ぼくのニワトリは空を飛ぶー菅野芳秀のブログ

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「お米通信」10月号から(菅野農園)

 いろいろご心配をおかけしましたが、ようやく新米ができました。やれやれです。
 
 ご案内してますように、菅野農園のコメ作りの基本は
1、化学をできるだけ排除し、殺菌、殺虫剤を極力使わない。
 「つや姫」は例年の通り殺菌、殺虫ゼロでできました。
 ですが「ひとめぼれ」は少量の殺菌剤を使用しました。
2、化学肥料も使用しない。全て堆肥(有機肥料)で育てました。
3、収穫目標を低くして、決してイネに無理をかけない。
 この地方の一般農家が目標とするのは10aあたり10俵です
 が、菅野農園では8俵を目標にしています。
 こうしてできた農薬削減栽培です。

 かつて、私(菅野芳秀)も多収穫栽培でJAから表彰されたことがありました。10aあたり11.5俵とりました。だけどそのコメは正直に言って不味かったです。量は取れました。でもそれは、本来、未熟米、くず米で終わるはずだったコメに、どんどん化学肥料を施して、無理やり大きな米粒にしてしまうやり方で始めて可能となった多収穫でした。水っぽいコメ。グチャグチャしていてコクのないコメ。たぶん栄養価も少なかったに違いありません。

 ご存知のように、お米屋さんに並ぶコメには生産者の名前が書かれていません。名前は農協の門をくぐる迄。その先は産地と品種の名前だけになります。コメ代金は生産者が農協に出荷した量に応じて支払われるため、より多くのコメを出荷した人が勝ち。味ではありません。農薬の削減も評価の対象にはなりません。不味いコメを出荷したとしても誰のコメかはわかりませんし、責任も問われません。ただ取れた量だけに関心を払う多収穫競争がありました。
菅野農園はそんなコメ作りから離れました。30年ほど前のことになります。

 菅野農園のコメは、責任がはっきりしています。不味ければ次回から食べてもらえません。農薬もできるだけ使いませんが、これは食べる者と作る者、双方の健康と環境を考えてのことです。コメに関わる一つひとつのことに、生産者のコメにかけた思いだけでなく、責任も問われます。
今年の収量は10aあたり7・5俵あまりでした。隣地の仲間たちは9俵台ですが、菅野農園のコメはこれでいい。良く頑張ったと思います。

 ご声援ありがとうございました。


 ご要望はnarube-tane@silk.ocn.ne.jp へお申し込みください。


 もう少ししたら毎日が雨・・やがてそれが雪に・・そして毎日が雪・・
これが晩秋から冬にかけての東北、裏日本だ。
日本の裏側。農業を中心とした地域。裏日本という言葉、いいですね。
オモテに出ている日本がダメなだけに・・
オ・モ・テ・ナ・シ。

 裏日本、わけても山形県置賜地方は、近代化に取り残された「遅れた」地域。
だからこそ、新しい社会、新しい日本を生みだす可能性に満ちているとも言える。
ナニナニ、そんなこと、百姓のたわごとだろうって?
そうかもしれない。だからと言って、たわ言を軽んじてはいけませぬぞ。
次代は常にたわ言から始まっていくとも言えるのだから。

 工業系の時代・・都会への「登り列車」の時代から
生命系の時代・・・田舎への「下り列車」の時代へ

 「へ〜あなたはまだ都会にいるの?大丈夫?」
都会が日本を動かす時代は、そろそろこの辺でやめにしましょうよ。
まずは置賜においでください。この豊穣の大地に腰を下ろし、来し方行く末にゆっくりと思いを巡らしてみては如何でしょうか。
明日、あなたはその下り列車の一員になっているかも知れません。

「go to・・」・・?
違う。そんな話じゃない!




肝心なことを忘れていました。
コメの説明と申し込み方法です。
食べてみたい方は末尾にメールアドレスを書いています。
「ブログをみた」とお申し込みください。

       以下

<2020年産・新米です!農家の直送米です>
―お米を育んだ自然の力・豊かな土と清冽な水―
ブナとナラの森が広がる山形県は置賜地方。
その一角、朝日連峰直下の水田から
直にあなたの台所にお届けする「いのちの粒」。
それがこのお米です。
家族で農業を営む菅野農園だからこそできる、
「いのち」と環境を第一に考えて育んだ農家直送米です。
できたお米は、土と水、それに作り手の志しとの合作。
水は山から直に水田に入ります。
田んぼの隣は朝日連峰。流れ込む水は人がそのまま飲めるほどです。
そんな環境のもと、二世代に渡って
堆肥を投入して土づくりを行い、
化学をできるだけ排除してお米を作り続けてきました。
それを、今年もあなたにお届けできることをうれしく思います。
お米とあなたとの出会いがいい出会いでありますように。

★どのようなお米か?
<肥料>・<農薬>・<作り方>

 〇Χ檗殺虫剤はゼロ・化学肥料もゼロ。除草剤/初期に一回のみ
  品種:「つや姫」 (9年連続食味ランキング特A)

 <10kgあたりの価格>
 5,832円(税込) 白米・五分・七分米
 5,400円(税込) 玄米

◆”要最小限の殺菌剤1〜2回使用。
  殺虫剤・化学肥料はゼロ。除草剤/初期に一回のみ
 (殺菌剤は山形県の「特別栽培米」基準の1/2以下の使用量です)

  品種:「ひとめぼれ」 

  <10kgあたりの価格>
  5,400円(税込) 白米・五分・七分米
  4,968円(税込) 玄米

  ☆つき方 白米・七分米・五分・玄米とご注文に応じております
  ☆どちらでもお好きな方をご注文下さい。
  ☆もち米価格は➀になります。

■食痕…お米にごくまれに黒い斑点がついている場合があります。カメムシの食べたアト
です。殺虫剤は使用していません。ある程度はお許しください。

■お申し込みは5圈10kg、15kg、20kg、25kgでお受け致します。全て5kg袋単位に
なります。(例:15kgの場合、5kg袋×3袋の発送)
(30kg以上ご希望の場合は別途ご相談ください)

■お申込み期日・・10月10日までにお願いします。11月分以降は毎月10日までのご注文とさせてください。

■お米の発送…初回のお米のお届け日は、10月20日前後といたします。その後の月は毎月20日ごろのお届けとなります。

■お支払い…お米と一緒に郵便振替用紙をお送りいたします。お支払いは1ヶ月ごとでも1年分の一括支払いでも構いません。また、ホームページからお申し込みの場合、クレジットカード決済やコンビニからも支払いができるよう進めています。11月からはご利用いただけると思います。(https://kanno-nouen.jp/)

■これでお米のご紹介は終わりです。今年もどうぞよろしくお願いします。
メールにてご注文いただいた方には、ご注文用紙をお送りいたします。「お米注文票」にご記入のうえ、メールにてお送りください。

    2020年10月1日
土といのちと循環のもとに・・・菅野農園(代表;菅野春平)
山形県長井市寺泉1483 
TEL;FAX 0238-84-3196 
メール;narube-tane@silk.ocn.ne.jp







2019年産の年は終わりました。
1年間、ありがとうございました。
菅野農園のような家族農業にとりまして、ますます生きづらい農業政策が進められて
います。
農法の化学化、経営の大規模法人化、企業化です。
そして家族農業をそこに追い込むために、
コメの価格を生産原価まで限りなく低く抑え、
離農を促進した上で、大規模化を目指す法人などには
国が農業機械更新の半額補助をするなどの手厚い支援策がありますが、
菅野農園などの家族農業には全くありません。
離農促進などの露骨な政策があるだけです。
そんな中でも、何とか農家を続けて来ることが出来ましたのは、
皆様を始めとした、お米を直にお取りいただいている方々の
ご支援があったからこそです。
ここに改めて皆様に感謝申し上げながら、
新米から始まる2020年度もどうぞよろしくお願いいたします。





秋の空は変わりやすい。

裏日本の気候は特にそうだ。午前中は晴れていたと思ったら、午後には曇りとなり雨が落ちてくる。
困るのは外に干している洗濯物や布団。へたすると間に合わずに雨にあててしまうことになる。秋に入ればこんなことはいつものことだ。

さて、昔からこのように移ろいやすい秋の天気を、これまた変わりやすい男心にたとえ「男心と秋の空」といってきた。近年『女心と秋の空』などと言われたりもするが、たとえの始まりは「男心」の方がであって、「女心」ではない。開いたことはないが、広辞苑などにもそのように掲載されているらしい。

ちょっと前になるけれど、我が家に東京から男4名、女4名の8人の友人が訪ねて来たことがあった。それぞれが社会運動に何らかの形でかかわっている人たちだ。全員理屈はたつ。
秋の空はそもそも「男心」か「女心」か・・・このことをめぐって議論になった。「男心」と言ったのは俺一人で、あとは全員「女心」。シャンソンから、あるいは東西の詩から・・、あれやこれやと「女心」であることの理屈を並べる。頭でっかちの世間知らずが!!
男と女ではことにあたっての腹のすえ方が違うんだよ。ちょこっと世の中を見渡してみても、女のほうが「決意」を育てながら人生を送っていることが分かる。どんなに屁理屈を並べようと移ろいやすいのは「男心」であることに変わりはないべ。

「そうか、それじゃお酒一升を賭けよう。負けたほうが勝ったほうにお酒を一本送るんだ。」

一対八の勝負。みんなで調べてみた。その結果は・・・やっぱり俺の勝ち。「男心」だった。ざまぁ見ろ。いっぱいの理屈をこねたあとだけに、彼らの落ち込みは大きかった。源氏の若旦那の例を持ち出すまでもなく、男なんて・・・なっ。まぁ、彼らにはいい薬になっただろう。八人全員が俺にお酒を送ることを約束して帰っていった。

後日、お酒が届いたのは女からだった。女の全員がそれぞれにお酒を送ってくれた。でもな、男からは一本も・・一人も送って来なかったよ。
やっぱりな・・・、ここでもまた証明された。ほんに移ろいやすいは「男心」だ。どうしようもないね。

 社会運動でも政治運動でも、俺はもう女しか信じないな。男はだめだ!

  (以前、書いた短文から)





トイレットペーパーをめぐって行列ができ、マスクをめぐって小競り合いが始まる。コロナ騒ぎのことだ。紙やマスクだからこれですんでいるが、これが食料ならばこんなことでは済まない。大きな騒動になるだろう。
でも安心するのは早い。日本の食糧自給率は37%。先進国の中では最低の数値で、日本人の胃袋の63%を外国にゆだねているということ。因みにカナダは264%、アメリカは130%、フランスで127%、ドイツは95%だ。爆発的な世界の人口増加により、地球規模での食料不足を懸念する声が上がっている中、日本の食料自給率だけが異常な低さだ。世界中で見られる異常気象や天候不順、あるいは国際情勢など何らかの理由で外国からの輸入が途絶えてしてしまったなら・・・いのちへの危機を感ぜざるを得ない。
平時からこんな思いを持っている中での今回のコロナだ。果たして自給率はこれでいいのか。こんな危うい国造りをやめて、もっと基礎から考え直さなければならないのではないか。日本の食糧事情はすでに破綻している。輸入によって事実が隠されているにすぎない。俺は農民として毎日、コメや玉子や野菜作りに励んでいるけれど、だからこそ見える世界があり、そこに都会の人たちの暮らしや日本という国の危うさを強く感じてしまう。 

「とき(時)が来る。トキになる。」という言葉は、和歌山県は本宮町の百姓仲間の造語だ。言葉は短いが、その意味するところはけっこう深い。
世界的には、工業系が主導した生産効率優先の時代から、生命系が主導する循環型社会に向けて、社会の在り方と共に農業の価値が大きくみなおされようとしている。でも、残念ながら日本では、かつての「佐渡のトキ」のように我々百姓は絶滅危惧種になろうとしているという意味なのだけれど、実感だ。
 間違いなく世界的に農の時代が来る。いや、もうすでに来ていると言ってもいい。しかし、日本の場合はそこに農家がいることは期待されていない。農民がいることも期待されていない。農家と農民の姿はなくていい。かくして小農がつぶされ、家族農業がつぶされ、その後に待ち受けているのは農薬と化学肥料にいっそう依存した、遺伝子組み換えやゲノム編集技術が跋扈する世界だ。いのちより生産効率を優先した大規模「農業」、企業「農業」だ。そんな近未来を予感せざるを得ない。それは世界の人々が目指している流れと大きく逆行している。 
さて、ここから先は近未来の話ではない。実際の話だ。この間、俺がたまたま田んぼに一人で出ていた時のこと。そのすぐ傍を観光バスが通って行った。こんな田舎道を・・珍しいこともあるものだと思い、作業の手を休めて眺めていたら、バスは働いている俺の近くでスピードを緩めた。どういう訳か、中の客のほとんどが俺を見ている。カメラを向けている人もいる。ガイドさんが俺に手を振っている。なんだろう?知ってる人じゃないのに。俺もしょうがないから手を振り返したのだが、バスはそのまま通り過ぎていった。そこから俺はバスの中でのこんな光景を想像した。
「みなさま、右手をご覧下さい。あれが百姓でございます。日本の原風景を訪ねる旅、ようやく田んぼのなかでのどかに農作業をしている百姓と出会うことができました。最近では彼らを田んぼで見かけることがとんと少なくなっていましてね。数少なくなっているんですよ。見れてよかったですね。やっぱり田んぼには百姓ですねぇ。風情がありますよ。あっ、手を振っています。みなさん、シャッターチャンスですよ。」
 ま、こんなとこだろうな。でね、次回はなるべく期待に応えて、汚い手ぬぐいでホッカムリしてさ、腰まげてな、鼻水垂らして手を振ってやろうかと思ってんだよ。彼らのなかの原風景にこたえてやろうと思ってな。エッ作り話だって?ホントの話だよ。ホント!

俺たちが絶滅危惧種となり、観光バスが来る。そこまで小農や家族農業が後退するようでは日本も終わりだな。






暑い、暑いと思っていても確実に秋は始まり、成長している。
お盆のお墓参りの日に見たのだが、わが家の裏の栗の木の「イガ」が大きくなっていた。
庭のリンゴも大きくなっている。田んぼでは緑が黄緑に変わろうとしている。
朝、タオルケットだけでは寒いと思う様になって来た。
夜、鈴虫やコオロギたちの鳴き声がにぎやかになって来た。
色んな事があった暑い夏だけど、でも大丈夫だ。
それにつけてもオリンピック。
予定通り強行していたら選手、観客問わず、倒れる人が続出していたに違いない。





前回、ハエがいなくなっていると書いたが、蝶々もあまり見ない。
ミツバチも減った。
作物の実りのおよそ1/3は彼らの働きの成果だ。
彼らがいなくなれば受粉が行われず、多くの果物も野菜も無くなってしまう。
彼らが減ったのは農薬のせいだと言う。
ネオニコチノイド系農薬。
他方、子どもの精神疾患が増えているというがこの背景にもこの農薬があるという。

さて、そこでだ・・・。

我々はいったい、何のために、何を求めて生きているのだろう・・・な。

いつもの年よりハエが少ないですが、どうしたのだろう。
ハエの世界になんかあったのかな。
ハエの親戚でもないのに心配しています。
「うるさい」を「五月蝿い」と表現したのは、たしか夏目漱石だったように記憶していますが、ハエの出始めの5月はことのほか煩(わずら)わしい。
だけど夏の季節には、ハエも、セミやトンボなどと一緒で、
人間とともに暑苦しい夏を耐えていました。
いわば暮らしの仲間でした。
それがいないとなると、ありがたいけれど、どこか淋しいですね。
どうしたのだろうか?
そう言えばトンボもいない。





 ヒグラシ、ニイニイゼミが鳴き、今日はミンミンゼミも鳴きだした。
朝晩はタオルケット1枚では寒いけど、セミの声を聞けば夏だよなぁ。

 閑(しずか)さや岩にしみいる蝉の声

 俳人芭蕉が弟子の曾良を伴い、山形県の立石寺に来たのは1689年7年13日の事だそうだ。その時に鳴いていたのはアブラゼミかニイニイゼミかで歌人・斎藤茂吉を含めての論争があった。
 1932年、茂吉はアブラゼミ派だったのだけど、実地調査などの結果をもとに芭蕉が詠んだ詩の蝉はニイニイゼミであったと結論付けた。
 閑さ、岩にしみ入るという語はアブラゼミに合わないこと。またこの時期はアブラゼミがまだ鳴いていないということからだそうだ。

 そうかぁ、俺もアブラゼミかと思っていた。




 いもち病は高温多湿の中で発生するカビの一種で伝染します。
 殺菌剤を使わない稲作の基本は、多収をねらわず、密植を避け、風通しが良く、日光が足元まで届く成育環境で、決して稲に無理をさせないこと。これにつきます。

 菅野農園ではそのように育ててきました。
 それでも罹ったしまった原因は前にも書いた「イネミズゾウ虫」です。

 この虫に侵食され、本来持っていた抵抗力を奪われてしまいました。いもち病がいったん発生すれば、ひどい場合は稲は全滅、収量はゼロ。その菌は発生した田んぼだけにとどまらず、近隣の田んぼに飛び、隣地の農家にもひどい迷惑を掛けることになってしまいます。

 殺菌、殺虫ゼロ、化学肥料ゼロの米作りは我が家の米作りであって、近隣の農家と共有している価値観ではありません。被害は発生源の我が家の中だけで終わるならば無農薬を貫くこともできるのですが、隣地の仲間たちに迷惑を掛けることは出来ません。稲作は村の中の農業。ここは農薬散布も仕方ないですね。

 来年の課題はまず、打倒!イネミズゾウ虫。ここからです。

20数年続けて来た無農薬田に農薬散布が避けられなくなった。
「お米通信」6月号は「イネミズゾウムシ」。まずその抜粋を読んで欲しい。

「一見、おだやかに見える田んぼの中にも、すでに害虫たちの『活躍』が始まっています。イネミズゾウムシです。40年ほど前に東南アジアの水田から輸入資材に混ざって日本に上陸し、田植え直後の苗の葉肉を食べ、葉網を残します。ひどい場合は田んぼが白っぽく見えるほどになり、収量はほとんど見込めなくなります。
対応策は食用油の散布。彼らは夜、水底に生息し、日が昇ると茎伝いにはい上がってきます。その習性を利用し、あらかじめ水面に食用油を撒いておく。彼らが水中から外界に出るときに身体は油に包まれ、窒息するという仕掛けです。
ですが殺虫剤ではありませんので全滅はありません。被害を低く抑えるだけです。時にはこの方法では抑えきれない時もあります。今年のお米はどうなるか・・。殺菌剤、殺虫剤ゼロの稲作はどこまで行っても緊張が続きます。」(お米通信)

 2か月経過した。無農薬田の60aに「イネミズゾウム」が大発生し、2度、3度と食用油を散布したが苗の侵食がとまらず、どんどん葉肉が食べられていく。その上、抗菌力を失った苗に「いもち病」が発生した。このままでは全く収量が望めなくなる。何度か酢も撒いたが、もう助けるには殺菌剤を使用せざるを得ないと判断。すでに土に潜っているイネミズゾウムシは来年の対応となる。

これで菅野農園の2020年産、2021産のコメのリストからは「無農薬米」が消えることになった。悔しいし情けない。でも、一番悔しいのはこれまでの15年間、無農薬を実践してきた息子の春平だろう。