ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ
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リンゴの作業も終え、ようやく感想文を書いてます。大変遅くなってすみません。 子ども向けに丁寧に書かれた本なので、私にも大変わかりやすく、感銘深く読ませていただきました。 処分される運命の「生ゴミ」を、市民の力で循環の中に還していった活動を通じ、自然の大きな恵み大切さを訴えられておられると思います。 副題に「土は命の源」とある通り、全ての動植物は土に還り、またそこから新たな命が生まれるという、大きな循環の中でこそ人間も生きていけるということがよくわかります。 そこには不要なものはなく、ワラもヌカも雑草もネズミも虫も全てに存在価値があり、土を作り新しい生命の誕生に役立っている。 人間も、その土を次の世代に引き継ぐという役割を担い、確かな存在意義を実感しながら生きて来たのでしょう。 だから人間の暮らしが1万年以上も持続してきたのだと思います。 先日、昭和30年頃の映画を見る機会があり。馬車の荷台でお握りを食べていた左幸子が、食べ終わった後の包みを放り投げるシーンがありました、 「あー!左幸子ともあろう人がゴミを捨てたー」と思いましたが、次の瞬間なんの問題もないことに気がつきました。 包みは、紙やビニールではなく、ほうの葉っぱか笹の葉か何か、道路も舗装などされていないから葉っぱは土に還るだけだ。 なんとおおらかな時代だったことか。この頃までの人達にはゴミなどという無駄なものはなかったのだと思う。 だから今も年配者にはゴミをポイポイ捨てる人が多い((笑)) しかしその後4・50年間、経済成長・発展と称して土に還らないものを大量生産してきた。 農業も様変わりしてきた。自分が幼少のころまでは、江戸時代とあまり変わらないやり方だったろうと思う。 田んぼや川にはタニシやドジョウ・フナなどが沢山いた。菅野さんが冒頭に書かれているように家の周辺には、化学物質や放射能など気にせずに、食べられるものが沢山あった。 山には山菜・きのこがいっぱい、川には魚がうようよいたという年配者の話を聞くと、昔は貧しく大変だったとかいうわりに意外と今より幸せな部分が沢山あったのではと思う。 農業近代化により、田畑は農作物を生産するだけの場になり、生き物は激減、水も汚れ魚もわずか、ゴミのやり場〈放射性物質も含め〉に困っている。進歩してると錯覚してるだけで、確実に生きにくい世の中になっているように思います。 今こそ、この本に書かれている土を大切にする循環型で持続可能な社会へ転換していくことが、私たちに残された道ではないかと強く感じます。 後半は生ごみを土に還す活動「レインボープラン」を、多くの市民とともにを推進していく様子が描かれています。 生ゴミを通じ生産者と消費者、村と町とのいい関係が出来上がる様子は素晴らしいと思います。、話し合えばみんな分かりあえるんですね。 長井市民はすごいです。自分のところでは〜ちょっと難しいなァと思ってしまいますが、こんな地域がたくさんできれば未来は明るいと思います。 各地からの研修も多いようですが、現在、他の市町村へどのくらい広がっているのでしょうか。 そして目的を達成するのには、要望するだけではだめ、自分たちが動き、達成するための環境を作り出していかなければいけないということがよくわかりました。 選挙で投票するだけで、あとは代議士任せにしたってだめだということと同じことだと実感します。 最後に、「田んぼや畑は、生きてる人の命のよりどころ。50年後も100年後も、これから生まれる人のためにも」を肝に銘じ、かつての生き物によって作られた土を大切に守り育て、「農業がそばにある安らぎの暮らし」を、次の世代に引き継げるよう微力を尽くしたいしたいと思います。 この本は子ども向けに書かれた本ですが、近代化の矛盾が噴き出ている現代において、いまだに景気回復だの経済発展だというような解決策しか発想できない大人にこそ、是非読んでもらいたいです。 これから私たちがが進むべき確かな道しるべが描かれている本だと思います。
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