要る。さあ!今年も。
2012.3
土といのちと循環の下に・・菅野農園 TEL;FAX・0238-84-3196
2012.03.08:
kakinotane
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3.13 緊急市民国際シンポ
3.13 緊急市民国際シンポ
やっぱりTPPでは生きられない! ■
http://antitpp.at.webry.info/201202/article_9.html ■■■
TPPをめぐる動きは国内でも国際的にも急ピッチで進んでいます。
政府はTPP交渉参加に前のめりで、情報も明らかにせず、今春にも参加を強引に決めようとしています。
いま急がなければならないのは、TPPの本質を見極め、ムラとマチ、国境を超えた人びとの連帯で、TPP包囲網をつくることです。
TPPに反対する何人かの国際的な活動家と、
日本で論陣の先頭に立つ東京大学の鈴木宣弘教授を招いて、TPPをめぐる状況と問題点、各国の運動状況、これからの運動のあり方を討論します。
「やっぱりTPPでは生きられない!」。
私たちは昨年2月と10月に討論会、シンポを開きました。
今回の緊急市民国際シンポジウムにも多くの皆さんの参加を呼びかけています。
0ぜひ、ご参加ください!
●日時:3月13日(火)18:00〜21:00
●場所:総評会館2階204会議室(千代田区神田駿河台3-2-11)
地下鉄「新御茶ノ水駅」「淡路町駅」「小川町駅」、JR「御茶ノ水駅」下車
http://www.sohyokaikan.or.jp/access/
●スピーカー(予定変更の可能性あり)
◎ 鈴木宣弘氏(東京大学教授)
1958年、三重県生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科教授。1982年、東京大学農学部を卒業後、
農水省に入省。2006年より現職。
著書に「TPPと日本の国益(全国農業会議所)」「よくわかるTPP48のまちがい (農文協ブックレット)」など。
◎ ローリー・ワラック氏(米・パブリック・シチズン国際貿易監視部門Director)
NAFTA 、WTOなどに関する専門家で反グロ−バリゼ−ションの活動家。
ハ−バ−ド出身の法律家で著書も多数。
下院議員事務所などを経て、1995年より現役職。いくつかの市民団体の設立にも関わり、理事も務める。
共同執筆に「>異常な契約-TPPの仮面を剥ぐ」(ジェーン・ケルシー編・農文協)
◎ ピーター・メーバードック氏(米・パブリック・シチズン医薬品担当)
◎ ラッセル・ノーマン氏(ニュージーランド・緑の党国会議員)
◎ 宗基昊氏(韓国・弁護士)他
●参加費:500円 ※同時通訳あり
★主催★
TPPに反対する人々の運動(共同代表・山下惣一、菅野芳秀、天明伸浩、山崎洋子、色平哲郎、山浦康明)
【問い合わせ先】
「TPPに反対する人々の運動」事務局(担当・上垣)
E-mail:muramachitpp@gmail.com
【参考資料】
※「パブリック・シチズン」って何??
「Public Citizen(パブリック・シチズン)」について…
1971年設立の歴史あるNGOでワシントンに拠点を置く。
「企業はロビイストを雇っているが民衆には声を挙げ、届ける手立てがない」ということで、
「民衆の声を代表し、権力にその声を届ける」ことを活動の基本として調査・研究・分析・提言活動をしている。
特に製薬の分野、核、自動車産業に関する問題で成果を挙げており、
更に巨大企業の利益を世界の民衆の犠牲において実現するような貿易協定に関わる問題では主導的な役割を果たす。
そして企業に対抗し、我々の政府が民衆の利益のために政治をするべく戦っている。
パブリックシチズンには政府の監視部門、エネルギ−計画グル−プ、
国際貿易の監視グル−プ、保健に関する研究グル−プ、訴訟グル−プの5つの政策グル−プを置いている。
→ホームページ
http://www.citizen.org/
2012.03.08:
kakinotane
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申告
確定申告の作業に没頭しているために・・・などというと格好いいけれど
実際はふりまわされている状態で、ブログの更新はちょっとの間お休みです。
どちら様も風邪などひきませぬように。
2012.03.01:
kakinotane
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川の駅の「三番目の意味」についての走り書き
長井市に「川の駅」構想が浮上している。
その駅とレインボープランとの関係は?
うん、そうなんだよ。今のところ何もなし。
それではもったいないではないか。
だからと言ってレインボープラン野菜のレストランを作れなんていうのじゃなく、また、レインボープラン作物販売コーナーなんていう誰もが考えそうなことでもなくさ。第三のつながりっていうのはあるんじゃないかい?
長井市は最上川の最上流に位置するまちで、かつて米沢藩にとって
日本海の北前船とつながる舟運の拠点だった。
また、朝日連峰、飯豊連峰から流れくる清流の合流点で
町の中をくまなく水路てめぐっていて、人々と水との仲のいい付き合いが
昔から長く続いてきたまちでもある。
ま、こんな予備知識を前提にして、鉛筆をなめたのが下のメモだ。
1、循環はいのちの営み。自然は小さな循環、中ぐらいの循環、大きな循環とたくさんの循環に満ちている。それは大気、水、有機物(いのちあるもの)などの自然を構成するすべてのものに通っている摂理。
2、大気は植物と動物を通い、天空をめぐる。水は降っては大地を潤し、また天にのぼる。有機物はことごとく土に返り、養分となって次の生命に活かされていく。自然界はすべて循環。
3、環境問題は循環のなめらかにめぐるところには存在しない。環境問題は循環の渋滞から発生する。肝心なのは循環のスムーズな流れを取り戻すこと。
4、人々は昔から川を通じて交流、交易をおこなってきた。文化、産業、暮らしを相互につなぎ、運び、創りだす大切な役割を担ってきた。
5、川のもう一つの役割は、地上の水の循環の欠くことのできない一翼を担っているということ。
6、雨の一滴は川を通って大海に運ばれ、雲となって天に上り、雨となって大地を潤し、また川となって大海に至る。この大きな水の循環の中で、地上の生き物の生命活動が続いてく。
7、生きている者たちのすべての体の中に体液を持っていて、絶えず体内を循環している。(動物だけでなく草の葉っぱを切っても中から体液が出てきる。)その体内の循環は大きな循環の一部。いったん人間の体内に取り込まれた水は汗や尿となって体外に放出され、大きな循環に合流して行く。草や木に取り込まれた水も動物の体内に取り込まれた水も、大きな水の循環の一部。川―海―雲―雨―大地―川―の一行程を体内に借りているに過ぎない。
8、今、私たちが水をきれいにすること、川をきれいにすることは、とりもなおさず、私たちの生命活動を守ること、暮らしを守ること、未来を守ることにつながっていく。
9、「水のまち長井」は、暮らしの中に水が溶け込み、水との暮らしの智恵を持っているまち。ここに「川の駅」が生まれ、人々が川や水と仲良く暮らす術を広く全国に向って発信していくことは社会への一つの貢献の在り方。
10、この長井にレインボープランという有機物の循環の考え方が育ったことは決して偶然ではない。有機物の循環のまちは生まれるべくして生まれ、根付くべくして根付いた。
11、いのちの営みである水の循環と有機物の循環が、ともにまちの市民の暮らしの中に根付き、智恵となり、文化となって定着しているまち長井。
12、設立される「川の駅」はレインボープランとの関係を前面に押し出すことで、水の循環と有機物の循環をつなぎ、それを実現している模範的地域として長井市を全国に紹介し、発信する拠点として設立される。「川の駅」はその役割を果たすことで、21世紀の人類的課題である環境と循環の取戻しに応えようとする。これが「川の駅」を長井に設立する理由である。
「それだけ?教育や、文化の話だけかい?それで飯が食えるのかねぇ。」
「いやいや何もこれで終わりっていうわけではないよ。土俵をまず描いてみてから何がふさわしいかを考えようということさ。」
「お前の話はいつもまわりくどい!」
「・・・」
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2012.02.24:
kakinotane
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長井市とポン市
2/8〜2/12まで長井市長とともにタイの東北部コンケン県ポン市に行ってきました。
と言いますのは
ポン市は早くから長井市のレインボープランを参考にしたまちづくりを進めていました。
ポン市からこれまでも二度、市長、職員、住民が長井市のレインボープランを視察に来られています。
その都度、「我々のレインボープランをぜひ見ていただきたい。今度はポン市にもおいでください。」というメッセージが長井市長に届けられていました。
ようやく今回、長井市長以下市民がポン市を訪れ、友好を深めてきたというわけです。
ポン市の「郡役所前の市場」、「100年の杜プロジェクト」、「生ごみ堆肥化プラント」、小学校の子どもたちの歌や踊りと民族楽器の演奏など本当に学ぶことの多い感動的な歓迎のなか、これからの両市の友好関係について話し合われました。
稔り多い交流だったと思います。
これまであったようなODAではなく、NGOでもなく、
山形県下の小さな田舎のまちづくりが国境を越えてタイの田舎町ポン市にとどけられポン市が少しずつ変わる。そのポン市を見て長井市も自分たちのまちづくりをあらためてとらえ返す。
今までにもよくあった、同じような観光資源を持っているとか、ゆかりの人物の縁とかの友好都市と違って、地球的課題であるグローバリズムの中における地域のあり方、農を基礎とする循環型社会、工業化する農と食への地域的対策、食と健康、住民参加・・・など、これからのまちづくりについての共通の目標をもつ田舎町同士というのが面白いと思います。
食糧の輸入国と輸出国という違いがあれど同じように地域経済はグローバリズムによって翻弄されてきました。ポン市はそこから輸出のための農業ではなく、生きるための農業に、生きるための地域づくりに向って方向転換をしてきました。「郡役所前の市場」も「100年の杜」もレインボープランの採用もその転換のなかでのことです。
これらのことは次回に報告いたしましょう。
長井市とポン市のような友好都市関係は生まれるべくして生まれた、実に新しい、21世紀的関係だと思います。
ポン市には県議のメッセージも届けられました。
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2012.02.19:
kakinotane
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冬が楽しみ?
そうなんですよ、冬が来るのがいつも楽しみなんです。
冬になり、時間ができたらこれをやろう、これを読もう、ここに行こうって。
いい季節です。
ですが太るんですよ。想像してみてください。
190cmの大男の体重が三桁になり、110kgに果てしなく近づいていくのです。ほとんどの人にとって実感できないでしょうね。ま、たとえて言えばかのダルビッシュよりも身長で6cmほど負け、体重で6kgほど勝ち、収入ではちょっとだけ負けているてといえばお分かりいただけるでしょうか。
とにかく、冬になっても労働シーズンと同じようにご飯がおいしいし、お酒がうまいし・・・。
だけど働かない。動かない。太る一方なんです。
春になればもとに戻ろうとするのですが大変です。
からだが重いのなんのって・・。
光と影、山と谷、幸と不幸・・・これらは常に一対で
光だけ、山だけっていうのはないものなのですね。
長所をほめるなら、それと一対の短所も受け入れなければならない。
だからさ・・・、時間的余裕と太ること、
今は達観してこの両方を楽しんでいますよ。
ダルビッシュ、お前もがんばれよな、関係ないかもしれないけど・・・。
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2012.02.17:
kakinotane
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氷が融けたら
「氷が溶けたらなんになる?」
こんな「なぞなぞ」がありましたね。答えは「水になる」。でももう一つ答えが準備されていて、答えは「春になる」。
大雪ですよ。積雪2mはありますね。屋根に1mぐらいたまればふすまの戸のあけ立てが不自由になり、「ヨイショッ、ヨイショッ」なんて掛け声をかけながら、2,3度引かなければ出入りができなくなる。夜中のトイレはまどろみのなかで用をたし、すぐに布団にもぐりこみたいのだけれど、「うっ、あかねぇ!」なんて言いながら力仕事をやっているうちにすっかり目が覚めてしまうのです。
その頃は軒から厚く雪が垂れ下がり、「このままでは軒が折れてしまうよぉ。」なんて年寄りが騒ぎ立てるし、母屋だけでなく作業所、鶏舎、農機舎なども同じようなことになっていて、我が家の犬までも早くやれと吠えてくる。上だけならまだしも下の方も玄関から道路までの除雪をしなければ通れないし、車だって動かせない。台所の水道もちょろちょろと出しっぱなしにしておかないとすぐに凍って出なくなってしまう。鶏舎の水道管は何度か破裂してパイプから水が噴出した・・・こんな感じなんですよ。
でもね、それでも春が待ち遠しいなんて思わない。雪が消えてなくなってほしいなんて考えないですよ。不思議でしょぅ?なぜだかわかりますか?雪に振り回されてはいますが、春の忙しさ、あわただしさに比べ、冬の方がずっと自由な時間があるからです。雪はいやだけど冬がいいというわけです。俺が駄農だからだろうが・・。
来年度の作付け
季節がめぐり、来年度の作付を決めなければならないころとなりました。種もみを定めるたんです。
山形県の奨励品種に「つや姫」というのがあります。最近デビューしました。おいしいとの評判です。来年度から作ってみようと思っています。今までみなさんにご紹介してきましたのは「ひとめぼれ」、「コシヒカリ」の二種類。来年度からは「つや姫」が加わることになり、いくらなんでも品種が多すぎるとの声が家族から上がっていて何の作付けを止めるか・・どうしようかを迷っているんです。我が家の米を食べた方からは「ひとめぼれ」の方がおいしいとの評判を戴いていて、止めるとなると「コシヒカリ」かなとなるのですが、これも捨てがたく・・やっぱり「つや姫」を止めるかぁなどと・・どうどう廻り。正直迷っています。
2012.02.05:
kakinotane
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家庭科の先生方の新聞に
家庭科の先生方の大会によばれました。その際、声をかけられたのが家庭科の教科書うを作っている出版社の方でした。その方に依頼され書いたのが1200字。下の文章です。同じような文は読んだよと思われる方もおいでかと思います。ま、いいじゃないですか。ゆるゆるとまいりましょう。
菅野農園は山形県の南部にそびえる朝日連峰の麓、雪深い里にある。
水田の副産物(くず米や米ぬかなど)をニワトリたちに。ニワトリたちのフンを水田に。“土・いのち・循環のもとに”のキャッチコピーのもと、水田4ヘクタールと自然養鶏1,000羽でつくる小さな循環型農園だ。働き手は我が夫婦。そこに5年ほど前、農業の専門学校を終えた息子が帰ってきた。以来、今日まで、田んぼだ、畑だ、ニワトリだとよく働いている。
「あんなに働いてくれて悪いなぁ、もごさいなぁ(かわいそうだなぁの意)。家のためなら、うんといいけど・・。でも、よろこべないなぁ。このまま歳とらせていいものかといつも思っているよ。」
息子が出かけた夜に、93歳の母はため息まじりに話す。長きに渡っていろんなものを見てきた母が、農業では幸せにはなれない、離れたらいいと話す言葉には説得力がある。でも、息子は充分そのことを知った上でなお農業に就いた。いまは有機農業の体験を積みながら、農協青年部や消防団の一員、地域の一員として会合や事業に忙しい。
その息子が最近、「TPP(環太平洋経済連携協定)が国会を通ったなら農業を続けられないだろうな。」と言い出した。TPPとは関税などの貿易上の垣根をなくし、国境を越えた貿易・投資などの企業の自由な経済活動を補償しようというもの。TPPに参加すれば外国の農作物が無関税で入ってくるため、とくに日本の水田農業は大きな打撃を受け、場合によっては壊滅するかもしれないという識者は多い。
「まわりの農家が離農していけば、田んぼに入る水路の管理などできなくなり、やっぱり我が家もやめざるを得なくなるだろう。」と息子。
農家の不安をよそにテレビでは評論家が「日本のコメは778%という高い関税率で守られていて、消費者は不当に高いコメを食わされ続けている。」と話し、外国産の輸入やむなしと繰り返している。
日本の米は高いと言うけれど、彼らはご飯いっぱいの値段を知っているのだろうか?お米にして70g。104000円のコメを買ったとしても28円にしかならない。2杯食べたって56円。この価格が目くじらを立てて論じるほどのものなのだろうか?それほどの高さなのだろうか。
それに政府はTPPをきっかけにして大規模化をはかり、1.8ヘクタールの水田平均耕作面積を20〜30ヘクタールに変えていくと言っているが、たとえそうなったとしてもオーストラリアの3,000、アメリカの180ヘクタールと競争などできるわけがない。その渦中からたとえ数%が生き残れたとしても省力化による化学農業への一層の傾斜をはからざるを得ず、環境や食の安全を求める声に逆行することになろう。
いま時代が求めているのは土や海、森を始めとしたいのちの資源と共にあろうとする新しい人間社会、農を基礎とした循環型社会を築くことだ。
「ばあちゃん、大丈夫だよ。」と笑う息子の人生が、はたして母親の心配とは違うものになれるだろうか。日本がTPPに参加するか否か。今年のこの一年が正念場だ。
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2012.02.03:
kakinotane
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790字の原稿
菅野農園は山形県の南部にそびえる朝日連峰の麓、雪深い里にある。
くず米など水田の副産物をニワトリたちに。ニワトリたちの鶏フンを水田に。水田4hと自然養鶏1,000羽とでつくる小さな循環型農園だ。水田は殺虫剤、殺菌剤、化学肥料を排し、レインボープラン堆肥と発酵鶏フンによって栽培する。ニワトリたちも外に放し、なるべく自然に近い形で健康な玉子を得ようとしてきた。「土・いのち・循環のもとに」。これが我が農園のうたい文句だ。中心的な働き手は息子(28歳)。すでに結婚し妻と2人の子どもがいる。
3・11で一変した。少しばかりの蓄えを郵便貯金にまとめ、息子たち家族がいつでも避難できるよう準備をしながら、落ち着かない日々を送っていた。山形県の汚染状況が分かるにしたがって緊急避難の必要性はなくなったが、息子は「自分の子どもに与えられないものを消費者に食べてもらうわけにはいかない。検査機関に調べてもらい納得のいかない数値が出たら農業をやめる。」と気を緩めてはいなかった。もし・・・その時は我が家が終わるときだ。
茨城大学の「応用粒子線科学」高妻孝光教授の研究室が検査に応じてくれた。米と玉子。検査結果は「検出せず!!」。両方からわずか1ベクレル/1kgも出なかった。一家離散せずにすんだ。ホッとはしたが喜びは全く湧いてこなかった。
福島では手塩にかけた農地を捨てて逃げ惑う農家がいる。家族がある。これまで「顔と顔の見える関係」と盛んにいっていた消費者の多くは問題にならないほどの低レベルでも一緒に考えようとはせず、一方的に関係を断ち切っていったという。長年培ってきたと思われていたものが簡単に壊れていった。そんな中、12月24日、リンゴ農家の仲間が、自分の育ててきたリンゴ畑で自ら命を絶ってしまった。
問題は農家の側にはない。福島の側にはない。
一人ひとりの生き方、覚悟を問いつつ、問われつつ、「福島」は続く。
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2012.01.10:
kakinotane
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