ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ

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積雪は150cmほどになった。昨日、今日は吹雪。玉子を配達しようと車で外に出たが、雪はうなりうをあげてかぶさってくる。雪に襲われている・・そんな感じさえするほどだった。1m先も見えない。こんな時には動いてはだめだ。車を止めておさまるのを待つ。ライトを点けて、オレはここにいるよとアピールしながら。

吹雪のときでもニワトリ達は元気だ。鶏舎は透明のビニールでおおわれていて、お天道様の光は入るが吹雪は入ってこない。一坪に10羽、鶏舎のなかで走ったり、恋をしたり・・と、寒いだろうが、冬に負けることなく春を待っている。

きのうの朝、雪を掻き分け、エサを与えようと鶏舎に近付いていった。するとにぎやかな小鳥たちの声が聞こえてきた。中に入っていくと、おどろいた小鳥達は一斉に鶏舎の中を飛び回る。スズメだ。30〜40羽はいる。ニワトリ達と一緒にエサを食べていた。

別な鶏舎にもそっと行って見る。ここにもスズメ達がきていた。冬以外の季節には、スズメは入ってこない。たとえ来たとしても、ニワトリ達はその侵入者を追い出そうとする。これは何度も見かけたことだ。でも、今は冬、そして外は吹雪。

「大丈夫だ。安心してこごさ居(え)ろ。いっしょに喰うべな。」こんな感じなんだべか。鳥たちの友情。いい光景ですよ。人間的というか、人間の我々がわすれてしまったもの・・・というか。

これがもし、ゲージ(カゴ)飼いの養鶏場ならばどうだろう。ニワトリ達は「おいで、一緒に・・・」というだろうか?たぶんいわないだろう。「ここはやばいぞ。つかまる前に早く逃げ出せ!」たぶんこっちの方だろうなぁ。

 話はわき道にそれるが、実際のところゲージ飼いのニワトリほど不幸な生き物たちはいない。この地球上で一番不幸だと思う。動物園の像だって鎖の長さほどの自由はある。金魚鉢の金魚でさえもっと自由だ。ただ毎日立つか座るか。常に隣人の体温を両脇に感じながら、歩くことも、羽を伸ばすことさえできず、ストレスで自分の羽をむしりながら・・・、毎日、毎日卵を産んでいる。卵はストレスのかたまりだ。どうしてこんな飼い方ができるのか。なぜ平気でこの卵を食べることができるのか。わっからなーい!話が止まらなくなってしまいそう・・・本流にもどそう。

 
我が家のニワトリが「安心して一緒に食べよう」と呼びかけることができるのは(・・と勝手に思っているわけだけど)、自分たちが幸せだからだよね。

 鳥のインフルエンザ対策から言えば、あまりいいことではない。息子も野鳥が入って来ないように、あっちこっちの穴をふさいでいたのだけど・・。でも、いいじゃないか。

ニワトリ達だって、インフルエンザの危険をみんな知りながら、あえて迎え入れているのかもしれないぞ。

だったら・・・・・なっ・・・、いいじゃないか。いいよな。かかったら?そん時はそん時だべぇ。

写真は、外のスモモの木に一旦引き上げて、オレの様子を眺めているスズメたち。小さくてわからないかな。写真をダブルクリックすれば大きく拡大できる。そしたらわかるよ。写真は白黒のように見えますがカラーなのです。

こんばんは
とても、いい話ですね。私の母は、「あの空を飛ぶスズメだって、子供に一生懸命エサを運んでいるのだから、私たちもしっかり働いて子供を育てましょうよ」と時に弱気になる父を励ましたそうです。動物たちは、人間にいろいろなことを教えるために生きているのかもしれませんね。
2008.02.15:オムレツさん:修正削除
そうなんですね。寝たきりのお年寄りも、それです。
ケージ飼いの鶏の話でしたが、私の伯父が、老人病院で,寝かせきりの入院生活で、本当に気の毒な状況になっていることが先週わかり、そのことで、いろいろ考えさせられました。
排泄がオムツで、多分気持ち悪いからでしょう、手を入れるから困るので、上下が分かれていない、寝巻きを用意してほしい、と、病院から言われました。
私の友人が、《かわいそうに。痒いところを掻く自由さえ奪われるのか。》といったのですが、私も初めて、それに気が付きました。
菅野さんなら、お分かりになるでしょう。その悲しさが。
2008.02.16:久美子:修正削除
オムレツさん
オレモソンナフウニイワレタラ、モスコシガンバレタカモシレナイ。
2008.02.16:菅野芳秀:修正削除
久美子さん
ゲージ飼い・・・同じ思想だ・・管理と効率・・いのちの不在・・・。
2008.02.16:菅野芳秀:修正削除
ふくら雀
 そんな名前の帯結び。若い女性が華やいで
私達の文化は、実に生き物達から学んでいます。
今のファッション。過剰にエネルギーを使った環境の中で、
真冬に肩や腕をむき出しで、真夏にブーツ。
 美しいとは、この雀、木々の様子です。
2008.02.19:文庫番:URL修正削除
たしかにきれいですね
文庫番さま;たしかに美しいですね。美しいかどうかという尺度では見ませんでした。俺がいなくなったらまた入ってやろうと待っているんだなぐらいの眼でみていましたよ。でも、言われてみれば・・・たしかに。
2008.02.20:菅野芳秀:修正削除
https://kanno-nouen.jp/
菅野農園のホームページで
お米を販売しています


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