ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ

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いま、山形県上山市の農村を舞台にしたドキュメンタリー映画『無音の叫び声』の製作準備が進んでいる。山形県上山市在住の農民で詩人の木村迪夫(みちお)さんの世界を描くことが、現代日本への強いメッセージとなる、そう考えてのことだという。監督は原村政樹氏。3.11をはさんで生きる福島県天栄村農民の姿を描いた、ドキュメンタリー映画「天に栄える村」を撮った人だ。

9歳で父を戦争で失ったことで早くから土を耕さざるをえなかった。木村さんは生きるために農業に就き、農業のなかで生きようとして詩を書いてきた。詩を書いてきたからこそ農業のなかで生きて来られたと言っていいのかもしれない。
やがて三里塚で映画を撮っていた小川プロを村に引き入れたことで「過激派」と呼ばれ、それでも減反を拒否し、反戦を訴え・・まっすぐに、愚直に生きてきた。

壁がいくら厚くても、正面から、真っ正直にぶつかっていく。敗北が分かっていても生き方としてぶつかっていくしかなかった。村の枠組みを越え、だからこそ傷つき、もがき、苦しみながら、土を耕し、詩を書いて生きてきた。

そんな木村さんと映画製作を語るシンポジュームが14日、山形市であった。
穏やかで深い。木村さんの人柄を反映したような、いいひと時だった。


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おコメのご注文をお受けします。

☂一年間、ありがとうございました。
ご存知のように菅野農園は水田と自然養鶏を組み合わせた循環型の農園です。
小さな農園の生きていく道は細くなるばかりですが、息子ともども
みなさまのご支持をいただいてこの一年、何とかがんばることができました。
あらためて感謝いたします。
 大規模化はケミカルにいっそう依存し、食(お米)の質の低下、環境負荷などをもたらします。私たちは、小さいけれど、だからこそ確かなものをしっかりと作っていきたいと思っています。

新米ができました。

<どのような環境で育ったお米か?>

1、自然の力・水
お米を育んだ自然の力、水と土、それらがきれいであることが大事です。
朝日連峰から水田に入る水は、手のひらですくい上げ、そのまま人が飲めます。

2、自然の力・土
作物は植えつけられた土から良いもの、悪いもの、さまざまなものを吸い上げて実に蓄えます。よって、実を食べながら育ったところの土を食べているのと同じ。だから・・・食べられるほどの土を守る。これが基本です。
この米は清冽な水とそんな土へのこだわりから生まれました。

3、農法
☆堆肥だけで育てたお米です。化学肥料は使用していません。
☆殺虫剤ゼロ、殺菌剤ゼロが基本。田植え直後、一部(1/6の水田)にイネミズゾウムシが大繁殖し殺虫剤を施しました。5/6には一切使用していません。
☆除草剤一回だけ。あとは除草機をまわし、人力で草取りをいたしました。
あなたに届けられたお米があなたのご期待通りでありますように。

<品種>
ひとめぼれ / つや姫 / 黄金もち

<価格>
白米、五分づき、七分づき・・・2,500円/5kg
玄米・・・・・・・・・・・・・2,300円/5kg

<お届け日>
毎月10日にお届けいたします。

<お申込み方法>
 菅野農園 住所;山形県長井市寺泉1483
FAX;0238-84-3196 
メール;narube-tane@silk.ocn.ne.jp
携帯;090-4043-1315
にご連絡ください。

 2013・10月 土といのちとの循環のもとに・・・菅野農園
 





 
こんな報道をご存じでしたか?
下をコピーして
yahoo!でもGoogleでも検索してみてください。
私たちの実感と一致しますね。


http://sphotos-g.ak.fbcdn.net/hphotos-ak-prn1/p320x320/1012761_10200372311894133_271886372_n.jpg


友人のFBに、これまたオレの別の知人がコメントを寄せていた。
「太郎ちゃんの追っかけやっています。」
えつ、違うだろう・・。
あなたは百姓の追っかけができる数少ないお方。
「太郎ちゃん」が悪いというわけではないけれど
その追っかけはあまたいる他の人士にお任せして
あなたには「百姓の追っかけ」をやってほしかったなと。
百姓と農業は、すたれゆく斜陽産業の、これまたその中の絶滅危惧種なのか、
それとも21世紀の到達目標である循環型社会・生命系社会への牽引車なのか・・・
TPPを分岐点として今はそのせめぎ合いの最中。
孤軍奮闘する百姓の数少ない味方として、かつ農を基礎とする循環型社会への展望をかけて近くの農家の「追っかけ」しながら、課題を共有してほしかったぞ。
オレの?いやオレの追っかけは必要ないけれどな。

写真は秋の村の全景。
ダブルクリックしてご覧ください。

この村と水田がなくなるって想像できますか?
TPPによって
農水省の試算ではほとんどの水田がなくなり、外国産米に置き換えられていくと言います。合わせて数多くの村も無くなっていくと・・。

いまが正念場です。





 夏には鶏舎のドアを開けてもなかなか外に出ることができなかったニワトリたちも、やわらかで気持ちのいい秋の陽射しのなか、草地の上で気持ちよさそうに遊んでいる。こんなニワトリたちが産んだ玉子ならば食べたい。この光景を始めて見た人ならばきっとそう思うに違いないが、自然養鶏を始めてほぼ30年の私でも、やっぱりそう思う。

他方、日本のほとんどのニワトリたちは、薄暗い鶏舎の中で狭いゲージに閉じ込められ、遺伝子組み換え穀物や、飼料添加物で彩られた高カロリーのエサを与えられて、毎日、苦しくも切ない日々を過ごしている。彼らの産んだ卵は食べる気がしない。食べても身体にいい影響を与えてくれるとは思えない。

 なんとか彼らをこの境遇から救う手立てはないものか。地球上のすべての動物の中で、もっとも過酷な環境でいきているのがこのゲージ飼いのニワトリたちではないか。これを実際に見たならば、ほとんどの人は「あまりにもかわいそうだ。人間のやることではない!」と叫ばずにはおれないだろう。卵なんて食べられるものか。



彼らをそこに閉じ込めているのは「経済効率」という考え方だよな。で、ここで俺が言いたいのは、それで苦しんでいるのはニワトリたちだけではないということだ。牛?いやそうじゃなくて、俺たち自身であり、現代社会そのものでもあるってことだよ。だから、彼らを「救う」のではないんだな。一緒に自由になる道を見つけて行こうっていうことだべ。

 でな、どうだろうか?ニワトリと俺たちとの「共闘会議」をつくるっていうのは。あるいは「ニワトリ解放戦線」。ニワトリたちと一緒に俺たちも「経済効率」のモノサシから自由になっていくってことだよ。できるよ。

 しょせん日本の農業はこの「経済効率」で潰されがかっているんだ。ニワトリたちを企業養鶏から取戻し、まさに庭鳥として一緒に、農の現場で自給的に生きていく。この道を創っていけばいい。大地に根ざし、土に依存することで、新しいお互いの自由が見えてくると思うよ。きっと。





 2012産のお米は9月で終わりです。
10月からは2013産のお米、新米に変わります。
菅野農園のお米をお取りいただいたみなさま、一年間、ありがとうございました。

 ご存知のように菅野農園は水田と自然養鶏を組み合わせた循環型の農園です。
小さな農園の生きていく道は細くなるばかりですが、息子ともども
みなさまのご支持をいただいてこの一年、何とかがんばることができました。
あらためて感謝いたします。

 大規模化はケミカルにいっそう依存し、食(お米)の質の低下、環境負荷などをもたらします。
 私たちは、小さいけれど、だからこそ確かなものをしっかりと作っていきたいと思っています。

 これからまた一年、菅野農園のお米や玉子をどうぞよろしくお願いします。
 いよいよ今月20日から稲刈りが始まります。
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団塊の世代の、あのころのことがいっきによみがえってくるような歌ですね。

http://www.youtube.com/watch?v=KbcUlCV2tM0


もうじき稲刈り。
我が家では今月20日ごろから始める予定だ。
ほぼ殺菌剤、殺虫剤、化学肥料を使わずにここまで来れた。
気がかりは雨による倒伏と圃場のぬかるみで
倒伏は稔が止まり、品質も悪化する。
ズブズブとぬかるむ田んぼでは刈取り作業ができない。
最悪のシナリオはズブズブと倒伏がセットになってしまうこと。
ここのところは毎日が雨で一部最悪を予想させてくれる田んぼができてしまっている。

 TPPと原発でただですらうっとおしいのに・・、
何とか晴れの日が続いてほしいが、こればかりは祈るほか手はないよなぁ。

<写真の稲は「ひとめぼれ」・ダブルクリックで大きくなります。>




下の文章は消費者業界の新聞から頼まれた「TPPと農業」にかかわる800字の原稿です。ご笑覧ください。
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車がなくても生きては行けますが、食糧がなければ生きてはいけません。その時、人々が「空腹を我慢することができない」とすれば、食糧を持っている国に土下座するしか道はありません。
TPPのなかで最も大きな影響を受けるとされる農業の問題は、国民のいのちの問題であり、国の自立、尊厳にかかわる問題です。

よく知られているように食料自給率は39%でしかなく、TPPによって関税が撤廃された場合、27%程度に低下すると試算されています。
農業の内側にいればこの国の危うさがよく見えますが、都会ではそうではないのでしょう。たしかにスーパーに行けばたくさんの食料品が並んでいて、この国が北朝鮮の半分ほどの自給率でしかなく、輸入が途絶えればかの国の倍の惨状が繰り広げられていく・・都会では想像できません。

TPPをめぐって、私たち米作り農民は攻撃の矢面に立たされてきました。

 「日本の米は778%もの高い関税によって保護されており、消費者は不当に高い米を食わされている。」
しかし、ご飯一杯は白米で70g。4,000円/10kgの米を買ったとしても一杯は28円でしかありません。ポッキー4本分です。これをもって、「高い!外国に依存せよ」というのでしょうか?

「日本の稲作は規模が小さく非効率」
山形県の穀倉地帯にある私たちの村の水田平均耕作面積は1・8haほど。オーストラリアの3,000ha、アメリカの180haと比べればあまりにも小さい。働いてみたら分かるのですが、傾斜地が国土面積の65%占める日本では大規模農業は無理。それでも狭い農地を丹念に耕し、国民のわずか3%の稲作農家が97%の世帯を支えてきました。

いま私たちに求められているのは、TPPによる農業破壊=外国依存の道ではなく、食の安心、安全を第一とする農業と、土や海、森を始めとするいのちの資源とが調和した新しい人間社会のモデル、農業を基礎とした循環型社会を築き、広く世界に示していくことではないかと思うのですがいかがでしょうか。
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急に秋らしくなってきました。
朝晩は涼しく、タオルケットだけでは寒さを感じるようになっています。
田んぼの色も少しづつ黄色みがかってきました。
夜のしじまにコオロギや鈴虫などの鳴き声が聞こえています。

季節は巡っていくのですねぇ。

 ありがたい。

どちらかと言えばニワトリたちは寒さよりも暑さに弱い。
彼らはいつも羽毛のコートを着ていて、それを脱ぐことができないから切ない。
その点、人間は毛をまとうことなく、着物を着脱することで体温調節ができる。それが地球上の広範囲にわたって生息できる所以だろう。ニワトリを見ているとそれがよく分かる。
30度を超える昼、戸を開け放しても彼らは当然のことながら陽ざしの中に出ようとはしない。出てもすぐに戻ってくる。「暑っ、ヤバ!」言葉にすればこんな感じかな。
そして夕方。
日が沈み、気持ちのいい風が吹く頃になると、今までの我慢を解き放つようにいっせいに外に出る。夜になるまでの間はそう長くはないが、この時間帯が彼らにとって一番いい時間なのだろう。あたりが暗くなるまで、思い思いに草を食べて過ごす。
秋〜冬〜春にかけては玉子にコクがあり、生卵で食べればそのおいしさがすぐに分かるのだが、この時期の玉子はそれほどでもない。淡白だ。
「なに言ってんだぁ!この暑さに耐えるだけで目いっぱいなのに、玉子の味まで気がまわるかい。」
こんなことかもしれないな。
日中がいかに暑くても朝晩は涼しく、窓を開けたまま、朝を迎えることができなくなってきた。身体が冷えて目を覚ます。秋が近づいてきたんだね。
玉子がおいしい季節はもうすぐだ。そして俺たちは忙しい刈り入れの時期を迎える。

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 お盆の朝、6時前。
玉子の配達に出かける途中に振り返ったら、
朝日のなか、水田とわが村と朝日連峰がきれいに映えていた。

見慣れた風景のなかの、おっと思える光景。
春、夏、秋、冬・・それぞれにあるが、この光景もその一つだ。

  <ダブルクリックで大きくなります。>