ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ

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 いま、田んぼには誰もいない。オレが農業に就いた30年ほど前は、今頃の昼でも田んぼのあっちこっちに農民の姿を見ることができた。それがやがて朝晩だけとなり、いまはそれすら珍しくなっている。

 じゃ、農民はどこで何をしてるんだい。怠けてるんじゃないのか?日本中の人たちが、食糧問題で困惑しているのに、肝心の日本の百姓がこれじゃ困るじゃないか!百姓はどこにいったんだぁ!

 我が村の農民の平均年齢は67歳。昼は・・・孫の子守とか・・・。でもね、勘所を押さえて、田んぼが荒れないようにはしてるんですよ。だけど、なんせ67歳だからさ。

 オレがたまたま田んぼに出ているとき、その側を観光バスが通って行ったことがある。バスはスピードを緩め、中の客のほとんどがこちらをむいていた。ガイドさんがオレに手を振っている。なんだろう?知ってる人じゃないのに。オレも手を振り返してやった。バスはそのまま通り過ぎていったのだが・・・そこからオレはバスの中でのこんな情景を思い浮かべた。

「みなさま、右手をご覧下さい。あれが百姓でございます。日本の原風景を訪ねる旅、ようやく田んぼのなかでのどかに草をとっている百姓を見つけることができました。最近では彼らを見かけることがとんと少なくなっていました。よかったですね。しかも昼間にですよ。やっぱり田んぼには百姓ですねぇ。風情がありますよ。あっ、手を振っていますよ。みなさんもどうぞお愛想してください。」

 ま、こんなとこだろうな。でね、オレはさ。も少しサービスしてやろうと思ってな、その後はなるべく汚い手ぬぐいでホッカムリしてよぉ。腰まげてぇ、鼻垂らしてぇ、手を振ってやろうかとおもってんだよ。彼らのなかの原風景にこたえてやろうかと思ってな。喜ぶだろうなぁと。でも、もう来なかったけどね。エッ作り話だって?ホントの話だよ。ホント、ホント!

(写真は穂が出始めた田んぼ)

おもしろ〜い
私も原体験しようと、古着屋で「モンペ」を買いました。横からTシャツが見えちゃうんだよね。そんな「モンペ」一団がバスから降りてきたら、菅野さん、づっこける?
2008.08.09:かなこ:修正削除
笑いました〜〜!
私は菜園で働く時、ジーパンだととても体が疲れることを知り、自動車工などが着ているつなぎのジーパンをはくことにしました。
これをまず買いまして、今はそれをいつもはいています。
これ、いいですよ。
菅野さんにも一つプレゼントしましょうか。
2008.08.09:クミ:修正削除
かっこいい!
この人が、クミコさんではないよね。いまどき、ほっかむりして、鼻水たらしている百姓をイメージする人はいません。考えすぎ、考えすぎ。
2008.08.09:ゆき:修正削除
虹の里山は小さい秋が訪れていますね
 そちらの里山では、すでに小さい秋が訪れているようですね。こちら鹿児島は、猛暑の連日です。南国の夏は、女性と子どもは”白熊”!、野郎共は、”焼酎のロック”!につきます。焼酎のロックで1杯やりたいですね。小川さんも交えて。星寛治さんに続いて来鹿されたし!南国の農村に刺激を!

2008.08.10:種子原人:URL修正削除
コメント
かなこさま;モンペ?以外にこれは着やすいという話ですし、ファッションとしてもいいなぁと思うよ。でも古着屋って・・いまどきあるんですか?
クミさま;つなぎはだめなんです。おれ191Cmあって、第一あうつなぎがない。夏は夏用の作業服、作業ズボンでやってます。クミさんの目力がいいな。
ゆきさま;でも実際まだこんな百姓はいるよ。オレのまわりにさ。クミコさんはドイツ在住の方です。
牧くん;腰の回復も順調です。第一ブログに文章書けるようになりました。気づいてくれたかな。同じ日に二つの文章を乗っけたよ。
2008.08.11:菅野芳秀:修正削除
言い忘れました
緑豊かな田の面、里山の栗の木、二つの文章とともに拝見しています。実りの秋に向けて十分に体調を整えるべし!言い忘れたことがあります。゛白熊゛とは、かき氷の中にふんだんにミルクや果物など盛り込んだ鹿児島名物です。それは夏の風物詩といったところです。白熊はそちらまで北上しないものでしょうか?
2008.08.11:種子原人:URL修正削除
ニッポンは大丈夫だ!
くみさま;ご好意に感謝します。つなぎ服はなにかしらカントリー風で格好いいですよね。ですが、正直いえば苦手なんです。着たことはあるんですよ。なぜ苦手かといえば僕の場合、肩がこってしまうということです。くみさまのご好意をお気持ちだけ頂いておきましょう。ありがとうございます。あなたはいいひとだねぇ。農民や農家を志す青年にはこのような方が多いのです。ほっといたしますね。ニッポンは大丈夫ですぞ!
2008.08.13:菅野芳秀:修正削除
本音で付き合う大切さ
菅野さん、ちゃんと言ってくださってよかった。
小さな親切、大きなお世話になるところでしたよ。
断るというのは難しいし、誰でも「はいありがとうございます」といわれたほうが気持ちいいのを知っていますから、それを配慮して、要らないものでも気持ちでありがたくもらっちゃうことがおおいですよね。くれる人は、「あーよかった」って、またくれちゃったりする。
いらないものをくれる人も困るけれど、「自分には合わないから、お気持ちだけありがとう」って言う本音を伝えることが一番です。

菅野さん、これからも、この調子でお願いします。それが一番いいんですよね。わたしもそれで行きたいと思います。

それから田んぼの話ですが、私の福島の祖母もしてたことありましたね。
子供たちは幼稚園で森にいくと、一箇所、用を足す場所をきめられてそこでするんですって。トイレ施設がないから、遠足場所には適さない、って言うところですか、都会なら。
300人もしちゃ困るでしょうが、全部で16人の幼稚園でしたから。ところで、フランスのかの有名なヴェルサイユ宮殿。あの広大な観光スポットに、トイレが少ない!(今は知りませんが)私はあそこで、最後の3時間はほぼ卒倒しそうになりながら歩きました。旦那があそこでして来い、と指差す森。もちろん当時はできませんでしたね。都会育ちですから。今は、大丈夫です。20年の年季です。

(写真は菜園の野菜)
2008.08.13:kumi:修正削除
えっ!
えっ!クミさんはkumiさんでクミコさんだったんですね!びっくりしましたよ。だってつなぎを着ているあの写真は目じからの強い、どう見ても男。日本で農業に就こうとする若者だと。だから「ニッポンは大丈夫だ」と書いたのですが、そうでしたか。
2008.08.14:菅野芳秀:修正削除
https://kanno-nouen.jp/
菅野農園のホームページで
お米を販売しています


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